2008年11月14日、インフレ率が897垓%という天文学的数字を記録してジンバブエ経済は崩壊のピークを迎えた…
そして今、10年の時を経てジンバブエ経済は再びの絶賛崩壊中!!
最新の数字によれば1月16日現在のインフレ率は236%。
89,700,000,000,000,000,000,000%と比較すると、めちゃくちゃ低いようにすら思えてしまうジンバブエマジックだが…
1974年のオイルショック時に“狂乱物価”と騒がれた日本のインフレ率は23.17%。
たった23.17%で狂乱できるなら…
10倍の236%にもなったらどうなるか?は想像に難しくない。
897垓%くらいまで突き抜けちゃうと、もう全てが崩壊してるから意外と絶望しか抱かないみたい。
ちなみに…オレがジンバブエに行ったのは2005年と2006年。
ジンバブエ研究が専門の大学教授と話した時に言われたけど、ピークだった2008年よりオレが行った頃の方が実は大変だったらしい。
絶望の境地に辿り着く前の、坂道を転がり落ちている最中の段階が最も辛いようで。
そして、10年の時を経て経済崩壊中のジンバブエを襲っているのが再びの燃料不足危機!!
2018年9月から深刻な燃料不足が発生。
この動画はガソリンスタンドに並ぶ車列。
な、懐かしい!!
オレが知ってるジンバブエが戻ってきた!!
燃料不足の原因が、外貨不足という点まで前回と同じ。
先週、1月12日にムナンガグワ大統領は不足している燃料を値上げすると発表。
ガソリンはリッター1.34USドル(約147円)から3.31USドル(約363円)へ。
ディーゼルはリッター1.2USドル(約132円)から3.11USドル(約341円)へ。
いきなり2.5倍に跳ね上がったことで、大混乱に陥って市民が暴徒化。
まだ暴れる元気があるということは絶望の手前の一番辛い時期ってことか?
軍が制圧に乗り出して最低でも8人を射殺、不特定多数の負傷者が出て、600人以上が逮捕されたという報道。
さらに暴動の拡大を恐れたジンバブエ政府はインターネットをシャットダウンさせて情報の拡散を阻止。
10年前の経済崩壊で、法定通貨ジンバブエドルが死亡(廃止)。
代わりにUSドルなどの外国通貨をジンバブエの法定通貨にしたものの…肝心なUSドル札が足りない!!という素敵な状態に。
そこでジンバブエ政府は性懲りもなくボンドノートとRTGSsという2種類の“非公式通貨もどき”を導入。
ボンドノートは、お金じゃないけどお金と等価(という建前)の紙きれ。
中央銀行であるジンバブエ準備銀行が発行する2ドル・ボンドノートは、2USドルと同じ価値があるという建前ね。
USドル札が足りないけど偽造するわけにもいかないから、それに代わるやつを作ってみた!みたいな感じ(多分)。
本当に2ドル・ボンドノートは2USドルと同じ価値があるのか?
現在、6ドル・ボンドノートが2USドルで全然等価じゃない。
まぁ、ジンバブエ人だってジンバブエドルで学習してますからね…そんな胡散臭い紙きれは要らない!ってなるのは当然かと。
この前、政府が「USドル札が足りないから、今後は教員への給料はボンドノートで払う!」とか言い出して、「ボンドノートいらねー!!」って騒ぎになってた。
給料がボンドノート払いになった途端、実質66%の減給になるのと同じだから。
RTGSsは、現金じゃなくてEcoCash(ジンバブエの電子マネー)などで決済するよ!みたいな感じ。どこで使えるんだよ?!
まー、とにかく金がない。
オレが行った頃から全然変わってない。
最近ジンバブエ国民も気が付いてきたみたいで…
ムガベの37年にわたる支配から解放されてバラ色の将来が待ってるかと思ったら、大統領がムナンガグワに代わっても一緒なの?!みたいな。
結局、ずーっと与党であるZANU-PFの支配が続いている限りは、誰が大統領になってもそんなに変わらないんだと…