不定期に書いている読書記録。
本来なら今回も読書記録として書くべきなのだが、なぜかそれはイヤだ。
今回買うという選択肢は頭に浮かんでこなかったので、図書館で借りてみた。
ただ、もし買ったとしても「リサーチのため」という大義名分があるので経費で落ちるはずだ。
前回、ビジネスパーソン必読の『画期的なビジネスモデル』を書いた。
幸福の科学の故大川隆法が発明した霊言方式をまるっとパクって、オレが二代目の霊言道士になってやろうか?という我ながら素敵なアイデアなのだが…
よく考えたら、オレは先代が遺された霊言方式をきちんと把握していない。
こち亀全巻を凌駕するほど恐ろしい数がある「公開霊言シリーズ」本の中から、とりあえず1冊だけ借りて勉強のため読んでみた。
「公開霊言」とは、大人数の信者を前にして大川隆法が著名人の守護霊を召喚。教団職員によるインタビュー形式で行われた守護霊の言葉(霊言)を、文字起こしして書籍化したものが「公開霊言シリーズ」本だ。
さて、今回オレが読んだのは2016年に出版された『ドゥテルテ フィリピン大統領 守護霊メッセージ』(幸福の科学出版)である。
現在は前フィリピン大統領だが、当時は現職のフィリピン大統領だったドゥテルテ。
2016年10月29日に、幸福の科学総合本部で公開収録されたものを文字起こしした本らしい。
ドゥテルテか…あまり興味ないな、とは思ったが図書館でこれしか借りれなかったので致し方ない。
ホントは、勝手にローラの守護霊を召喚して対談した『ローラの秘密 みんなをハッピーにしたいの。』が読みたかったのに…
いや、読むというか動画で見たい。先代が「ローラだよ!オッケー」とやってる姿を尊敬の眼差しで見つめる信者たちの絵面が見たいが、今回はローラを諦めてドゥテルテで我慢してやるか。
なお、ドゥテルテとのインタビューは英語で行われたようで、見開きで左側が英語、右側が日本語の英日対訳になっている。
ドゥテルテねぇ…面白いんかな?と本を開いたオレは、出だしでちょっとテンションが上がってしまった。
ドゥテルテ守護霊 うー、あー……アハ、ハア。
及川幸久 大統領……(ドゥテルテ氏の守護霊、突如、椅子から立ち上がり、背広の上着を投げ捨てる)(会場笑)
ハロー? ハロー、大統領? ハロー。確認させていただきますが、ドゥテルテ大統領の守護霊でいらっしゃいますか?ドゥテルテ守護霊 「守護霊」って何だよ。
及川 では、ドゥテルテ大統領でいらっしゃいますか。
ドゥテルテ守護霊 そう、ドゥテルテ、ドゥテルテだよ。
(中略)
ドゥテルテ守護霊 君たち誰なの? 誰?
及川 私たちはハッピー・サイエンスです。
ドゥテルテ守護霊 何それ?
及川 ハッピー・サイエンスです。
ドゥテルテ守護霊 何それ?
及川 日本最大の宗教団体です。
うー、あー……アハ、ハア?!
もし(ドゥテルテ氏の守護霊、突如、体をブルっと震わせながら昇天)(会場笑)などと説明が入っていたら、もはや官能小説である。
降ろした守護霊が昇天って…行ったり来たりでややこしいか。
上手いな…と思ったのだが、
あくまで『ドゥテルテ守護霊』としての発言という設定を守りながら、その守護霊に「守護霊って何だよ、ドゥテルテだよ」と本人申告させる。
これは、万が一ドゥテルテ本人に訴えられても「『本人だ』と主張したのはドゥテルテの守護霊であって、我々ではない」と言い張れる。
ドゥテルテ側は、守護霊などというものは存在しないことを立証しない限り勝てん。
出だしの「うー、あー……アハ、ハア」で、おっ!めちゃくちゃ面白いかも…とついつい期待が膨らんでしまい全部読んでしまった。
全部読んだうえでの率直な感想を言うと、時間を返して欲しい。
そもそも守護霊なんですか?
と疑問に思ってしまうほど、言っていることが薄い。
最初の一行がピークであった。
だって…
途中で出ちゃってるのよ、大川隆法が。
ドゥテルテの守護霊という設定は最初から最後まで守ってもらわないと。
「君たち誰なの?」
「ハッピーサイエンスです」
「何それ?」
ドゥテルテ守護霊は幸福の科学を「何それ?」と全く知らない設定で入っている。
ところが途中で「英語で話すのがしんどいから、以降は日本語で話したい」という展開になり、急にドゥテルテ守護霊がブッ込んでくる。
ドゥテルテ守護霊 いやあ、英語で話さないとね、国際本部の収入にならないから頑張ってるんだよ。まあ、日本語に変えたら君、活躍できる。頑張れ。月刊リバティの収入に変えよう。
幸福の科学のことを知らなかったはずのドゥテルテ守護霊が…
英語での対談は国際本部の収入になるが、日本語での対談は月刊リバティの収入になるなどという内輪中の内輪な“担当部署”の話を知ってる怪!!
