日本でタイのための台湾同盟が集会

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9月19日、カナダ在住のタイ人がFacebook上に「東京・渋谷駅でタイの民主主義のための抗議集会が開かれた」と投稿した。

なぜに渋谷で?という疑問もあったが、投稿を読むとアンチ親軍事政権の集会であると共に「2553年にタイ兵士に殺害された日本人ジャーナリストのヒロユキ氏に対する正義を求める」集会でもあったようだ。

仏暦2553年だから、2010年にデモを取材中に銃撃されて死亡したロイター通信のカメラマン村本博之さんのことか?

その集会の様子がこちら。

Kritsada Akkhapracha 投稿記事

“地味なフワちゃん”みたいなおっさんがいる…

おっさんの持っている垂れ幕が写真では少し切れてしまっているが、上に赤字で「VAJIRALONGKORN」と書いてある。

ワチラーロンコーン…今のタイの王様ラーマ10世の名前だ。

その下には「…ONSIBLE FOR MURDER OF」と書いてあるが、推測するに「(RESP)ONSIBLE FOR MURDER OF」(…の殺害に対する責任)だろうな。

実際の垂れ幕にどんなことが書いてあったのか分からないので何とも言えないが…

村本さんが射殺されたのは2010年、ラーマ10世が国王に即位したのが2016年だから、村本さんの事件と国王を結び付け過ぎると自分の首を絞めることにならないか?

事実を明らかにしたい目的で現国王の責任論を振りかざすと、「じゃぁ殺害当時の国王(今も国民から敬愛されるラーマ9世)の責任論は?」と矛盾しちゃいそう。

多分、日本で集会をする以上は日本人の注目も集めたいがために村本さんを持ち出して、彼らの本来の目的である王室批判と結び付けたんだろうけど。

まぁ、しかし「MURDER(殺人)」という物騒な単語の上に堂々と国王の名前が書いてあるとは…ラーマ9世が亡くなった時点(=“あの”息子が次の国王になると決まった時点)で、皆がある程度は想像はしていたことだが、形になって表れるとやはり「タイも変わった」とつくづく実感する。

ちなみに、渋谷での抗議行動は『タイ民主主義のための台湾同盟』が計画したようだ。

タイのための台湾同盟??

今年4月から、中国人とタイ人がネット上で舌戦になっていて(原因はこの記事でも参考に)、タイ側に香港と台湾が加勢して同盟を組んだ。

その結果、ミルクティー同盟(台湾・香港・タイ)が五毛党(中国)とネット空間で戦いを繰り広げていると。

はっきりとは知らないが、ミルクティー同盟(#MilkTeaAlliance)の繋がりを利用しながら『タイ民主主義のための台湾同盟』が発足したんじゃないかな?

アジアが団結して「あらゆる形態の権威主義に抵抗する」共通点の中で、このグループはタイの親軍事政権の退陣を目的にしているようだ。

渋谷での抗議集会は、タマサート大学の学生活動家ペンギン君らが中心となって計画していた9月19日の大規模集会に併せて世界中で同時多発的に計画・実行された様子。

ちなみにタイ本国では同日に5万人規模の抗議集会が開かれたようだ。

去年までの軍事政権から今の傀儡政権まで、反対派の封じ込めに王室の威光を利用し過ぎた感は否めない。

そもそも、今の国王はタイにいなくてずっとドイツに住んでいて、コロナ禍の最中もホテルに愛人20人を囲って酒池肉林な生活をなさっているとか(情報:ロイター通信)。

21Pとかしたのかな?

国王自身がタイ国内の問題にあまり興味なさそうなことをいいことに、軍事政権が国王の威光を利用して王室不敬罪を乱発して反体制派を逮捕しまくったことで、若干巻き込まれた感もある国王だが、もはや親軍事政権とは一蓮托生の関係になりつつあるイメージ。

いちおう国王も「王室不敬罪を乱発するな」と多少は口出ししたみたいだけど。

国王自身がこんなんだからな…

フワちゃんより先にスポーツブラみたいなのを着ていたという点では“元祖フワちゃん”と言ってもいいだろう。(←完全に王室不敬罪で逮捕案件)

お父さんとの落差が激し過ぎて、そりゃタイ人もタブーだった王室批判もしたくなるわな。

今後の展開がどうなるか?は分からないが、色々なパターンを想像してみた。

軍の一部が別な王族を新国王として擁立してクーデターを決行して、南北朝時代に突入するとか? 擁立するとなれば最有力候補は人気度からしてシリントーン王女か。

現国王と陸軍の最大派閥を敵に回すことから成功率は低いが、民主化推進を旗印にすれば国民の支持は集められそう。かつてクーデターを失敗したせいで懲罰として力を削がれて表舞台から姿を消した海軍が、起死回生の一発に…とか面白そうだが、もうそんな力はないか?

別パターンとしては、今の抗議行動の主体になっている学生らを中心とした若者たちの今後の方向性によって転び方が変わる可能性も考えられる。

「闘わなければ」 立ち上がったタイの若者 異例の王室批判も

急進的に走り過ぎると国民の支持が離れて行く危険も。とりあえずラーマ10世に絞って批判する分には共感を得られるだろうけど、故ラーマ9世まで含めた批判は(今の段階では)時期尚早で上手く展開していかないと浮いちゃう。

国民の支持が離れて行けば体制側も弾圧しやすくなってあっけなく終わるだろうし、国民の支持を集めたまま上手く展開すれば…もしかしたらタイ“王国”じゃなくなる可能性もあり得る。

逆に言えば、タイ“王国”じゃなくなる可能性って今のラーマ10世だからこそあり得る話のような気も。

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