クレムリンのサーバーがダウンしてて、プレスリリースの写真をゲットできなかった。
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いや、最近のプーチンってソーシャルディスタンスがとんでもないじゃない?
2022年2月7日のプーチンとマクロンの会談。
2022年2月14日のプーチンとラブロフ外相の会談。
お互いに何か言っても「え?」と聞き返すこと必至で、もはや会話ができるのか心配になる距離である。
もしかして…権力とか軍事力とか力の信奉者って、意外と目に見えないものに対する恐怖心が常人よりすごいのかな?と思ったりなんかして。
自分の脅威になる人間は暗殺だってできちゃうし、世界屈指の強大な軍事力を自由に動かせるのに、ウイルスは暗殺できないしロシアの強大な軍事力を以てしてもどうにもならない。
それに気づいた時に、えっ…やだ、コロナ怖いっ!!みたいになって、目に見えないものへの恐怖に精神を蝕まれていって、ついに気が触れてしまったパターンなのか?!と思ったら、ラブロフ外相との会談の4日後。
2022年2月18日のプーチンとルカシェンコの会談。
一番ウイルスを飼ってそうなルカシェンコ(*個人的な偏見です)とは近いんかーいっ!!
コロナへの恐怖で気が触れたプーチン説、ここに呆気なく崩壊す。
くそっ! プーチンがコロナにビビッてるんだったら、コロナに感染した状態でクレムリンをウロウロしてプーチンを見つけたらいきなり抱き付いてディープキスして濃厚接触してやろうと思ってたのに。
人類史上最も非暴力的自爆系テロリストになれるチャンスが消えた。
先走って準備を進めてコロナに感染しておかなくて良かった…
さて、今回のロシアによるウクライナ侵攻からは色々と考えさせられる。
募金をするとか、(似て非なるものだが)反戦デモや反侵攻デモに参加するとか、プーチンに抱き付いてディープキスをするテロを画策するとか、神に「プーチンが喉にピロシキを詰まらせますように…」と祈るとか色々あるが、極論を言ってしまうと結局は『安全圏から見守っている』ことしか出来ないということ。
逆の立場、ウクライナから見れば、世界は(ほぼ)皆が味方してサポートしてくれるが『誰も助けには来ない』。
大いなるジレンマだろう。
西側では今回の戦争を『民主主義と自由の価値をめぐる戦争』などと呼びながらも、核を持った頭のネジを飛ばした1人の男の前では何も動けない。現実にはウクライナは援軍なしで孤軍奮闘するしかない。
アメリカやNATOがウクライナに軍を送る、もしくは逆にロシアがウクライナの次に隣接するポーランドかルーマニア(共にNATO加盟国)に軍を送ったら、第三次世界大戦になる。
プーチンに第三次世界大戦を取るか、ウクライナを取るかの二者択一を突き付けられて『見守る』我々。
実質的に答えは出しているのだが、これはつまり「核を持った頭のネジを飛ばした1人の男が、第三次世界大戦すら厭わずに強気にさえ出れば何でも出来ちゃう」ということでもあることに気付かされて衝撃を受ける。
話は少し変わるが…
ロシアによる侵攻に反対しウクライナ側に立つのは良いと思うし、オレもそうだが、だからと言って何も考えず無条件に全てを肯定する姿勢には少し違和感を抱く。
昔、ベラルーシとの国境で「カネを出せ。出さなかったら国境を通さない」とウクライナの国境警備隊にカツアゲされかかったことを根に持って言っているわけではない。
非常に微妙な例がある。
PHOTOS: Children learn how to use an AK-47 assault rifle during a civilians self-defence course in the outskirts of Lviv, western Ukraine, on March 4, 2022. #MonitorUpdates
📸AFP pic.twitter.com/VgquHeI1U3— Daily Monitor (@DailyMonitor) March 4, 2022
ウクライナ西部のリヴィウで、自衛のためにAK-47の使い方を学ぶ少年たち。
中東やアフリカからの「自衛?イスラーム教徒(or アフリカ人)だったら『戦争犯罪』とか『少年兵』と呼ぶであろう。西洋の偽善だ」という反応も目立つ。
“イメージ”に対する点ではもっともな指摘だ。
例えば…ティグレ防衛軍(TDF)には少年少女が兵士として参加していた。
エチオピア政府側とTDF側の双方が認めていることなので、このこと自体は事実であることは間違いない。
まずはこの事実だけを知って人それぞれ思うところがある。
人それぞれとは言いつつも、普通は否定的な意見だろうけど。
では、それに加えてこんな情報を知ったらその意見はどう変化するだろう。
ティグレ戦争の緒戦でエチオピア政府軍は快進撃でティグレ州を“制圧”。わずか3週間でアビィ首相は勝利宣言をする。
問題は、勝利宣言の後。
アビィ首相の勝利宣言の後、ティグリニャ人狩りがあった。
人道的支援物資を遮断することで意図的に飢餓を作り出していたり、実際にTDFの兵士か否かは関係なく“兵士になり得る”男性(農民や少年ら)の処刑、女性への性暴力(輪姦後に女性器に熱した鉄の棒や銃剣を刺すのは屈辱を与えた後に子供を産めないようにして民族を増やさないため)などを踏まえると、民族浄化と言ってもいい。
民族存続の危機に、TDFに合流するティグリニャ人が増えたとされている。
在外ティグリニャ人、大学教授、家を奪われた農民などに加えて…少年少女もいたと。
村で殺戮が行われて唯一生き残った少年は、もはや行く場所がないという理由でTDFに合流した。
この場合はどうだろう?
少年の気持ちは理解できるけれども憎しみや復讐は何も生み出さないから、やはり否定的に捉えるだろうか。
ある10代の少女はエチオピア兵たちに輪姦されたが「私が妹たちを守る。同じことは絶対にさせない」とTDFに合流した。
この場合はどうだろう?
現在進行形で民族浄化を目的とした蹂躙が行われている中にあっても、決して武器を手にせず座して死を待つ、もしくは屈辱を甘んじて受け入れるべきなのだろうか。仮に妹たちのためだったとしても。
結局、どこで境界線を引くかなんて各人の倫理観・価値観によるところであって、その境界線は背後にある“ストーリー”によって変化してしまう。
ちなみに、アビィ首相の勝利宣言後のこととしてオレが書いた内容は、アビィ首相いわく『欧米のプロパガンダ』だ。自分たちは『欧米の偏見に晒されるアフリカ』という位置付けをしていて、あえてエチオピアの問題というより欧米 vs アフリカという構図にしている。
仮に『欧米のプロパガンダ』だったとして…さらにいえば、本人たちの志願ではなく強制徴用となると、全く違ったストーリーになるので意見は変わってくるし、国際法上も問題になる。
だから情報戦が存在しているんだけど。
より感情に訴えるような情緒的なストーリーであればあるほど共感を得やすい。
「私たちはTDFに強制的に最前線に連れて行かれました。戦闘に参加しなければ家族全員を殺すと脅されました」と証言する10代の少女のインタビュー映像がエチオピアのテレビで放送された。時々、少女が言葉を詰まらせるとカメラの裏から大人が助け舟を出して「何を言うか」台本を教えてる音声まで入ってしまっている雑な部分さえなければ…
個人的には、状況などから考えて相当数の少年少女志願兵はいたと考えているが、かと言って全員が全員とも志願であって強制徴用ではないと断言できる証拠はない。
ウクライナで自動小銃の撃ち方を学ぶ少年たちも、非常に微妙だ。
真実とは別に、どんなストーリーを作られてロシアに情報戦で使われるか分からないという危険も孕んでいる。