下書きを成仏、第3弾。
これは新しい。
今年8月に、知床の羅臼岳で登山客がクマに襲われた後に、書きかけて途中で止めたやつ。
被害者の近くに母グマと子グマ2頭がいて、3頭とも駆除されたって話。
たまたま人間を捕食できた成功体験が「人間も獲物の一つ」と学習になる。
ンジョンベ(Njombe)の人喰いライオンの群れ。
マラウィ湖の北にあるタンザニア南部のンジョンベで、1932年から1947年の間に1500人が殺された。
人数にかんしては、時代が時代だけに若干疑問で、“盛りがち”っていうのはあるだろうけど。
3世代にわたって人間を狩っていた群れで、同じ村を連夜襲わないとか、夜移動して昼襲う(通常のライオンの狩りと逆)とか、人を家から誘い出して狩るとか、学習した狩りのコツを群れで共有、子ライオンも観察・模倣することで世代間伝承した。
結局、群れを全滅させるまで人喰いが続いたみたいだ。
一方、クマの場合はライオンのように群れで生活する社会的動物じゃないから、世代間伝達は“絶対”ではないようだ。
When Bears Steal Human Food, Don’t Blame Mom(クマが人間の食べ物を盗んでも、母親を責めてはいけない)
子グマは必ずしも母グマからゴミ漁り行動を学習していないという研究結果を紹介する記事。
「研究では9頭のクマのうち5頭(56%)は母親の行動習慣を共有していなかった」そうだが、分母がずいぶん小さいな……
ただ、『母グマが人間を襲っていたのを見ていた子グマ』だったら、学習するとは限らないわけだから、まだしも……
『その後で親子で一緒に食べてみた』だったら、話は違ってくる。
しかも、見ていただけか、一緒に食べたかは、解剖してみないと分からないというね。
つまり、今回母グマと一緒にいた子グマ2頭も駆除されたのは仕方ない。
なんで途中で止めたかって……比較対象として全く意味がないことに気がついたから。
比較に意味はないんだけど、「防衛本能で襲う」のと「食うために襲う」のではまた違う話になるってのはライオンもクマも一緒な気もする。
襲われる側からしたら「殺られたらどっちも一緒だろ!」とはなるけど。
ライオンは、人間を食べない。
そのうえ主食は群れによって違うらしい。
シマウマをメインにする群れもいれば、インパラをメインにする群れもいて、そこら辺は生息地域によって“エサ”の豊富さとか狩りやすさとか関係してるんだろうけど、基本はメインディッシュ狙いで襲って食う。
そこは雑食の動物とは違いそう。
だから、基本的には「ライオンに襲われる」って……ネコパンチされたら首の骨折れたとか、甘噛みされたら人間的には全然甘くなかったとか、不機嫌でキレて襲われたとか、そんなんだろ。
ちなみに……オレがアフリカにいた頃、日本人がライオンに襲われて死んでる。
Japanese woman dies from lion attack在ジンバブエ日本大使館の50代の女性職員が、同僚5人とライオンの檻に入って、出ようとしたところライオンたちに襲われて、翌日首都ハラレの病院で死亡。
なんで覚えてるかっていうと、ザンビア在住の友だちと「なんで南アに飛ばなかったんだろ?」って話し合った記憶がある。
感覚的な話をすると、サハラ以南のアフリカで医療水準がぶっちぎりなのは南アフリカ一択。
ジンバブエで何かあったら、チャーター機とかで南アに緊急搬送されたいところ。数千万円かかるが、保険でカバーできる。
国境を接していないザンビアに住んでいようが「何かあったら南アに」という“安心感”は別格なのだ。
ただ、国外緊急搬送の必要性の判断をするのは医者だろうからな……
患者が「ジンバブエなんかやだ!南アの病院に行きたい!」と言っても、ジンバブエの医者が「必要ない、オレに任せろ!」って言ったらたぶん保険は使えない。
もちろん、もし南アに飛んだからといって助かっていたかどうかはわからないけど。
なお……事故が起こったのが2005年というのがポイント。
歴史に名を刻むハイパーインフレーションの前夜(経済崩壊中だが完全崩壊直前)で、一応は公的医療機関も“部分的に機能”していた時期。必要な医師の55%が欠員状態だったとかあるけど、ぎりぎり動いてはいた。医療に限らず普通にヤバかったけど。
翌2006年から急激に悪化して、2007年にかけて貨幣経済が完全崩壊して物々交換の世界になるのだが……この時は、国家予算からの医療支出が4%を切って、医療従事者の給与が月額1USドル以下に。麻酔薬不足とか、燃料がないから救急車が走れないとか、電気・水道が止まってるから手術室でろうそくを使って手術してた時期。必要な医師の75%が欠員して、ほぼ医療が止まっていた。
完全崩壊前夜の2005年時点でも、オレなら「ジンバブエなんかやだ!南アの病院に行きたい!」って泣き叫ぶくらいのレベル。国境沿いは隣国からの密輸でまだ経済が少し回っていたが、中に入れば入るほどすでに壊滅的だった。なんで南アに飛ばなかったんだろ?
あ、「チャーター機を飛ばす燃料がなかった」とかなら納得しちゃう。2005年時点で深刻な燃料不足で、国内の公共交通機関ですらほぼ動いてなかったから。
話は逸れたが、「襲われる」ってことと「食べられる」ってのはイコールじゃない。
ただ、人間を捕食できた成功体験が「人間も獲物の一つ」と学習するから、どんな理由でも「人間を食べた」ライオンがいたら絶対に見つけ出して駆除するって言ってた。
年寄りとか、歯が悪いライオンとか逆に危ないって。
ホントは、シマウマとかインパラを狩りたいけど狩れない……
シマウマとかインパラって逃げ足が速いけど、人間って足が遅いからすぐ追いつけちゃう。
人間って柔らかいから、歯が悪くても食べやすい。
あれ?もしかして人間ってイージーに捕食できるんじゃね?!って学習しちゃったら最後。
単独ならまだしも、群れだと社会性があるから、学習内容を共有して“喰うために群れで人を狩る”ンジョンベの人喰いライオンみたいのが出現する。
一方で、クマって社会性がないからライオンみたいな世代間伝承しないみたい。
あれ?もしかして人間ってイージーに捕食できるんじゃね?!って母グマが学習しても、子グマも同じように学習するとは限らないっぽい。
ただ、人間の味を覚えちゃったら子グマもアウト。母グマに教えてもらったわけじゃないけど、自分の舌で「人間もエサ」と学習しちゃう。
なんとなくのイメージだけど、クマも「防衛本能で襲う」のが基本って感じ。ただ、「結果的に食べちゃう」可能性はライオンよりクマの方が高そう。ライオンは食べ分けするけど、クマは雑食だし。
最後に、オレが気になってることをひとつ。
人間と不意に遭遇しちゃってパニックになったクマが反射的に攻撃する、とか言うけど……
「クマは警戒心が強く、探索能力が非常に優れている」とか「ツキノワグマの嗅覚は犬の7倍」とも言うじゃない?
いやいや、そんなに鼻が利いて警戒心が強いやつが、“不意に遭遇してパニック”っておかしくない?
不意に遭遇するもっと手前で気づけよ!!
気づける能力を持ってるんだから、使え!!
犬の7倍の嗅覚もってるやつが、出会い頭でビックリしてんじゃねーよ。花粉症かよ。

