南アフリカの歌姫Paige

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以前よく書いていたが、最近すっかり書かなくなっていた音楽について。

久しぶりに南アフリカの音楽について書いてみる。

今や、南アが生んだ世界的ポップスターと言えばTyla(タイラ)。

Tyla – Been Thinking (Official Music Video)

欧米的美基準による「かわいいし、スタイルもいい」というのは、世界市場を狙った売り出しにおいて無関係ではないはず。

ストリーミングやTikTokでの拡散を徹底的に意識した曲の長さとか、最初からメジャーレーベルと契約して世界規模のプロモーションをして、完全に世界市場を狙った戦略。

ちょっと今までの南アフリカの歌手とは違う次元で売り出してる。

さて、「最近は誰をよく聴いているのか?」問われれば、Paige(ペイジ)を挙げる。

パイ毛でスペルを覚えると検索する時に楽だぞ。

PAIGE FT SEEZUS BEATS – ANGI SAKHALI (I WILL CRY NO MORE) | OFFICIAL AUDIO

5年ほど前に彗星のごとく現れた、実力派シンガー。

最新アマピアノのビートに、ソウルフルな歌唱力と、伝説の“アフリカン・ポップの女王”ブレンダ・ファッシーの系譜に連なる次世代のポップアイコンになるんじゃないか?と勝手に評価してる。

同じ「南ア発のアマピアノをベースにしたポップ」という土俵にいながら、タイラとは音楽性や売り出し戦略は対照的だ。

世界市場を意識して英語で歌うタイラは“世界を躍らせる”曲なのに対し、ペイジはズールー語やツワナ語で歌う“地元で聴かせる”曲みたいな。

細かい音楽ジャンル分けはどうでもよいが……

アフリカ的な「伝統」エッセンスと、時代性の「最新」ビートの配合比率で南アフリカの音楽シーンを眺めると面白かったりする。

伝説の歌姫ブレンダ・ファッシーは、90年代後半に音楽性をガラッと変えた。

BRENDA FASSIE – Nomakanjani (Official Music Video)

今、改めて聴いてみるとまさに初期クワイトの曲。

1980年代のバブルガム(アメリカのとは別もの、南アのポップ)のテンポを遅くして、より重低音を強調したリズムが、クワイトというジャンル。

南アフリカのダンス・ミュージックは、ざっくりとバブルガム(80年代)→クワイト(90年代)→ゴム(2010年代前半)→アマピアノ(2010年代後半)と進化しているが……

ブレンダ・ファッシーも、アフリカ的要素に最新のビートを融合させた。

2000年代から今も活動を続けるMafikizolo(マフィキゾロ)は、そういう点ではブレンダ・ファッシーの正統後継者だろうな。

アフリカ的要素に、常に最新のビートを融合し続けるマフィキゾロは、『モダンアフロポップ』の完成形を確立したんじゃねーか?と勝手に思っている。

南アフリカ人にとって「懐かしくも新しい」音楽というか。

南ア音楽史上で最大のヒット曲のひとつになったマフィキゾロのこの曲は、2007年発表。

MAFIKIZOLO – Ndihambe Nawe

(南アフリカ人にとって)懐かしいと感じるレトロサウンドに、クワイトという当時最新のビートを融合させている。

2013年に出して大ヒットした曲『Khona』は、当時南アフリカで爆発的に流行していたアフロ・ハウスとの融合。

MAFIKIZOLO ft Uhuru KHONA (Official Music Video) HD

芯となるボーカルスタイル(伝統的・レトロな雰囲気)は変えず、バックのビートだけを常に最先端(クワイト → アフロ・ハウス → アフロビーツ → アマピアノ)に差し替えて、25年以上にわたってトップに君臨し続けるレジェンド。

伝統的エッセンスと、時代性(最新ビート)の“融合”としてみると、ペイジはブレンダ・ファッシーからマフィキゾロと続いてきた黄金の系譜の最新系。

もちろんペイジ以外にもたくさんアーティストはいるが、どの割合が絶妙なバランスと感じるのは人それぞれなので、最終的には個々の好み。

ペイジがデビューのきっかけになった曲で比較してみると良い例。

2021年にメガヒットしたMakhadzi(マカジ)の曲『Ghanama』を、ペイジはカバーしてネットにあげた。

Makhadzi – Ghanama [Ft Prince Benza] (Official Video)

“天童よしみ”みたいなマカジは、南アで絶大な人気を誇り、彼女もまた「ブレンダ・ファッシーの後継者」と言われている。

オリジナル曲はヴェンダ語に対し、ペイジはズールー語でカバーした。

Sdala B & Paige Ghanama zulu Version ( Official Music Video)

同じ曲とは思えないほど、南アでは「エモーショナルでソウルフルに聞こえる!」と衝撃を与えてバズった。

どの割合が絶妙なバランスと感じるか?は人それぞれなので……

マカジの野性的なエネルギーが前面に出て、伝統的エッセンスが爆発したようなオリジナルが良いって人もいるだろうし、

ペイジの、よりメロディアスに解釈されて、ビートの質感もアマピアノとしての側面が強調されてるカバーの方が良いって人もいるだろうし、

もはや好みの問題。

伝統的エッセンスと、時代性(最新ビート)の割合比率を独断と偏見でつけると……

王道のマフィキゾロを5:5とするなら、

【マカジ 7:3】彼女はヴェンダ文化を前面に押し出して、伝統的なダンスやリズムをそのまま最新ビートに叩きこむパワースタイル。

【ペイジ 4:6】マカジに比べれば最新のハウス/アマピアノの洗練に比重を置いている感じ。メロディの美しさ、ソウルフルな歌唱で都会的スタイル。

音楽的な好みで言えば、オレはマカジよりペイジの割合が好みってだけ。

デビューのきっかけは人の曲のカバーだったペイジだが、ただの一発屋で終わらなかった。

これまでに3枚のアルバムを出して、実力派シンガーとして評価・人気は急上昇。

Sdala B & Paige #NgiyazifelaNgawe EP live performance

オレ好みの絶妙なバランスは、現時点ではペイジ。

投げ銭Doneru

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