ついピョンヤン(平壌)オリンピックと言ってしまう。
ピョンチャン(平昌)オリンピックあるある
さて、オリンピックといえばロシアで2015年から毎年1回行われているのが「国際軍事競技大会(международные армейские игры)」、通称「アーミーゲーム(армейские игры)」。
「アーミーゲーム2017」の公式サイトは こちら
これは軍事演習ではなく、軍人たちがその技を競う軍事オリンピックである。
IOC(国際オリンピック委員会)ではなく、MO(ロシア国防省)主催だ。
昨年の7月29日から8月12日まで開催された直近の「アーミーゲーム2017」では、28種目の競技が行われた。
参加国は過去最高の28カ国。
ロシア、カザフスタン、中国、ベネズエラ、アンゴラ、ベラルーシ、エジプト、イラン、アゼルバイジャン、ジンバブエ、アルメニア、モンゴル、インド、セルビア、クウェート、キルギス、ニカラグア、タジキスタン、ギリシャに加え・・・
ウズベキスタン、バングラデシュ、シリア、タイ、ウガンダ、南アフリカ、イスラエル、ラオス、モロッコが初参加。
ギリシャが唯一のNATO加盟国として参加しているってのが興味深い。
一体どんな競技が行われるのか?
種目をいくつか紹介。
戦車バイアスロン
冬季オリンピックでバイアスロンといえば、クロスカントリースキーとライフル射撃を組み合わせた競技だが・・・
軍事オリンピックでバイアスロンといえば、戦車の運転技術と戦車砲の射撃の正確性を競う競技だ!!
会場は、モスクワ郊外にあるアラビノにある戦車射撃演習場。
参加国用にT-72戦車を貸し出しているが、自前の戦車の持ち込みも可能だ。
障害物コースを戦車で疾走しながら、標的を射撃し正確性を競う。
スヴォーロフ・アタック
会場は、中国の新疆ウイグル自治区のコルラ。
要は『戦車バイアスロン』の歩兵戦闘車バージョンで、参加国にはBMP-2を貸し出し。
野外炊飯
5名の兵站チームで射撃の腕前と炊き出し力を競う。
会場は、モスクワ郊外にあるアラビノ。
ライフル射撃の後、指定された材料を使ってどんな料理を作るか? 指定された料理をいかに作るか?で競う。
PP-40ポータブルストーブ、KP-30ポータブルキッチン、KP-130牽引式野外炊具、PKhB-0.4ベーカリートレーラーの貸し出し有。
ちなみに、イスラエルはこの種目にしか参加していない。
軍事医療リレー
会場は、サンクトペテルブルク。
戦場でいかに素早く的確に負傷者を救護するかを競うリレーだ。
負傷者をMT-LB汎用装軌装甲車に乗せてオフロードを爆走する障害レースもある。
負傷者役は絶対イヤだ・・・
秩序の監視者
これは憲兵(ミリタリー・ポリス)のための種目だ。
障害物を乗り越えながらいかにターゲットを制圧するかと、パトカーを使ったスピードレース。
各ステージで、優秀だった選手はMVPならぬBMP(ベスト・ミリタリー・ポリスマン)に選ばれる。
軍事ラリー
軍用トラックを使ったオフロードラリー。
会場は、カルムイク共和国のヴォルゴグラードとアストラハンとアリスタの3都市を結ぶ総延長1100kmのコース。
UAZとかKAMAZのトラックでひたすら平原を爆走する。
軍事偵察名人
2016年の第2回大会から参加しているジンバブエ国防軍は、「アーミーゲーム2017」では4種目にエントリー。
そのうちのひとつ、全5ステージで行われる種目『軍事偵察名人』は、小学生の時に少年自然の家でやらされたオリエンテーリングみたいなもんだ。
会場は、「シベリアの首都」ことノヴォシビルスク。
Mi-8ヘリコプターからパラシュートで降下し、着陸地点から1000km離れた指定場所まで徒歩や戦闘車両で辿り着く競技。
コンパスを見ながら現在地を把握して進むのだが・・・
ジンバブエにはないシベリアの針葉樹の森に大苦戦し、迷子になったジンバブエ国防軍。
こちらは第5ステージで、100m幅の水を渡る前のジンバブエ兵。
7カ国が参加したこの『軍事偵察名人』種目。
ジンバブエ国防軍は迷子になったのが響き、最下位であった。