触れないでおこうかと思ったけど、あえて首を突っ込んでみる。
中学生のアメリカ横断企画が炎上して、結果的に警察に保護されて中止したという件。
中坊レイ、ついに
アメリカ横断🇺🇸に出発します🔥🔥🔥
【中学生がアメリカ横断】を達成して
同世代に限らず、たくさんの人に勇気や夢を与えたい‼️
そんな旅にする😆
そして全力で楽しんでくる🤩
衝撃の企画⬇️⬇️⬇️
1000RTで#裸足でアメリカ横断
します🥶www#中坊レイのアメリカ横断 pic.twitter.com/9xsZnOQ6I5— 旅する中坊レイ【中学生アメリカ横断】 (@REIbahobahoanta) 2019年2月4日
“15才バックパッカー”ということで「他人事のように思えない」とかそういうことは全然なくて完全に他人事だし、応援も反対もしない中立的スタンス。
それを「興味がない」というのかもしれないが、オブラートに包んでの中立宣言。
ただ…自分のかつての旅話を書いたばかりということもあって、あえて首を突っ込んじゃおうかと。
まず…本人が【中学生がアメリカ横断】とあえて隅付きカッコで書いている点。
これは「中学生“なのに”すごい」と周りがチヤホヤした結果、本人も年齢(学年)が自身のセールスポイントになるということを認識(学習)したことで、わざわざ【中学生が】と前面に押し出しているわけ。自分で「衝撃の企画」とか書いている時点で、「オレは中学生なのにアメリカを横断しちゃうんだぜ!どうだすごいだろ?」と思っていることの証。
おっさんが「【中年男性がアメリカ横断】を達成して同世代に限らず、たくさんの人に勇気や夢を与えたい」と書かないのは、“中年男性”というジャンルがセールスポイントとしては何の価値もないから『書けない』のであって、もし世の皆さんが「おっさんのくせにすごーい!」とか言ってくれるんだったらもっと前面に押し出すっちゅーの。
そういう意味では、周りが『“中学生で”アメリカ横断すること』に価値を付けてしまっただけで、本人はその価値を最大限に発揮しようと自己アピールするのは当然のこと。
これは、自分の経験からそう思う。
要はJKビジネスみたいなもんだ。ババアが添い寝しても金を取れないが、JKであることが価値を生み出してビジネスになる。本人たちもJKというブランドが自分に付いているうちにその価値を最大限活用しようとする。
オレが添い寝してやるから金くれっ! なんならセーラー服も着てやるからっ!と思うが、残念ながらオレでは金を取れないどころか、逆に金を払う側になっているのが現実である。
これはオレが決めたんじゃない。世の中(周り)が価値を決めてしまっているのだ。
個人的に一番気になるのは…
たくさんの人に勇気や夢を与えたい!!
という点だろうか。
単純な疑問なのだが…中学生がアメリカをヒッチハイクで横断するくらいの話で、誰が勇気が得られて、誰の夢が叶うんだろ?
正直よく分からないが、少なくとも本人はアメリカヒッチハイク横断旅で他人に勇気や夢を与えられる…もしくはそれに値するものだと思っているようである。
もしかしたら15才と16才の年齢差によるものなのかも知れないし、中国での硬座旅とアメリカでのヒッチハイク旅の違いによるものなのかも知れないが…オレ自身を振り返ってみれば「勇気や夢を貰いました!」と言われたことなど一度もない。
もちろんオレの狭い世界での話なので、もしかしたら世間一般的にはその程度の旅でも他人に勇気や夢を与えられるのかもしれない。
ただ…クラウドファンディングで彼自身が動機について「単純に好奇心です」と書いている通り、「自分がやりたいからやる」と正直に曝け出せばいいのにな…と個人的には思う。
SNSの旅アカウントでフォロワー数を増やしたいとか、クラウドファンディングで資金をより多く集めたいとか、自分の行動により多くの他人を巻き込みたいとなった時に、勇気やら夢やら感動の共有やらの押し売りすることで『自分の旅=他人にとっては旅の疑似体験』という構図に持って行かせようとするのは戦略としては分かるけど。
「他人に勇気や夢を与える」スタンスのデメリットは、1度くらいなら適当に口先だけで済むが、何度も旅を重ねると…真に自分がやりたいことをやっているのか?他人に勇気や夢を与えられるような内容の旅をしなければ!と他人の評価を気にするようになって、結局誰の為にやってるのかよく分からなくなることだろうか。
彼のやろうとした旅そのものに関して言えば、(炎上した理由でもあるが)危ないのか無謀なのかオレには分からない。
なんせアメリカに行ったことがないもんで。
それに、仮に危ない無謀なものだったとしても降りかかってくる結果を受け止めるのは本人自身であり、それが(本人と親の)自己責任なのだから第三者であるオレがとやかく言うことではない。オレにとっては他人の旅の話でしかないので「ご自由にどうぞ」という感想が全て。
ただ、実際には旅に出てわずか数日で「18歳未満が一人で行動するのは犯罪(親が)」だからという理由で警察に確保されて中止になってしまったのは残念だとは思う。
どのような理由であれ、やろうとしていたことを途中で断念するのは本人にとっては悔しかったであろうことはオレでも想像できる。
そんな彼にオレからアドバイスするとしたら…アフリカをヒッチハイク縦断がいいんじゃね?
