1996【1】帰ってきた17才

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日記を基に書く1996年の旅、全3回。

再びの中国

初めての海外旅行では、大人たちにチヤホヤされることに味を占めて松本伊代ばりに16才アピールをしていたオレ。

ボク、16才だよ!!

すっかり調子に乗ったオレは海外旅とか余裕!!と、1年後にさらにパワーアップして中国を再び訪れる。

ボクたち、17才だよ!!

16才単数形から、17才複数形へと進化しての2回目である。

高校で一番仲が良かったミノくんを誘って、前回よりさらに長期で旅に出ることにしたのだ。

ミノくんの親も2人だけで中国に行くことに全然反対はしなかった。

お腹が空いたらミノくんとこれを食べなさい

親に、お歳暮で貰うようなブルボンの丸いクッキー缶を持たされて「遠足じゃねーし、邪魔!!」と言いながらもクッキー缶を手に旅立った。

上海

大阪南港から2泊3日かけて上海に向かう新鑑真号の船上でクッキーは全部やっつけた。

知ってた?あの丸いクッキー缶って旅に持ってくものじゃないって?

バックパックに入らねーし、厚みがあるから片手で持てないし。

船旅の良いところは、目的地が水平線上に見えてから実際に着いて下船するまでに時間がかかるところだと勝手に思っている。

ドキドキしているのに焦らされるので逆にテンションがあがるのだ。

前年、天津港に降り立った時はビビり倒していたオレも、今回のドキドキは『楽しみで』のものだった。

2回目となる中国だが、上海は初めて。

政治の中心・北京とはまた全然違う印象で、建設ラッシュで高層ビルが次々と建てられている姿は活気に溢れていた。

東方明珠電視塔は2年前に完成していたが、まだ建設現場に囲まれてポツンとあるだけだったのに…それが今ではこんなになってるんだもんなぁ~

Photo by Ralf Leineweber on Unsplash

17才で訪れた上海は、目覚ましい速度で急拡大する“新しい上海”も目立っていたが、まだまだ“古い上海”も色濃く残っている時代だった。

歩道を完全に塞ぐ理髪店や…

これは今でもやってるけど、太極拳同好会の皆さんなど…

当時の上海の印象としては新4:旧6くらいの割合だった感覚がある。どんどん新しくなるごとに“古い上海”が消えていくのは仕方がないことではあるが…

まさか12年後に再訪問した上海で、南京路のぼったくりバーで9万5千円を請求され、払わなかったらババアに「ヤクザと知り合いアルよ!」と恫喝されて「へぇ~」って言ったらビンタされるという…性根腐った街に変貌を遂げているとは思いもよらなかった。

オレの人生で女性に唯一ビンタされたのが上海のぼったくりバーのババアという屈辱!

街も腐っていたが、17才から29才になっていたオレへの優しさも減少しておった…

浦江飯店

上海の宿は、今や伝説になった浦江飯店

かつてアインシュタインやチャップリンなどの有名人も宿泊したことがある由緒あるホテルだが、2017年にその171年の歴史に幕を下ろした。現在は博物館になっているようだ。

By Legolas1024, CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons

1900年前後には世界で最も有名なホテルのひとつ、東洋一のホテルと称されたが、第二次世界大戦、文化大革命を経てその輝きを失い、20世紀の末にはバックパッカーのたまり場と成り果てた

2000年前後の浦江飯店の評価は、薄汚いバックパッカーのお気に入りのホテルであり、貧乏旅行者の吹き溜まりであった。ダンスホールだけがかつての栄光の面影を残していた。(Wikipedia)

薄汚いバックパッカーお気に入りのホテルw

北京の京華飯店にいたバックパッカーたちを「小汚い大人たち」と形容したオレが言うのもなんだが、このWiki情報の何がイラつくって…

お気に入りではねーよっ!!

失礼だろっ!!

浦江飯店の共同シャワールームだが…

管から出てくるのお湯だよね?!ガスじゃないよね?!

ほぼナチス収容所だろ、これ。

いくら輝かしい歴史があるホテルだろうが、“薄汚いバックパッカー”たちも決して“気に入って”泊まっていたわけではない。

さすが上海と言うべきか、このレベルのくせにドミトリーが北京の京華飯店の2倍もする1泊55元(約770円)だった。もし当時も今みたいにもっと安くてもっと設備の整った安宿があったら、そっちに泊まってる。

蛇餐館

オレとミノくんと、新鑑真号から一緒で宿の部屋も同じで仲良くなった大学生バックパッカーたちと「変なもん食いに行こうぜ!」と、その名も『蛇餐館』というヘビ専門店に行った。

あんなに写真を撮ったのに、肝心の写真はない…

この旅からカメラ2台持ちスタイルを確立していて、いかにも観光する!って時は一眼レフ、それ以外の町ぶら時はコンパクトカメラを使っていた。

そのため旅の日常シーンはほぼコンパクトカメラで撮っていたのだが、旅の途中でコンパクトカメラをどこかに置き忘れてきて失くすというね…

金さえ出せばまた買えるカメラ本体はどうでもいいんだけど、これまで撮ってきた二度と同じものは撮れない“中身”を失ったことに大ショックを受けた。

基本的にオレもミノくんもお互いにべったり一緒に行動することに興味がない人だったので、別行動も多かったのだが…よく分からない謎の写真とかは持っている。

多分、貰ったんだろうな。

オレも、仲良かった京都の大学生たちも写っていないから、別行動時の写真なんだろうが…写ってる人たちの中でミノくんを囲む2人組の女子大学生は見覚えがあるぞ!

右側のかわいくない方が「カッコいいーっ!!超タイプ~!」とキャーキャー言ってて、「さすが『○高の福山雅治』と、他の学校にまでファンクラブを持っている男だけあるな」と感心して見ていたのを覚えている。

いや…

時効になった自分の過去はどうでもいいが、人の過去にはあまり触れない方がいいな…

話を戻すと、皆で行った『蛇餐館』は、水槽に入った沢山の生きたヘビの中から自分たちが食べたいヘビを選んで、それを一匹丸ごと色んな料理に調理してもらうスタイル。

まぁ、そもそも食べたいヘビというのもないんだけど…

コースで出てくるのだが、まずはヘビ血の老酒割りと、ヘビ胆がそれぞれグラスに入って出てきた。続いてヘビ皮、ヘビ肉と解体された順に料理が出てくる。

最初に出てきたヘビ血とヘビ胆だが…実はとんでもない精力増し増し食材であった。

食い終わって、宿に戻って「ふぅ~」と一息ついていたら…

「やっべ、なんかギンギンになってきたぁーっ!!」つって。

そのうち皆で「オ、オレもーっ!!」つって。

女っ気が一切ない野郎しかいないドミトリーで、自分の意思とは裏腹に強制ギンギン化してしまった集団。

人生史上で最もムダな時間って、こういうのを指すと思う。

高校生と大学生で『ほら、オレこんなにギンギンになってるよ大会 in 上海』を開催するという…ほぼ修学旅行のノリであった。

蘇州

東洋のヴェニスとも称される蘇州にも行っている。

日記にはこう書いてある。

「上に天国あれば、下に蘇州・杭州あり」とかすごい良さそうに書いてあって楽しみに行ったが、実際に行ってみてがっかりした。なんか普通にどこにでもあるような町。中国四大庭園の一つも見たが20元も取るわりにつまらなかった。京都の庭園の方がいい。

注)17才の個人的な感想です。

硬座 上海から南京に移動した日の日記。 午前9時半、上海発南京行きの快客列車に乗った。硬座を予約していたので、普通の汚い列車を想像していたが、列車を見たとき...
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