突然の訃報を聞いて、慌ててクローゼットの奥から喪服を引っ張り出した…という方もきっとおられることでしょう。
直ぐにでも駆け付けたい!!
でも、どうしたらいいか分からない…
そんな皆さまのために、ムガベ元ジンバブエ大統領が亡くなった後の日程をご案内。
9/6(金)未明に、長期入院生活を送っていたシンガポールで亡くなったムガベ。
昨日9/10(火)に、ジンバブエから駆け付けた司祭がシンガポールの葬儀場でささやかなミサを執り行いました。
そして本日9/11(水)、シンガポール警察の白バイに先導されたベンツの霊柩車に乗ってシンガポールを旅立ったムガベの遺体は…
ジンバブエ時間で15:00頃にジンバブエに無言の帰国。
そのまま首都ハラレから南西に約80km離れたムガベの生まれ故郷であるクタマ村に運ばれ、故郷で一夜を過ごします。
そして明日9/12(木)と13(金)の2日間、首都ハラレのラファロ・スタジアムに安置されるので、そこでムガベの遺体にお別れの言葉を言うことも可能。
ラファロ・スタジアム…収容人数3万5千人で、ジンバブエ・プレミアリーグのダイナモスFCの本拠地と言った方が分かるかな?
国葬は9/14(土)に、収容人数6万人を誇るハラレの国立スポーツスタジアムで執り行われます。
クローゼットから喪服を引っ張り出したものの、どうしたらいいか分からないという方。
とりえあず明日9/12(木)には飛行機に飛び乗りましょう。
乗り継ぎにもよるけど、日本からジンバブエまでは約24時間~43時間ほどで行けるので、金曜日にラファロ・スタジアムでムガベの遺体と面会してからの、土曜日に葬儀に参加して、日曜日に帰国の途につくという弾丸ムガベ葬儀ツアーも可能といえば可能。
ちなみに往復20万円ほど。
とりあえずは香港を目指して、香港から南アフリカ航空でヨハネスブルクを経由してジンバブエの首都ハラレに入るのが王道コースかな。
9/15(日)に埋葬される予定だけど、埋葬地は未定。
ジンバブエ政府はハラレにあるナショナル・ヒーローズ・エーカー(国立墓地および戦没者慰霊施設)への埋葬を希望しているのに対して、ムガベの遺族は生まれ故郷であるクタマ村への埋葬を求めて反発。現時点では日曜日にどちらに埋葬されるかは決まっていない。
ちなみに…ナショナル・ヒーローズ・エーカーに建つ『無名戦士たちの像』は、
By Gary Bembridge from London, UK – Heroes Acre, Harare, Zimbabwe, CC BY 2.0, Wikimedia
北朝鮮の芸術家集団、万寿台創作社の海外事業部である万寿台海外開発会社が手掛けた作品群の中でも初期の頃に分類される銅像。
けっこうアフリカには北朝鮮が造った銅像が多いが、今は国連の経済制裁で『銅像禁止』に。
もし、日曜日に埋葬されるのがナショナル・ヒーローズ・エーカーであれば、9/13:ラファロ・スタジアムでムガベの遺体と面会、9/14:ナショナル・スポーツ・スタジアムで国葬に参列、9/15:ナショナル・ヒーローズ・エーカーで北朝鮮の万寿台海外開発会社制作の銅像を鑑賞しながら埋葬に立ち会うという、女子がキャーキャーいって喜びそうな日程を組めるぞ!!
今回のムガベの死去に対し、近隣のタンザニアやケニアなどの国は公式発表でムガベを『英雄』と呼んで追悼の意を表明。
一方、ジンバブエ国内においてムガベの死は微妙なようで…
ジンバブエNewsday紙の報道によると、街頭インタビューでも基本的には無関心。
「死は人類すべてにとって避けられない現実」という無難なコメントをする人がほとんどだったようだ。
そんな中で正直な思いを口にする人も何人かはいたようで、匿名希望のアイスクリーム売りの男は「ムガベの死に悲しみはない。現在我々が直面している全ての苦しみはムガベの負の遺産だ」とコメント。
顔が出ないネット上ではより辛辣な意見が多く…
「ムガベの指示でマタベレランドやミッドランズで何千人もの人たちを虐殺した罪に対する正義から、この世では彼は逃げれたかもしれないが、その罪はずっと彼を追いかけるだろう」といった意見も。
ちなみに…
ムナンガグワ現ジンバブエ大統領も、当時ムガベの側近としてマタベレランドの虐殺に深く関与しているから、ムガベがいなくなったからと言ってムガベ時代の暗黒面の真相が白日の下に晒されることはないと思う。
ムガベを叩けばムナンガグワからも埃が出る。
そんな若干微妙な空気の中で行われる葬儀に参列したい人は、明日には飛び立つべし。