アフリカ最後の絶対君主と悪名高いスワジランドの王様ムスワティIII世。
4月19日の自身の誕生日に「4月21日までに国名をスワジランドからエスワティニに変更する」と発表して、ニュースになっていました。
日本でもスワジランドがニュースになることなんてあるんですね!
ま、国名変更自体はどうでもいいっていうか…
『日本語を話す日本人の日本国』と同じ法則になっただけというか…
南部アフリカの他の国にもすでにあるパターンになっただけかと。
セソト(ソト語)を話すバソト(ソト人)のレソト(ソトの国)。
セツワナ(ツワナ語)を話すバツワナ(ツワナ人)のボツワナ(ツワナの国)。
シスワティ(スワティ語)を話すエマスワティ(スワティ人)のエスワティニ(スワティの国)。
なお、今日は4月23日で、すでに21日を過ぎていますが未だに国名は変更されていません。
それもそのはず、ムスワティIII世は国名変更を誰かに相談したわけでもなく、いきなり独断でサプライズ発表しただけだから!!
自身の50回目の誕生日と独立50周年の50/50コラボレーションで王様のテンションが上がったとみた。ただ、実際の変更にはまず国内での法的手続きが必要なうえ、国連、アフリカ連合、南部アフリカ開発共同体などの加盟機関や国交のある諸外国への通達など…とても2日ではムリな手続きというものがあります。
王様のサプライズ発表はそもそも違憲の可能性が高いらしいんだけど、王様は憲法よりも上位にいるのでそこらへんは無視される模様。サプライズに驚いた大臣たちがさっそく手続きを開始したらしいですが、実際に変更までにどれくらいの時間がかかるかは未定とのこと。
ちなみに、ムスワティIII世が国名を変更する理由の2番目に挙げたのが「スワジランド(Swaziland)がスイス(Switzerland)とよく間違えられることに怒っている」からだそうです。
そんなことよりも、思い付きのサプライズ発表が飛び出ちゃうくらい盛り上がった4月19日の誕生日パーティーはどんな感じだったのか?の方が興味ありますよねぇ。
国連世界食糧計画(WFP)の報告によると、現在スワジランドでは35万人が緊急食糧支援を必要としており、5才以下の26%は慢性的な栄養失調にあるとされています。
2017年9月、マンジーニとムババネを結ぶ高速道路上でドッグフードを満載したバンが事故を起こして横転。散乱したドッグフードにたかる腹ペコのスワジ人たちの姿が報道されていました。ドッグフードならまだしも、あまりの貧困から腹を満たすために牛糞を食べる人もいるそうですからね。
今月には、インドが食糧難にあえぐスワジランドの子供たちのために100万ドル(約1億円)を寄付しています。
その同じ月、ムスワティIII世は自身へのお誕生日プレゼントとしてエアバスA340-300を2代目の自家用ジェットとして購入。13人の妻たち全員を乗せるためには、375人乗りのキャパがないとねっ!!
[クウェート航空のA340-300] By Adrian Pingstone, Public domain, Wikimedia
買ったのは中古らしいけどVIP仕様にアップグレードするため、国庫から3000万ドル(約32億円)を支出することになりそうだとのこと。
お誕生日パーティーには、総重量6kgのダイヤモンドを8カ月かけて手作業でデコった青の“ダイヤモンド・スーツ”で登場。
50才の誕生日なのに、なぜか誕生日ケーキは52段だったというのが謎。
ちなみに、経済破綻国家がどうやってこの豪華な誕生日パーティーを開催できるか?というと…
4月4日付でスワジランドの全裁判官宛に司法長官から「誕生日パーティーのために最低160ドル以上寄付するように」お達しがあったり、退職年金や障害年金から8万ドル(約860万円)を流用したりしてお金をかき集めたようです。
ま、外国からの食糧支援も売って現金化して王様の浪費に宛てるような国ですから、何でもありでしょう。ちなみに、昔に日本からの援助(農業用肥料)も売って現金化したスキャンダルがあってブログに書いた記憶があります。
せっかくのインドからの寄付も子供たちのために全額使われるか?と言えば、甚だ疑問。
【出典:new.observer.org.sz, infoglitz.com, currentaffairs.gktoday.in】
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