続・カオスが止まらない

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最近すっかりエチオピア・ウォッチャーと化している当ブログは、おかげさまでエチオピアのことを書けば書くほど順調に右肩下がりで訪問者数が減っております。

そりゃそうだ、きんたマッサージ専門家のブログかと思ったらマニアックなエチオピア事情ばっかり書いてんだもん。

アファール州 vs ソマリ州

12月27日(日)に重武装のアファール州軍がソマリ州軍の基地を急襲し、50人以上が死亡という情報。

元々、ソマリ州シッティ県はアファール州との間で領土問題を抱えていて、ちょくちょく武力衝突が起こっているところ。

AT LEAST 27 KILLED IN CLASHES IN THE BORDER BETWEEN AFAR, SOMALI REGIONS

2カ月前の衝突でも27人が死亡している。

2014年に、ソマリ州シッティ県の3つの地域をアファール州に引き渡すことで合意したものの、その後ソマリ州が合意から離脱してから武力衝突が激化している。

シッティ県ね…いちおう行ったことがあるというか、通過したことがあるが、何もない土地。

実際の領土問題があるのって、方角的には写真に写っている地平線のさらに先の話だが、あの先に通算で数百人が殺されるだけの価値がある“楽園”があるとはとても思えない。

チラッと読んだ記事では、家畜の放牧を巡る水紛争は昔からあったけど以前は「使用権」の争いだったのが今は「所有権」の争いになって面倒くさいことになってる的な。

ちなみに細かいことを言うと、オレが勝手に『ソマリ州軍』としたのは通称Liyuu Police(ልዩ ፖሊስ:特別警察)のことで、名前に“警察”と入っているが皆が思う警察ではない。

文字通り「暴力装置」そのままで、権力にたてつくやつらを暴力で排除するのが目的。

ソマリ州内で超法規的殺人や拷問、誘拐、強姦を繰り返し悪名を轟かせ、国際人権NGO団体アムネスティが「即時解散」を求めたような組織。

悪評を気にしたのか?は知らんが、最近は「州政府に抗議するデモ隊にもう実弾は発射しない」と“改革”をアピールしてた。

エチオピア憲法の「州警察を設立および管理し、州内の公序良俗と平和を維持すること」という曖昧な規定の隙間を突いて、2007年にソマリ州に“特別警察”という名前の実質『州軍』が出来たのがきっかけで、それをみた他の州たちも「オレたちも自分たち用の暴力装置が欲しい!」と次々と『州軍』を設立。

このオロミア州の“特別警察”だってそう。

Oromia Special Force

ベニシャングル・グムズ州

民族紛争が激化しているベニシャングル・グムズ州での死者が222人になったという報道

一連の混乱を受けてエチオピア連邦政府軍がようやく乗り出して、虐殺に加担した40人以上を殺害したというBBCの報道の中にひとつ気になる情報が。

連邦政府軍が武器を押収したらしいが、その武器が弓矢って!!

以前、BG州の武装勢力なんてどうせ『カラシニコフを持った森のチンピラ』だろうと書いたが、お詫びして訂正しないとな。カラシニコフですらない古の武器だったわ。

ティグレ州では弾道ミサイルを撃ってくる相手かと思えば、BG州では弓矢を放ってる相手で、“武装”のふり幅がえげつないな。

南部諸民族州

民族ごとに州を作ったエチオピアの中で一番雑な名前の南部諸民族州。

11月の紛争で66人が死亡、13万人が国内難民化したという報道

もう南部“諸民族”州って名前になってる時点で諸民族が入り乱れてるわけだが、民族ごとに州があるエチオピアの制度から考えれば火薬庫なわけで。

さすがに1民族に1州はムリだから『県』や『郡』の行政区分でやりくりしようと、県を分割して郡にしたら行政区分が“降格”になったからコンソ郡が暴れて66人死亡。

コンソね…ド田舎の村だったけどな、オレが泊まった時は。

トラックの荷台に、物と一緒に乗客40人くらいで乗って埃だらけになりながら行く村。それがコンソだった。バスが存在していなくて、トラックの一択で選択肢なし。

写真だと分からないけど、荷台に積載された荷物の上で乗客たちは体育座りで密集してる。

ここに辿り着くまでにも、ケニアのナイロビからエチオピアとの国境までトラックの荷台で2泊3日という地獄を経てのトラック荷台アゲインだったから、アフリカが大嫌いになった思い出の地と言えば思い出の地。

コンソ周辺の景色。また行きたいとか一切思わない。

スーダンとの国境紛争

1902年にイギリスがスーダンとエチオピアの間に国境線を(勝手に)引いたんだけど、アル・ファシャガ地域は曖昧な状態に。

これに対してエチオピアは今まで一度も領有権を主張したことはないものの、エチオピア人(主にアムハラ人)が移住を進めて事実上“自分たちの土地”に。

そんなアル・ファシャガ地域でスーダン兵4人が殺されたのが12月15日。それからスーダン軍が本格的に軍事行動を開始。

すぐにスーダン政府とエチオピア政府が話し合いをして、直後のアビィ首相のツイートや国営メディアでは「両国の歴史的結びつきは強く、絆を壊そうとする策動は失敗に終わる」とか必死にアピールしてスーダンと合意に達した的なことを言っていたが…

やはりというか、話し合いは失敗。

スーダン側の報道では残り1カ所を除いてほぼ全ての地域で掌握に成功している模様。

非常に気になるのが、この紛争地にエリトリア軍が移動してきたという報道

スーダン情報筋ということでどこまで信用できるか知らないが、もし本当ならエチオピアは致命的なミスを犯していると思う。本来はスーダンと二国間の問題なのに自ら第三者を介入させちゃったら、エジプトに介入を許す口実を与えているようなもん。

移動してきただけじゃなくて、スーダン軍 vs エチオピア・エリトリア軍の戦闘に発展したら、絶対にエジプト軍がスーダン軍の味方で介入しようとしてくるはず。

先月、エジプト軍はスーダン軍と初めての合同軍事演習を実施してやる気満々だろうから、介入の口実を与えたらもう終わりでしょ。

大エチオピア・ルネッサンス・ダムが貯水を始めたのが今年7月。最大10年かけて貯水する予定らしいから破壊するなら時期的に貯水を始めたばかりの今しかない。貯水量が多くなったら下流のエジプトも被害を受けるから破壊できなくなるだろうし。

最悪のケース、1カ月以内にあの辺りで地域大戦が勃発するかも。

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コメント

  1. 大嶋昌治 より:

    はじめまして。福井市在住の大嶋昌治(おおしままさはる)と言います。聖書預言を伝える活動をしています。

    間もなく、エゼキエル書38章に書かれている通り、ロシア・トルコ・イラン・スーダン・リビアが、イスラエルを攻撃します。そして、マタイの福音書24章に書かれている通り、世界中からクリスチャンが消えます。その前に、キリストに悔い改めて下さい。ヨハネの黙示録6章から19章を読めば分かりますが、携挙に取り残された後の7年間の患難時代は、苦痛と迫害の時代です。患難時代を経験しなくても良いように、携挙が起きる前に救われてください。

    救われますように。