全10話のつもりで書き始めたのに、最終的には全20話と倍になってしまったオレの1998~2000年。
書いているうちに昔のことを思い出したので、2000年以降のバンコクに住んでいた頃は「どんな遊びをしていたか?」を書いてみようかと。
20代前半の一番“遊びたい盛り”を腐った都市で過ごすとどんな感じなのか?という記録。
なお「ベロベロで運転」とか、過去の話なのでスルーしましょう。当時のタイは異常にゆるかったというか…例えばバーが密集しているところなんかは、深夜に駐車場から出る車で渋滞するから警官が交通整理をしてくれたりとか。
いやいや、駐車場から出てくる車は全部が飲酒運転ですけど?!みたいな。
今は軍事政権下で厳罰化されて、同じことをすると問答無用で留置所にぶち込まれ、簡易裁判を受けることになるぞ。「軍事政権で民主化が…」と言うけど、賄賂も効かなくなったり、法適用も厳格化されたり、軍事政権になったことで“マトモな国”になっていることもまた事実。
行動範囲
酒を浴びるほど飲んで乱痴気騒ぎしたい時期から、カウンターでまったり飲みたい時期を経て、部屋に引きこもってゲーム三昧の時期と、波があった。
そもそも1人で飲みに行くという習慣がないタイでは、基本的に複数人で店に行ってウィスキーのボトルを入れてワイワイ飲むのが主流。バンコクに住んでた頃は仲の良い野郎どもと、いつも同じメンツで遊んでいた。今もバンコクに帰ったらそうなんだけど。

基本的にナイトスポットは流行り廃りが激しいのはバンコクも一緒。
まだアグレッシブだった頃はディンデーン辺りに一軒家を改造したお洒落なバーが増えたと聞くと行ってみたりと行動範囲も広かったのだが、徐々に遠くに行くのが面倒になり、最終的には自宅のあるスクムビット界隈でしか遊ばなくなった。
クラブが連なるRCA(ロイヤル・シティ・アベニュー)も昔から有名だけど、オレの中では高校生とかガキが飲みに行くイメージが強くてあまり行ったことはない。動画だとそんな感じしないけど、あそこは客層が若過ぎるんだよな。
オレの周りにもRCA好きって全然いなかったし…
昔、コーネリアス(小山田圭吾)がRCAの小さい箱でライブやった時に誘われて見に行った記憶はあるけど、それ以外で行ったのは数回程度。
お姉ちゃんがいる夜のお店でいうとパッポンとかタニヤは有名だけど…日本から来た出張者が「行きたい」と言った時くらいしか近づかないかな? ガツガツしていてウザいから、住んでたら好き好んでは行かない。
カラオケにはホステスを『連れ出し可』の店と『不可』の店の2種類あるんだけど、出張者のアテンドが面倒くさいから『連れ出し可』のお店に行ってさっさと連れ出してもらって「ハイ、解散っ!!」と終わらせて友達と飲みに行く…みたいな使い分けをする。
バンコクに出張して、やたらと『連れ出し可』のお店に連れて行かれる人は実は面倒くさがられてるのかも。
コヨーテクラブ
ウィッタユ通りのThe Pentとか、ラチャダーピセク通りのThe Resortとか、エカマイのThe Pianoとか会員制高級コヨーテクラブにハマっていた時期もあった。
当初はタイ人の金持ちをターゲットにしていて、日本人は全然見かけなかった。確か…あの頃は入会金が5万円くらいからで、ボトルを何本入れるかで金額が変わるみたいな。
ここの遊び方は、EDMがガンガンにかかった店内でステージ上のコヨーテダンスを見ながらホステスを隣につけてテキーラの一気飲み大会をするみたいな?
The Pentのトイレでは、テキーラを飲み過ぎて何回かゲロってる。
これはどこだろ…エカマイのシャーベットかな? この中指立ててる酔っ払いはオレではない。

