エチオピア世界遺産の受難

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久しぶりにエチオピアの話題。

2年にも及んだティグレ戦争が昨年11月にようやく停戦して、まだ1年も経っていないというのに…

今月1日からまた新たな武力衝突が始まって緊急事態宣言が発令中。

戦場になったのは、エチオピアが誇る世界遺産ゴンダール。

Bernard Gagnon, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

そして、こちらも世界遺産ラリベラ。

Sailko, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons

ティグレ戦争でも奪い合いになったラリベラがまたしても…

世界遺産でドンパチやるんじゃねーよ!!

今回の武力衝突、ティグレは関係ない。

衝突したのはアムハラの民兵組織FANOと、エチオピア連邦政府軍(ENDF)。

なんてことはない、ティグレ戦争でFANOはエチオピア政府側の先兵として利用するだけ利用されて、ティグレ戦争が終わってみたら「FANOは解体!」と切り捨てられることに。

実は捨て駒として利用されただけだったことにFANOがキレた、というのが今回の武力衝突。

最初の数日はFANOが攻勢に出ていたようだが、8月8日にはENDFがゴンダールを、9日にはラリベラを制圧したという報道が。

まぁ、ティグレ防衛軍とFANOではレベルが違うからティグレ戦争のように長期化することはない気もするが、FANOもゲリラ戦を展開しているらしく地域の不安定化は避けられそうもない。

やはりアビィ首相は中央集権化を強力に推し進めていく気満々のようだ。

“連邦”国家として各州が(法の隙間をついて)独自の“軍”を組織していた結果、ティグレ州の軍に手痛い目に遭ったエチオピア政府。

ティグレ戦争の前から決めていたことなのか、ティグレ戦争で決意したのか知らないけど、今年4月にアビィ首相は全ての州の“軍”を解体し国軍に統合させると発表。

かなりグレーな存在とは言え一応は公的である州“軍”と違って、あくまで民兵組織であるFANOもアビィ首相的には邪魔くさい。

とにかくエチオピア政府にとって脅威になるような武装組織はもう国内に残しておきたくないってところだろう。

FANOを弱体化させようとするエチオピア政府と、それに反発するFANOの間で緊張が続いて、今月ついにFANOがアムハラ州政府とエチオピア連邦政府の転覆を狙って軍事行動に移したというのようだ。

ゴンダールやラリベラと言ったアフリカ屈指の歴史的建造物の近くでやらないで欲しいな…

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