下書きを成仏、第2弾。
5年前の2020年に書きかけて、そのまま放置してたやつ。
さすがに自分でもネタがマニアックすぎるっ!と我に返って、途中で止めたくさい。
誰が興味あるんだよ、こんなネタ!
まぁ…エチオピアの戦争をちょこちょこ書いてるやつが、何を今更マニアックであることを気にしてるんだ?って話ではあるが、それにしてもマニアック過ぎて自制した可能性大。
そんな、「さすがに止めておこう」と思ったタイ国軍の派閥について書きかけたこちら。
大日本帝国陸軍にも皇道派や統制派といった派閥があったように、タイ陸軍にも派閥がある。
一言で「タイ軍部がクーデター」と言っても、実際には一枚岩ではない。
タイ軍は、36万人の兵力に対して約1700人の将軍がいるとされている。
戦車、航空機、艦船を足した数より将軍の方が多い。
ちなみに…アメリカ陸軍の場合、47万人(常備軍)の兵力に対して322人の将軍。ただし、タイ軍には存在しない階級である准将(brigadier general)の数を除けば181人。
タイにおける主だったクーデターの年表。
1932年:成功
1933年:成功
1947年:成功
1951年6月:失敗
1951年11月:成功
1957年:成功
1958年:成功
1971年:成功
1976年:成功
1977年3月:失敗
1977年10月:成功
1981年:失敗
1985年:失敗
1991年:成功
2006年:成功
2014年:成功
海軍は1951年6月のクーデター(マンハッタンの反乱)に失敗して、懲罰として縮小させられたせいで、もはや軍の中で力を持っていない。
第2歩兵師団(陛下の親衛隊第2歩兵師団)はブラパ・パヤック派(บูรพาพยัคฆ์)
2000年代に入ってから2回あったクーデターで
第1歩兵師団(陛下の親衛隊第1歩兵師団)はウォンテーワン派(วงศ์เทวัญ)
ここまで。
これは…下書きのまま葬り去るのが正解だったかもしれん。
ブラパ・パヤック派とウォンテーワン派のネタとか、
誰が読むんだよ、こんな話!!
ということで、アクセスが集中して人気ブログ記事ランキングに入っちゃいそうなので、続きを書いてみる。
タイ陸軍には、同じ近衛である第1歩兵師団のウォンテーワン派(วงศ์เทวัญ)と、第2歩兵師団の『東の虎』ことブラパ・パヤック派(บูรพาพยัคฆ์)の2大派閥がある。
クーデターなんて、いかに素早く首都バンコクを押さえてしまうか?が成功のカギなので、王室をお守りする近衛部隊としてバンコクやその周辺にいる第1歩兵師団(ウォンテーワン派)と第2歩兵師団(ブラパ・パヤック派)のどちらかが明らかに反対したら失敗する。
ということで、2025年らしくAIに説明してもらった。
タイ陸軍の“派閥”は感情的なライバルではなく、人事・配置・宮廷との結節を握るパトロネージ網なので、クーデター時には賛同・静かな不介入・妨害のいずれかで結果を左右し得ます。成功可否は単独派の腕力より、鍵部隊をどれだけ同時協調させられるかに依存します。
どう左右するのか(メカニズム別)
動員の「間引き」
反対派は、命令伝達を遅らせる/燃料や弾薬・車両の手当てを細らせる/交代要員を回さない——といった静かなサボタージュで“首都制圧のテンポ”を崩せます。クーデターは速度が命なので、数時間の遅延でも勝負を決めます。要所の「事前占有」
放送局、政府庁舎、交差点、橋梁、王宮周辺などシェブロン(要点)をどちらの派の中隊長が握っているかで可否が反転。相手派が前日に“演習名目”で要所を抑えれば、実態は非対称の出遅れです。正統性の先取り(宮廷・司法・枢密院・地方軍管区)
“どちらが王命(またはそれに準ずる象徴的承認)を先にとるか”は決定的。派閥は宮廷回路へのアクセス差があるので、賛同派は承認を先に確保し、反対派は対抗的な声明・儀礼で正統性を削りに来ます。情報の切断とリーク
指揮系統の暗号回線や携帯網の管理権が分かれていると、反対派は通信分断・誤情報リークで部隊の“集合点のズレ”を誘発。バラバラに動くと、流血のリスクが跳ね上がり、政治的コストが急増します。警察・準軍事・民兵の使い分け
軍内だけで拮抗しても、警察・治安部門・準軍事(国境警備警察など)をどちらが抱き込めるかで群衆管理と逮捕の法的外装が確保でき、実質の主導権が決まります。どれくらい影響するのか(ゲームの形)
クーデターは典型的な協調ゲーム(みんなが勝ち馬に乗るなら乗る、乗らないなら乗らない)。派閥は“保証人”として働きます。