まず、アメリカでは「18歳未満が一人で行動するのは犯罪(親が)」かもしれないが、アフリカにはそんな犯罪はない。自由の国アメリカより自由に旅できるぞ。
東ルートで縦断する場合、エチオピア国境からケニア北部のカイスット砂漠を縦断する部分はヒッチハイク(フリーライド)では厳しそうな気がするのと、ジンバブエでヒッチハイカーを狙ったザーメンバンディッツ(精液盗賊)が出没するのが気にかかるくらいだが…中学生がザーメンバンディッツで童貞卒業というのも、それはそれで面白そうだから是非とも試してオレにも勇気や夢を与えて欲しい。かなり斬新な童貞卒業であることは間違いなく、一生ネタに出来るぞ!!(但し帰国後にHIVテストは忘れるな)
いや、彼が童貞と決めつけるのは良くないな…前言を謝罪撤回し「中学生からなら底なしで採集できそうだから面白そう」に訂正致します。
あと、オレが考える『ヒッチハイク旅』とは「他人の善意を当てにして経済的負担をあえて逃れる究極の自己満足旅」だ。いくら15才と言えど腐っても“先進国”からやって来た人間が、“途上国”において現地人の善意を当てにして経済的負担を逃れて旅をすることで、やっている本人として何を感じるのか?興味がある。
海外旅行に来ているのに「ボクお金が無いからヒッチハイクしてるんです」というシュールな言い訳が、もっとお金が無くて海外旅行にさえ行けない現地の人にはどう聞こえるか…そして、究極の自己満足旅をしているにもかかわらず勇気とか夢を与えようとしている“他人”の中には善意を与えてくれた現地人は含まないのか?中学生が導き出す答えに興味津々だから是非やって欲しい。
そういえば1年前にこんなニュースがあったな。
日本人の学生2人組Begpackers(乞食パッカー)が「No Money」と書いた段ボールを掲げて警察に確保されて、タイのネットで炎上した件。自分たちより裕福と言われる国からわざわざやって来てるくせに「金がない」とほざいていることにイラつかれての炎上。
中学生くんにはまた炎上して欲しくない!だからこそ、アフリカ縦断をおススメするのだ。
かつてアジアで暴れまわっていたベンジャミン・ホルスト(Benjamin Holst)というプロ乞食パッカーがいる。「金がない」と言って恵んでもらっては、その金で女を買いまくるという最狂クズ野郎で、タイやマレーシア、シンガポール、ベトナム、インドネシアなどなど「あいつがまた来た!」とニュースになるほど。
これは2017年にマレーシアに上陸したことを知らせる現地報道。
台湾に上陸したことを知らせる現地報道。
韓国や日本にも来ているが、タイは2014年からこいつを出禁にしている。日本上陸時には「あいつが大阪に上陸!」と、さすが『タイで最も嫌われているドイツ人』という称号を得ただけあって動向がタイでニュースになるほど。
しかし、その後「もう二度とアジアには行かない」とアジアとの決別宣言(東南アジア各国は歓喜に沸いた)をした彼が次に向かったのはアフリカのガンビア。
あのベンジャミン・ホルストですらアフリカを選んだ…それだけで、旅先にアフリカを選ぶ理由になるかと。