1カ月前から再びエチオピアで始まった戦争。
お互いに相手が先に攻撃をしてきたと非難し合っているが、どちらが先に仕掛けたのかは分からない。
相変わらず外界から遮断された闇の中で戦争しているので、不確実性の高い情報しかないが…
エリトリアとの国境沿いの北部戦線と、南部戦線、東部戦線、いずれにおいてもティグレ防衛軍(TDF)が優勢の様子。
停戦中は撤収していた地域にTDFが再侵入してエチオピア国防軍(ENDF)が押し込まれており、南部戦線と東部戦線では、もはや戦場はティグレ州内ではなく隣接するアムハラ州やアファール州になっているようだ。
北部戦線でもENDFが大敗して数千人が捕虜になったという情報がチラホラと。
おびただしい数の捕虜が集まっている動画がSNS上で出回っているが、今のところ真贋不明。
地上戦ではTDFに勝てないENDFが採った作戦が、ドローンによる州都メケレ空爆。
メケレの幼稚園など住宅地を空爆して一般市民16人が死亡したとされているが、外界と遮断されているので誰も検証できない。
一応、動画や写真はネットに出ているけど。
もはやエチオピア国防軍と各州の軍で束になっても、ティグレ州には勝てない…ということで、アビィ首相はまた危険なカードを切るようだ。
ティグレ州とは犬猿の仲である隣国エリトリアの力を借りる、と。
Eritrea issues army mobilisation call as Ethiopia fighting resumes, Canada saysカナダ政府の他に、イギリス政府も警告を発しているが、エリトリアが60才以下の国民を予備兵として動員し始めていて、近々ティグレ州に大規模侵攻するのでは?という話。
別の不確かなソースでは、軍事訓練を終えたばかりの新兵4万人も最前線に投入されるとか、されたとか。
すでにエリトリア軍とエチオピア軍の合同軍がティグレ州北部戦線で戦っているという話も。これはティグレ側の主張で、エチオピア政府・エリトリア政府ともにノーコメントで肯定も否定もしていない。
しかし…国内の敵を倒してもらうために、隣国に自国領土を攻めてもらう時点でエチオピアは主権国家としてどうなんだろう?とは思うが、もう自分たちだけでは勝てないことを自覚してるんだろうな。
さて…ウクライナは、エチオピアとソマリアに最大5万トンの小麦を人道支援として提供することを閣議決定した。
閣議決定の詳細はウクライナ内閣府のサイトに載っている。
そのために国家予算から4億2千万フリヴニャを割り当てると。
国連総会のロシア非難決議に賛成も反対も棄権もせず、そもそも意思表示をしなかったエチオピアにも人道支援。ちなみに、ソマリアはロシア非難決議に賛成。
ウクライナから支援される小麦って、当然のことながらエチオピア政府が受け取るだろうから、本当に人道支援が必要なティグレ州に行くことはなさそうだけど。
ソマリアはむちゃくちゃ助かると思う。
The war in Ukraine’s impact on wheat supplies is particularly worrying for many developing countries.
For example, an @UNCTAD assessment shows 25 African nations import more than 1/3 of their wheat from Russia and Ukraine. For 15, the share is over half. https://t.co/bSUBO6Z8J2 pic.twitter.com/K6O7M43kTS
— UNCTAD (@UNCTAD) March 17, 2022
ソマリアは小麦の輸入をロシアとウクライナの2カ国に依存しているせいで、ロシア・ウクライナ戦争の影響をまともに受けてるはず。
特にウクライナ依存はアフリカ諸国の中でも突出していた。
エチオピアもソマリアもイタリアの影響を受けて、スパゲッティがほぼ主食並みの地位を得てるからな…けっこう小麦は消費してるはず。
全然関係なさそうに思えて、意外と繋がっていたりするもんで。