単独派の突撃:成功確率は低い。反対派が静かに「不介入」するだけで頓挫。
越派閥連立(連名の“保証”):成功確率は一気に上がる。現場将校が安全に寝返れるから。
非対称の二重権力:両派が要所を分け合い、膠着→国王・司法・上院などの第三者がタイブレーク。この局面でも“誰が儀礼・近衛の実働を握るか”が効きます。
成功後の配分(なぜ派閥は動くのか)
おっしゃる通り、成功すれば実利(人事・予算・治安機関・国営企業・国防調達)は主導派に流れやすい。他方、敗れた派は粛清・左遷・地方回しのリスク。だからこそクーデター前夜は
ポストの事前内訳(だれが陸軍司令官/特殊戦/首都防衛を取るか)
予算・装備の割当の暗黙合意
“不介入”の見返り(一定数のポスト保全)
という和解パッケージを用意できる派が勝ち筋になります。派閥争いはゼロサムに見えて、実務はコアの取り合い+周辺の分配に近い。可能性の整理(仮説ベース)
起こり得る:ウォンテーワンが前向き、ブラパが裏で失敗工作——は十分あり得る。
決定打になり得る:特にバンコク常駐近衛・特殊戦・通信・輸送の構成が派閥で割れている時期は、妨害の効果が大きい。
ただし単純二項対立ではない:実際は宮廷直系(RSC/“904”)や警察、地方軍管区が第三極として入り、三角形の取引で決まることが多い。派閥は“色分け”より結節点(どの役職を誰が押さえるか)で見るのが近道。
現実に照らすチェックリスト(実効性の見立て)
直近の将官ローテーションで、首都の近衛・輸送・通信をどの系譜が握ったか。
クーデター前の共同演習/治安出動の名目で、どの派の中隊長が放送局・橋・交差点を担当したか。
王室儀礼・親衛任務のシフトに“片寄り”が出ていないか。
警察・準軍事の長人事がどちらの連携に傾いているか。
要するに、クーデターは「派閥がやる」ものではなく、派閥が“成否の保険”を売買する場です。誰がどの保険(鍵部隊・正統性・通信)を握っているかで、成功確率は大きく跳ねます。
2000年代に入ってからの2つのクーデター時の実動部隊と、その後の重要ポスト(見返り)から、どう分析できるか?調べてもらったところ…
2006年クーデターは、ウォンテーワン派そのものが統率したとは言い切れないものの、その影響は濃い。
2014年クーデターは、ブラパ・パヤック派の直系(第2師団/第21連隊の系譜)がはっきり主導。ウォンテーワン派は協調・補完の位置。
というのが、AIの分析。
ちなみに…
2大軍派閥の動きだけでクーデターの成否が決するものではなく、第三極の存在も。
圧倒的カリスマ性で絶大な国民人気に支えられていたプミポン前国王が亡き跡を継いだ、ワチラロンコン現国王。
圧倒的な象徴的正統性(ソフトパワー)で軍を間接統御できたお父さんと比べて…(不敬罪にひっかかるので自粛)…なので、“非常時の実力行使”を自らの手にしておきたいところ。
王室警護司令部(RSC)を、国防省の管轄から外して王の直轄機関に。
さらに、首都バンコクの防衛を担う第1・第11歩兵連隊を、王室警護司令部(RSC)に移して、命令系統を軍から分離。
つまり、陸軍とは別で、国王直轄軍を新たに整備。
ちなみに、国王直轄軍に引き抜かれた第1・第11歩兵連隊は、第1歩兵師団(ウォンテーワン派)の中核部隊で首都防衛の要。
こういうことするからますます人気が(自粛)だろうけど、まぁ…怖いんだろうな。
もし軍が寝返ったら…と考えると。
お父さんの時は有り得ない話だけど、自分の場合は…と考えると、リスクを潰しておくためにも軍に(自分に対する)クーデターを万が一にも起こさせないための軍事力を自ら持っておきたいところ。
軍によるクーデターより現実的なのが、国民が王室にNOを突き付けた時に軍が(国民と王室の)どちらの側に付くかが命運を分けそうだから、先手を打ったのかもしれん。
今後もしまたタイでクーデターがあるとしたら、王室に不利になるような動きに対して実力行使に出るとか…そんなパターンかもな。
そのための“道具”も国王は手にした。
ちなみに、日本語で書いて不敬罪で捕まった在タイ日本人もいたりして「へぇ、外国語もチェックしてるんだ」と思ったことある。タイ在住じゃなきゃ問題ないが、思ってる以上にがっつりネット検閲してるし、外国語でもフィルターかけてるから、在住者は相当気を使うところ。
TKOの木下に「王様いじったら超ウケるよ」って吹き込んだら、僧侶コスプレで炎上の比じゃない大ダメージを与えられる。
刑務所送りか…国外追放はいけるだろ。

