ウクライナが募集している外国人義勇兵の応募条件が「要経験」で少し安心した。
「特別な経験は一切不要!第二新卒もOK!先輩たちがやさしく教えます!お気軽にご応募ください」とかだったら、ウクライナ軍も崩壊寸前の相当ヤバい状況だと判断するところだった。
平時はともかく、戦時に“義憤に駆られた素人外国人”が鼻息荒く合流してきたところで、訓練する余裕もないし邪魔なお荷物にしかならん。
それでも必要とされるようになったら…もはや末期だ。
さて、ロシア軍の戦車を止めるために橋の上で自爆したウクライナ兵のニュースがある。
これ、情報源はウクライナ軍参謀本部のフェイスブック投稿。
ウクライナ南部ヘルソン州ゲニチェスクで、ウクライナ軍はクリミア半島から北上してくるロシア軍の戦車部隊を阻止するため橋に地雷を設置することを決定。
その任務に志願したのがウクライナ海兵隊のボロディミロビッチ工兵。
彼は橋に地雷を設置したものの、もはや逃げるための時間がないことを知り、兄弟に(最後の別れの?)電話をした後、自爆。
橋を破壊してロシア軍の侵攻を遅らせ、その間にウクライナ軍は防御体勢を整えることが出来た…と。
このウクライナ軍参謀本部の投稿を元に、海外メディア…例えばニューヨークポストは「Heroic Ukrainian soldier blows himself up on bridge to prevent Russian advance」という記事を配信している。
まぁ、元ネタが彼のことを“英雄”と美談にしているので、海外メディアもそのままHeroic(英雄的な)ウクライナ兵という話にして配信しているのだが…
あるパレスチナ人がこの記事をSNSでシェアしてこんな内容のことを書いていた。
「彼ら(欧米メディアを指していると思われる)は74年間、ウクライナが現在行っていることと同じことを行ったパレスチナ人をテロリストと呼んできた。人生はいつも不公平だ」
理不尽な侵略に対して死をもってでも抵抗する。ウクライナ人がやったら英雄的愛国者扱いなのに、パレスチナ人がやればテロリストですか?とモヤっとしたのだろう。
Earlier today, Israeli occupation forces assault a disabled Palestinian in Sheikh Jarrah. How low can you sink?#SaveSheikhJarrah pic.twitter.com/rXoSuBSdVb
— Husam Zomlot (@hzomlot) February 21, 2022
先週から炎上しているこの件も影響はしているだろな。
ダウン症?関係ねー、すべてのパレスチナ人は“脅威”だから逮捕だっ!と、取り囲むイスラエルの治安部隊。
エチオピアでは、国際社会の関心事がウクライナに向くことでティグレ州が忘れられるんじゃないか?という投稿があった。
これにかんしては…非常に残念なお知らせだが、日本においてはエチオピアの戦争はほぼほぼ“何も報道されていなかった”と言ってもいいくらいで、「忘れられる」以前の問題として「そもそも知らない」。
最近eBayなどにやたらと古代エチオピアの写本とか聖書とか巻物とか歴史的文化財が激安(数万円)で出品されているらしいが、略奪品とは知らずに買っちゃう人がいそうなくらい知られていない。
ティグレ防衛軍(TDF)がティグレ州に撤退した現在、エチオピア政府は停戦のための交渉すら始めていないが、一応は小康状態で今後もエチオピアの戦争が日本でニュースになることはなさそうである。
現在もティグレ州の東に隣接するアファール州で規模は不明ながらも戦闘は続いているようで戦争自体は終わっていないし、これまでに少なくとも数千、多くて万の人間が死んでいるが…まぁ、日本で関心を引くことはないだろう。
自衛隊がPKOでティグレ州に…とでもなれば急に南スーダンみたいに興味津々になりそうだけど、自衛隊も行かない、日本とは縁があまりなさそうな遥か遠くの地で1万人が死んでいようが興味は持たないと思うな。
そういうオレも、ティグレ州における戦争犯罪についてのエチオピア人権委員会(EHRC)と国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の共同調査報告書を読もう読もうと思いながら、読まないまま早3カ月が過ぎた。
チラっとは流し読みしたけど「エチオピア兵に輪姦されたうえに女性器に銃剣を突き刺されたが一命を取り留めた14才の少女」の証言とか重い内容の話が、すごいページ数にびっちり細かい文字で書かれてて気分的に読みたくならないというか…
いかんせん性暴力と飢餓を戦争の武器として使いまくってるノーベル平和賞受賞者に、ギャップ萌え?しちゃって未だ読めていない。
すまん。
そもそもエチオピアの戦争以前に、シリアやイエメンなんかはウクライナでの戦争がなくても忘れられてるし、ミャンマーだって「そういえば…」となる可能性は大。
イエメンは7年、シリアに至っては10年以上も戦争が続いているが、日本では(オレの肌感覚では)そもそもイエメンは最初から興味なし。シリアは当初は色んな意味で日本人が絡んだ出来事があったせいで注目度も高かったが、イスラーム国の“首都”ラッカ陥落辺りから徐々に飽きられて今に至る感じか?
シリアのアサド大統領は速攻でロシア支持を表明していたが、すっげードキドキしながらウクライナ情勢を注視してそう。プーチンがこけたら自分もやばいからな…
逆に言えば、ウクライナ情勢の終わり方によってはシリア内戦にも少なからず影響が出そう。仮にロシアの影響力が低下してもトルコがその分を…パターンもあるけど。
イエメンは…
世界がどうなろうが、アメリカもロシアも関係なく我が道を進んで戦ってそう。
誰かが天下統一を果たさない限り、終わりが見えない。
とは言っても、イエメンが戦国時代のままでも世界は変わらんが、ロシアのウクライナ侵攻は今後の世界が変わるかもしれない、というかもはや変わりつつある出来事。
現在進行中のロシアとウクライナの停戦交渉はどうなることやら。
もちろん希望的観測を持ちたいところではあるが、正直なところ楽観視はしていない。
これをアップして、寝て、明日の朝起きたら交渉の結果が出てるだろうな。