昔のThe Pentなんかだと、女の子は男性誌『ペントハウス』とか『マキシム』のモデルを揃えていて、店自体は建物3棟から成っていてラウンジ、プール、クラブと、まったりしたいのか?騒ぎたいのか?その時の気分で場所を移動できたりと豪華な造りだった。
一時期アホみたいに行っていたけど、行き過ぎて飽きちゃってえっ、そもそも何が面白いの?!こういう店って…と、根本的なことに疑問を抱いて興味を失したのが20代前半。
今でもコヨーテクラブとかあるのかな?と思って調べてみたら、未だにけっこうあるみたい。
住所的にはホイクアンのかつて北朝鮮大使館があったとこの近くにThe Londonって店があるようだ。場所的に行くの面倒くさそう…
店の雰囲気はThe Resortに似てるかも。入り口から似てるけど、The Resortは2階にVIPルームがあって皆と乱痴気騒ぎして30万円くらい取られた記憶がある。
あとシーナカリンにはThe Skyってコヨーテクラブもあるようで。
こういうの見ても、もう行きたいとも思わなくなっちゃった。
当時は2次会でコヨーテクラブとかに行って盛り上がった流れで、バンコクの怪しげなスポットに突撃してみるパターンはよくやっていた。
バビロン
サトーン通りから少し奥まったところに、その名もバビロンというゲイの楽園がある。
ここのチーズケーキが美味しいと聞いて「食べに行こうぜっ!」つって、酔っ払ったノンケ野郎たちで建物の目の前まで行ったものの…威圧感溢れる外観とムキムキの客層に完全にビビッて一歩も入れず帰ってきたこともある。
こういう段階を経てのハンガリー・ブダペストでのキラーイ温泉があるわけで、オレのようなノンケ野郎がいきなりゲイの楽園に突撃するのは非常に勇気がいるのだ。
ルンピニー公園
バンコクの中心に位置するルンピニー公園。
早朝のジョギングコースとして知られているが、夜は門が閉ざされ公園内に入れないうえに周囲から人の気配はなくなる。
一部の怪しげなやつらを除いては…
「夜のルンピニー」と言えば、大抵の人は顔をしかめる。治安が悪いとかそういうことじゃなく、“サファリパーク”と化すからだ。
ジャンキーなのか?恐ろしい病気を持っているのか?知らないがガリッガリにやせ細った女とか、逆にブヨブヨのババアとか、顔面が崩壊したオカマとか、恐ろしい立ちんぼたちがルンピニー周辺(特にラマ4通り沿い)に立っている。
最近はその数も激減して希少化していると思われるが、昔はけっこういた。
ベロベロに酔っ払った皆で、「ルンピニーに冷やかしに行こうぜ!」って話になって車でルンピニー横を徐行。
おっ、立ちんぼのオカマを発見!!
車を止めて車内から声をかけた。
で、オカマが近づいて来たら車を少しだけ前進。
また近づいて来たら、また少しだけ前進を繰り返していたら…
怒ったオカマが鬼の形相で走って追いかけてきて、開けていた窓にガッと掴みかかってきた。
窓を閉めようとするが、パワーウィンドウのモーターを凌駕する怪力で閉めさせないオカマ。
「逃げろ!」つって、アクセル全開で怒り狂っているオカマを振りほどいて逃走。「超怖かったんですけどっ!」と、ルンピニーのオカマネタを酒のつまみに3次会。
“ナイトサファリ”と言えば、ヤワラート(中華街)の7月22日ロータリー辺りも相当ヤバいというので、一度「ヤワラートにジャンキー立ちんぼを冷やかしに行こうぜっ!」とドライブに行ったことがあるが全然いなくて帰ってきたことが一度。
スター・オブ・ライト
皆でよく罰ゲームをやっていたな…そういえば。
一番ウケたのがパッポン2にある店スター・オブ・ライトに行くという罰ゲーム。

写真ではカウンターの下がガラスブロックになっているが、昔はここがカーテンになっていた。カーテンには切れ目が入っていて、カウンター席に座った客はその切れ目の間から足を入れる。
実はこのバー、顔も体も崩れたババアしかいないフェ○チオ専門バーで、ブス専&ババ専のファラン(白人)しか行かないような場末感溢れる店。
顔を見ちゃうと萎えるのはババア側も分かってるからカーテンで顔が見えないように配慮されていて、テレビで流される洋物エロ動画を見て想像で「あんなセクシー女優にされてる」と思いながら、現実は崩壊ババアにやられるという…男の尊厳が踏みにじられる究極の罰ゲーム。
内側からロックされている扉をノックすると、シャコーンと目出し窓が開いて警察じゃないことを確認されてから開けてもらって中に入ると、普通のカウンターバーみたいなんだけど客が全員ケツ丸出しで座りながら「ハウッ!」とか言ってて世紀末感が半端ない。ババアは皆カウンターの下に隠れてるから、一見すると客が全員ケツ丸出し以外は普通のバーに思えてしまうところが恐ろしい。
で、何かで負けた人がここで(選択権すら奪われて他の人が選んだ一番ヤバそうな)60代くらいのババアにやられる、心に傷を負うこと必至な罰ゲーム。
写真の左側にソファーがあって、そこで皆でゲラゲラ笑いながら見学している中、罰ゲームを受けてる人はカウンターの下で何をされても真顔でビジネスについて熱く語らないといけない縛りあり。
どういう遊び?!とは正直思いますよ、はい。
〆のバミー
飲みの最後は〆のバミーナーム(タイ風らーめん)で決まりだ。
ペッブリー通りにあるサイアムホテルの1階に入っていたコーヒーショップのバミーナームは、オレの中ではバンコクで一番美味しかった。
今はもうホテル自体がなくなって、あのバミーはもう食べられない。
深夜にベロベロでサイアムホテルに乗りつけると、いつも駐車場は満車だった。
このサイアムホテルの1階にあるコーヒーショップはセミプロ売春婦のたまり場になっていて、売る女と買う男で混んでいて健全な客なんて一人もいない。
でも、そんなことはどうでもいいっ!!
営業熱心な女が偶に話かけてくることもあったが、皆でガン無視して黙々とバミーを食らって帰る…それが当時の定番コース。
そういえば…
セミプロの集まる不健全なコーヒーショップで思い出したけど、スクムヴィットにあるテーメーもそう。

コーヒーショップを名乗ってるくせに、誰一人としてコーヒーを飲んでる奴がいない。
友達と何軒かはしごしてベロベロな状態で「最後にコーヒー飲んで帰ろうぜっ!」と、テーメーであえてコーヒーを飲んでいたら女が話しかけてきた。
彼女の住むプラトゥナームのマンションで目が覚めて、横にすげぇブサイクな女がいた時のあの精神的ショックは今でも忘れない。
きっちり1000バーツ(約3000円)貰って帰ってきたけど。
そして、オレはテーメーで体を売るような女に買われた男として『キングオブ底辺』の称号を得たのである。
注:)全て過去の話であり、最近はジュースをちゅーちゅー飲みながらマンガ喫茶で深夜まで過ごすのがオレのバンコクでの定番の過ごし方。