今、日本国民が関心を持っている国際情勢といえば…間違いなくナゴルノ・カラバフ戦争とエチオピア情勢でしょう!
アメリカ大統領選に関心を持ってる人も多少はいるのかな?
先月にキナ臭いエチオピア情勢というブログを書いたが、現状は予想された選択肢の中で最悪の状況になりつつあるようだ。
11月4日(水)に、ティグレ人民解放戦線(TPLF)とエチオピア連邦政府軍の間で大規模な軍事衝突が起こって内戦状態に突入したという報道。
11月4日午前1時からエチオピア政府がティグレ州域の電力、通信(電話・インターネット)を遮断していたにもかかわらず、ツイッターやフェイスブックには書き込みがそこそこ上がっているが、情報らしい情報はない。
ナゴルノ・カラバフ戦争でアルメニア側とアゼルバイジャン側がお互いにネット工作に励んでいたり、前線から兵士が動画をアップしているのと比べると圧倒的に情報量は少ない。
通信環境とスマホの普及率の違いだろうか?写真や動画での現場情報はほぼゼロ。
#TigrayWillPrevail(ティグレは勝つ)とか#IStandWithTigray(私はティグレを支持する)のハッシュタグを付けてツイートしていたりするが、最前線からの情報は見つけられなかった。ትግራይ(ティグレ)でもダメだったけど、もしかしてアムハラ語じゃなくてティグリニャ語じゃないとダメなのか?
ちなみに、こんな動画ツイートもあるが…
ምንም ማራግ አይቻልም ውዴ ትግራይ የማጣ አውሮፕላን እንዲ ሆኖ ቃራ 😁 🇪🇹😁
Sheem you Abiyi tigray winer 💪 pic.twitter.com/cpy2Zcn9NH— loaref🇪🇹🇲🇬🇰🇪🇹🇿🇷🇼oro (@mertiViews) November 6, 2020
念のためInVIDで検証したところ、フェイク動画と判明。
10月10日以降に「アゼルバイジャン軍のドローンを撃墜するアルメニア軍の防空システム」としてネット上に出回ったが、元ネタは『ARMA3』というゲーム。
信憑性は不明だが、今のところ出回っている情報だと…
連邦政府軍が州都メケレを含むティグレ州で空爆を実施している。これはアルジャジーラ等の海外ニュースも報じているので、信憑性は高そう。
ティグレ州に駐屯していた連邦政府軍の北部軍司令部がティグレ州側に寝返った。これはティグレ州側の主張で、連邦政府側は否定。
戦闘初日に連邦政府軍の兵士数十名が戦死。匿名の外交官情報らしいが、未確認。
他には隣国ジブチからのニュース『Djibouti va extrader des officiers Éthiopiens d’origine Tigréenne』によると「連邦政府軍のティグレ人将校16人がジブチに亡命してきたが、エチオピアに送り返してやった」とか。
正直、「エチオピア連邦政府軍が本気になってティグレ州で戦闘を始めた」以外はいまいち状況がよく分からないが…
この1~2週間で“本格的な内戦”になるのかどうか?が判明するかと。
先週にはオロモ解放戦線(OLA)がアムハラ人54人を殺害するなど、ティグレだけじゃなくて他の民族間でもキナ臭くなっていて、状況によっては各民族が入り乱れての“本格的なエチオピア内戦”に突入する危険性も高い。
隣国エリトリアやスーダンがどこまで絡んでくるか?ってのもある。
多民族国家エチオピアで火薬庫に火が付いた気がしなくもない。