ババヘラ
秋田の風物詩で、ババアがヘラで盛り付けるシャーベットアイスのことである。
今でも、なにかイベントがあったり、観光地などにババヘラが出現するが…
なんかちょっと違う。
なにが?って、オレの中のババヘラって国道沿いにポツンといるイメージ。
タイで、地元農家が国道沿いで自分の作物を売ってたり…
ボツワナで、地元民が国道沿いで集めてきた薪を束にして売ってたり…
それと同じで、国道沿いで露店スタイルで売ってるスタイルが、オレの中では秋田の原風景。
“国道沿いババヘラ”は、ほぼ絶滅危惧種だった。
まだ6月だから、夏が本格化したらわからない。わからないけど、絶滅危惧種であることはそんなに間違ってない気はする。
もちろん道の駅とかにはいたりする。
でも、オレの中ではちょっと違う。道の駅って、そういうところだから別にいてもおかしくはない。
ということで、国道沿いババヘラを見かけたら絶対に食う(原風景を食う)ことにした。
結果的に、寒い日なのにババヘラを連続で食う羽目になって、車内でブルブル震えることに…
ほぼ見かけないが、まだいるにはいる!!
見よ、これが真のババヘラ、道端ババヘラだっ!!
もうさ…クマが出てもおかしくないところに、一人ポツンといるわけ。
ちなみに、これは男鹿の山中。
一方、こちらは秋田市内の街中ババヘラ。
ヘラを使って盛り付ける。
バラ盛り付け、これは昔からではないみたい。
どこかのタイミングで、どこかがやり出して、「いいじゃん!」ってなって、いつの間にかババヘラ=この盛り方に。
さて、ババヘラは「おばあちゃんの手づくりアイス」ではない。
普通に企業による営業活動だ。
どこかにババヘラ出撃基地があって、朝に車でババアと道具一式を積み込んで、姥捨て山のように国道沿いに置き去りにする。
夕方にお迎えがくるまで、ババアはずーっとその場に居続けさせられる。
足がないから、途中離脱で逃げ帰るのは不可能。
最初の写真のババヘラは、18時に迎えの車が来ると言ってた。
その日はクソ寒かったので、当然「まったく売れなかった」らしく、オレのような物好きが半ば意地で震えながら買うくらい。
周りに人家はないので、お弁当持参は必須だろうし、トイレはそこら辺の野山だろうな。
時給制で、時給1000円前後。
孤独のババヘラなので、職場の人間関係に悩むことはない。
一日中ボーっとしてるだけで金を稼げる夢のような仕事とも言えるし、ほぼ拷問のような仕事とも言える。
捉え方は色々だろうが、オレはやりたくない拷問派。
近くにコンビニがあって、Wi-Fi飛んでるなら、一日中スマホでゲームできる(どうせ客なんか来ない)からやってもいいけど…
人里離れた山中はイヤだ。
ババヘラのババアが言ってたけど、やはり国道沿いの道端ババヘラは絶滅危惧種らしい。
当然といえば当然だが、道端に勝手に居座ってシャーベットを売る行為自体がダメらしく…
ある意味、脱法ババヘラ。
国土交通省の人が来て、証拠写真を何枚も撮られて、「やめろ」って言われるんだって。
国道7号だと、今はババヘラいるの1カ所だけって言ってた。
私有地ならいいんだろうけど。
いちおう求人では18才〜80才までになってて、基本はババアだけど、今もいるかは知らないけど若い娘も過去に見たことはあるという話。
ババアじゃないので、それはアネヘラと呼ばれてたらしい。
男人禁制なのか、なんなのか知らんが、男バージョンは誰も見たことがない。
もし、男バージョンをみたら…それはきっとメンヘラだ!!
メンズババヘラ。
1日に何個も食うものではないが、実際に何個も食って思ったのが…
旨いは旨い!!
ただ、空港とか駅で“秋田名物”としてカップババヘラが売られたりするが、旨いから買おうとは思わん。
道端ババヘラこそ、オレの中のババヘラであり、もし見かけたらどんなに寒かろうと絶対に食ってあげよう。
だって、死ぬほどヒマだぞ、ババアたち。
道の駅とか観光地にいるババヘラは…それなりに忙しいだろうから、いいけど。
山中はかわいそう過ぎるって。