第13話に続く第14話。
インドネシアのベモ、タイのソンテウなど、各国にミニバンやトラックを改造した乗合タクシーがあるが、フィリピンのジープニーも町中の足として欠かせない乗り物だ。
By Keith Kristoffer Bacongco from Davao, Philippines (beep beep jeep!), CC BY 2.0, via Wikimedia Commons
基本的にどのジープニーも派手で、フィリピンのデコトラだと思っていい。
セブ島
セブシティでジープニーに乗っている時に知り合った大学生のリトに連れられてマンバリング地区に行った。
ジープニーで知り合った人にノコノコと付いて行く。
今のオレなら絶対にやらないが、20才の頃は怖いもの知らずだったようだ。

連れて行かれたマンバリング地区は、正直オレの目にはスラム街にしか映らなかった。

手ブレてる写真は、ビビりながら撮ったことの証拠だろう。
こんなところに誘いこまれて身ぐるみ剥がされたらどうしよう?というオレの心配は杞憂に終わり、リトは最初から最後までいい奴だった。

リトのおじさんの家に遊びに行ったが、そこでもご飯を食べさせてもらい皆に親切にもてなしてもらった。
その中に、リトの従姉妹でスペインとのハーフだというソフィア(左端)がいた。

家族みんなが「どうだ、かわいいだろう?」と言ってくるので、「すごくかわいいと思いますよ」と答えるとおじいちゃんまでグルになって…
急にそんなことを言われても、遠慮の塊であるオレも困ってしまう。
フィリピンのビザを延長してまでセブシティに滞在していたのはソフィアとデートを重ねるためだったとかそうだとか。
日記によるとアヤラモールやブサイヒルズ、サンペドロ要塞など一緒に行っているようだ。
似て非なるもの
“アジアのラテン系”であるフィリピン人とタイ人は似ている。
基本的に嫉妬深いことは共通しているように思う。もちろん全員が全員ではなく、放任主義の女性もいるにはいる。
ただ、オレの中ではタイ女性の場合は嫉妬の矛先を彼氏に向けるけど、フィリピン女性の場合は矛先を相手女性に向けるような印象がある。
タイの場合だとベタなところでは男性器をちょん切るとか、殺すとか。
嫉妬とは少し違うが、オレも危なかったことが一度だけある。目を覚ましたら、このイメージ画像のように女に左手でつままれたナニを、右手で開いたハサミの刃の間に入れられた状態でボソッと一言いわれた。
【イメージ画像】
朝の目覚め一発目がこの状況だと…シャッキーン!と一気に目が覚めるんだね。目覚めが悪い人は一度試してみてねっ!
とりあえず切ろうと思った理由を聞いてみたんだけど「もしあなたが私の元を去って行った時は、これをあなただと思って持っておく」だって…
プライスレスな思い出の品をゲットしようとするんじゃねぇ!!
発想が猟奇的すぎるし、大体が気持ち悪いだろ…思い出の品にしては。
キーホルダーにして持ち歩くんか?
とりあえずその場はなだめすかして、後日に夜逃げした。まだ手放したくなかったから。
一応、タイの再縫合技術は(数をこなしているから)世界一を誇るので、切られたナニをすぐに氷を入れたビニール袋に入れて病院に持って行けば元に戻るらしいぞ。
男性諸君は万が一の時のために覚えておこう!
ただ女性もこの事実を知っているので、切った後に茹でる、トイレに流す、アヒルに食わせる、風船に付けて飛ばすなど…再縫合できないようにしてくるので、切られたナニは何が何でも死守しよう。ただ、2016年にパタヤであった事件のように、キレイに切り取らずカッターナイフでメッタメタに切り刻まれた例もあるので油断はできないけど。
まぁ、最近は医学も進歩をして移植手術もできるようだから、自分のでなくても良ければ最悪風船に付けて飛ばされても何とかなるかもしれないけど。タイは性転換手術のメッカだから要らなくなったやつは沢山あるだろうし。
ちょん切る以外だと…だいぶ昔、アユタヤの工業団地に出勤途中だった日本人が乗った車が、パホンヨーティン通りでバイクに乗った2人組に銃撃された事件があった。死傷者が出てないからニュースにもならなかったけど。たしか、“インスパイア・ザ・ネクスト”の系列会社の人だったような記憶がするが…あれだって女性問題だったって話だぜ。女に殺し屋を雇われて、脅しで実弾をぶち込まれたんでしょ? よく聞く痴話喧嘩のひとつだね。
これがフィリピンの場合だと、矛先は彼氏ではなく相手女性に向けられる。
醜くなれば自分の元に帰ってくると思って浮気相手の女性の顔に硫酸をぶっ掛けるとか、相手女性の部屋に留守中に忍び込んで枕に包丁を突き刺しておくとか聞いたことがある。まぁ、オレ自身はトラブったことがないからよく分からないけど…
いずれにしても怖ぇーっ!!
嫉妬深いのは男女問わずだけど。
ネグロス島
ネグロス島最大の町バコロドでお世話になったのはデニス。

ネットカフェの場所を聞いたら、白バイで連れて行ってくれたのが警官のデニスだ。
昼食をご馳走になった後は、白バイで町を案内してくれた。夜は夜で、彼の友人が経営しているというレストランに行ってご馳走になっている。
あれ?お仕事は?
よく考えたら、ずっとオレに付き合ってもらっていたから警官としての職務を果たしていない彼。
かつて世界最大のサトウキビのプランテーションがあったという場所に連れて行ってもらった時なんて、だだっ広い開放的な空間でテンションが上がったのか?
撃っておいてなんだけど、自分のピストルを撃たせる警官ってどうなんだろ?
バコロドを発つ時も、デニスに白バイでバスターミナルまで送ってもらった。
ボラカイ島
パナイ島を経由して渡ったのはボラカイ島。
ドゥテルテ大統領が今年2018年4月からビーチ汚染による『災害宣言』を発動して、最大6カ月間は閉鎖されることになり、現時点では観光客は渡航できないあのボラカイ島。

観光客の増加が島のキャパシティを越えてきたようで…
20年前は、まさに地上の楽園のような島だったけど。

ボラカイ島でのんびりした後は再びセブ島に戻り、そこからネグロス島経由でミンダナオ島ザンボアンガに戻る。
フィリピンにいる間に、新聞で「インドネシアのポンティアナックで、ダヤック族とマドゥラ族の衝突があり、137人が死亡、1万5千人が難民になり、マレーシアとの国境が閉鎖された」というニュースを読んでいたため少し時間稼ぎをしていたが、もうそろそろ落ち着いている頃だろう。
フィリピンから、再びボルネオ島に戻った。