出ちゃってんじゃん、大川隆法が。
無自覚で言ったと思うが、幸福の科学を知らないドゥテルテの脳内に“月刊リバティ”(幸福の科学のオピニオン雑誌)なんて単語が入っているわけがないんだから。
自分たちが思ってる以上に…誰も知らんよ、そんな雑誌。
ましてや、何語だったらどこの部署の収入になるなどという内々の話は、下手したら一般信者ですら知らない組織運営側の話。
ちゃんと設定は守ってもらわないと…冷めちゃうんだよねぇ。
なお、この本で知ったのだが…
ドゥテルテの過去世(前世)は、日本人だそうだ。
日露戦争の旅順攻囲戦で有名な大日本帝国陸軍の乃木将軍なんだって!
あと、ロシアのプーチンも過去世は日本人だったらしいよ。
聖武天皇⇒足利義政⇒徳川吉宗⇒プーチンの順で転生したんだって!
急にプーチン?!
これも二代目を狙うオレにとっては非常に勉強になる。
召喚した外国人守護霊の過去世を日本人の設定にするとメリットがある。
ドゥテルテ守護霊の設定だった時の話の内容はどうにも薄く、そもそものフィリピン人観からして「ちょっと違うと思うけどな…」と首をかしげるレベルだったのだが、これは致し方ない。
なぜなら大川隆法はフィリピン人じゃないし、そこまでフィリピンのことを知らないだろうから。知ってたらもうちょい違うこと言うだろ…というのはオレの意見。
事前準備としてある程度のフィリピンに関する情報をデータとして頭に入れておいたとしても、国民性だったり、歴史や文化を背景にした思考傾向まで踏まえて発言するのは難しい。
だから、守護霊キャラの限界が来た時に…急に「実はワタクシ、過去世は日本人でした!」告白をブッ込む。
なぜなら日本人である大川隆法にとっては、縁もゆかりもないフィリピンのことより、自分が生まれ育った日本のことの方がそもそもの持ってる知識量が違うから。
逆に…フィリピン人霊言道士が日本人の守護霊を召喚した時は、途中で「実はワタクシ、過去世はフィリピン人でした!」設定にすると楽だよってこと。
己の浅はかな知識が露呈しちゃいそうな限界を感じたら、自分の土俵にむりやり持ち込むべく“過去世は日本人”を発動すべし。
「私の過去世は乃木将軍」という衝撃の告白をした後のフィリピン人ドゥテルテの守護霊。
急に平成天皇の生前退位や日本の選挙システム、はたまた北方領土二島返還や、自民党と野党連合などについて饒舌に語り出す。
ドゥテルテとして話しているのか、乃木将軍としてなのか、いや…これはもはや大川隆法だろ?と読者を困惑させる守護霊の大渋滞。
あと、これもこの本で知ったのだが…
先代は、2013年に発生しフィリピンで死者6000人を超す甚大な被害を出した台風ハイエンとも対談したことがあるらしい。
台風と対談?
しかも台風ハイエンとドゥテルテは友だちらしい…
も、もしかして、あまり絡んではいけないジャンルの人たちなのかしら?と若干心配になってきたのは事実だ。
ここは変に誤解されないように、ディスってるわけでもなければ、アンチでもないオレの立ち位置をアピールしておかないと。
オレなんて、ほぼほぼ信者同然であることのアピールをしておこう。
その証拠に、宇都宮の総本山とは別で幸福の科学の聖地・四国正心館に行ったこともあるオレ。
光の加減で写真では見づらいが、アーチ部分にしっかりとORマークが。
徳島が生んだ2大スターと言えば、板東英二と大川隆法だろうがっ!!
そんなわけで、徳島はORこと大川隆法を生んだ地として聖地とされているのだ。
徳島県吉野川市には、聖地エル・カンターレ生誕館もある。
あっ、あと港区屈指の高級住宅街、白金台にある大悟館にも行ってる。
千鳥の大悟と関係があるのかないのかは定かではないが、大悟の自宅みたいな名前をした大川隆法の大豪邸である。
ちなみに、カメラを向けた瞬間「撮らないでっ!」と秒でセキュリティ信者がすっ飛んでくる。
幸福の科学と戯れてみたい方はこの辺をウロチョロしたらセキュリティ信者に100%絡まれるので是非どうぞ。
遠方で絡まれに行けないとか、そもそも絡まれたくないと言う方はGoogleストリートビューで見学しよう。
東京都港区白金4丁目6−2