安否不明
2017年11月15日、ジンバブエでクーデター発生。
37年間も最高権力者だったムガベが失脚!!
どうせもうすぐ死ぬのに?!
今月21日に誕生日を迎えると94才になるムガベの身に起こった事件にビックリ。
なにげに、クーデター発生以来ジンバブエについて触れるのは初めて。
クーデター&ムガベの失脚自体にも驚いたけど、オレが一番心配だったのは・・・
ムガベ像は無事なのかっ!?

こちら2016年に大統領官邸で行われたお披露目式の様子。
左からグレース・ムガベ夫人、ロバート・ムガベ大統領(当時)、彫刻家のドミニク・ベンハラ。
銅像ハンターとして、実際に見る前に破壊されてしまうは忍びない。
無事を確かめるべく検索しまくるも、クーデター後のムガベ像の安否確認できずっ!!
ムナンガグワ新大統領のポリシーに触れた報道(「Mnangagwa’s excutive decisions prove the continuation of Mugabe regime」)をみる限りだと、破壊されることはなさそうな気もするが・・・
ムナンガグワ目線で考えてみると、クーデターでムガベを追放し自分が大統領になる⇒大統領官邸に引っ越す⇒新居の前に変な像がある⇒家族が「気持ち悪いし、すごい邪魔!」と騒ぐ⇒お父さんが仕方なくゴミの日に捨てる。
・・・ムガベ像は無事なのかっ!?
G40派 vs ラコステ派
ムガベ像はともかくとして、個人的にはムガベ自身がリビアのカダフィ大佐のような最後を迎えることはないんじゃないか?と思っていて、とりあえず今のところは予想が当たっている。
ただ今年の5月か6月に行われるジンバブエ総選挙で、状況によっては一波乱あるかも。
グレース・ムガベ夫人を筆頭にするG40派と、ムナンガグワ大統領が率いるラコステ派の争いの中で、どれだけG40派が巻き返せるか?ってとこだろうな。
ちなみにムナンガグワ大統領のニックネームは『ングウェナ』(ショナ語でワニの意)と言い、ワニと言えばラコステだろ!的な発想で、ラコステ社からは当然のことながら非公認のまま勝手にムナンガグワ大統領の派閥をチーム・ラコステとかラコステ派と呼んでいるようだ。
G40は『Generation 40』の略で、40才以上であればジンバブエでは大統領候補になる資格を有するというジンバブエ憲法の規定に由来。
そもそもジンバブエ軍が一枚岩なのか?ってとこがよく分からないんだけど、一応は軍をバックに付けているラコステ派が圧倒的に有利ながら、ムガベ政権時代の実力者たちがそろうG40派がどこまで反撃できるか?ってとこ。
正直かなり厳しいとは思ってるんだけど、仮にG40派が中途半端に反撃できちゃった場合、選挙後にクーデター時よりも大きい粛清の嵐が吹き荒れる可能性もあるんじゃないか?と。
これから行われる総選挙に向けて、G40派メンバーの一部が新政党『新愛国戦線(NPF)』を立ち上げて動いているようで。
新愛国戦線がアフリカ連合(AU)に宛てて79ページにもなる嘆願書を送っていて、それを今がんばって読んでるとこ。
まぁ、外部のアフリカ連合に嘆願書を送っている時点でジンバブエ内部では力が及んでいない証拠とも取れるけど。
あと、そもそもクーデターによって追放されたG40派が新政党を作れちゃうって時点で、ジンバブエの場合は一般的なクーデターとは何だか状況が違う気がする。
クーデター発生以来ジンバブエについて触れるのは初めてな理由としては・・・巷に溢れる情報の正確性が分からないってのが一番。
例えば、PaZimbabwe紙などの報道で「クーデター時にグレース・ムガベ夫人が輪姦された」とか出てたんだけど、時間が経過してみればガセネタと判明。
ナミビアに亡命したって報道もクーデター後に出てるけど、これもガセネタだった。
はっきり分かっているのは、12月15日にロバート・ムガベ元大統領がシンガポールのグレンイーグルス病院で健康診断を受けていること。
ロバート・ムガベ元大統領はシンガポールに38人の側近を連れて行こうとして、ムナンガグワ大統領に断られて結局22人を連れて行ったそうだ。
ちなみにこれらの旅費はジンバブエ政府が国費から出している。
ただ、そのシンガポール後のムガベの動向がよく分からない。
今後、グレース・ムガベ夫人とG40派がどうなるか?は分からない。
ただ、ロバート・ムガベ元大統領に関しては(亡命の可能性は多少残しながらも)、案外普通に過ごすんじゃないか?と個人的には思う。
リビアのカダフィ大佐と同じ末路にはならないだろうな。
なんせ彼は腐っても『アフリカの英雄』というネームバリューがあるし。