オレが北朝鮮で買った国家観光総局発行のガイドブックを紹介したいと思います。
値段は覚えてないけど・・・2~300円くらいだったかも。
この1冊さえあれば、あなたも立派な北朝鮮通になれます。
北朝鮮通になりたいか?なりたくないか?で言えば・・・オレもなりたくありませんが、このガイドブックによって今まで知らなかったあんなことや、こんなことを学べました。
概要
まずは手始めに、北朝鮮の概要を知っておきましょう。
「朝鮮は3面を朝鮮東海、朝鮮西海、朝鮮南海に囲まれた海洋国家である」
ワ~ォ! ぜ~んぶ自分基準!
韓国が『日本海』という呼称を『東海』に変えたいんだもん!と駄々をこねているのには薄々気付いていましたが、さらに上がいたとはね。
ちなみに・・・
日本海 朝鮮東海
黄海 朝鮮西海
東シナ海 朝鮮南海
に置き換えられています。
何なのでしょう? 民族の血が海の名称を変えたがるのか?
北朝鮮の主張からも分かるように、韓国が『日本海』の呼称を『東海』に変えたがっているのも、“自分たち基準”にしたがっているからでしょう。
なぜなら『日本海』は日本からすれば『西海』です。
同じ理屈です。
日本の世界地図を開いてみましょう。
『極東』ってどこなんじゃい!!
アメリカ東海岸だろうがぁぁーーー!!
NY? 極東の都市ですか? 行ったことねーし。
つい取り乱してしまいました・・・
歴史
続いては、北朝鮮の歴史を勉強しましょう。
『朝鮮観光』という名にも関わらず、歴史部分が本全体の4分の1を占めています。
独自進化
皆さんが知らなかった歴史の驚愕の事実が今、明らかに!
「朝鮮民族は、人類発生の初期からこの地で暮らして来た」
ん?
「人類進化発展過程に原人、旧人、新人の段階を経て「朝鮮旧類型人」から現代朝鮮人へと進化した」
・・・朝鮮人は一属一種?
「特に平壌一帯には、人類進化の系統的過程を証明する人類化石など、原始時代の各時代を代表する遺跡、遺物が集中的に分布している」
ということは?!
「このような事実は、朝鮮人が平壌を中心に独自に発生、発展してきた事を示している」
でたー!! ウリジナル!!
要約すると・・・朝鮮人というのは、類人猿 → 黒い山ブドウ(コムンモル)原人 → 力浦人(旧人) → 勝利山人(新人)へと独自に進化してきたそうです。
知らなかったぜ・・・
それに「黒い山ブドウ原人」って名前はどーなのよ?
古代
続いて古代国家について学びましょう。
「朝鮮の歴史で初の奴隷所有制国家は古朝鮮である。建国始祖は壇君」
知らん。
「B.C.30世紀初期に建国し、B.C.108年まで平壌を中心に東北アジアの広大な地域に存在した。首都は平壌。古朝鮮は当時、整然たる統治体系と発展した経済を誇り、隣国にも広く知れ渡った東方の強国であった」
B.C.30世紀・・・古代エジプト文明がようやく国家として歩み始めた頃ってことですねぇ~。
インダス文明より昔ってことですねぇ~。
やっぱり知らん!
「古朝鮮では、B.C.12世紀以前から鉄器を使用し、それをより発展させB.C.7世紀頃には、高温治金法による炭素工具鋼を生産・利用した」
これ、サラッと書いてますけど、ものスゴイことですよ!!
人類史上、最初の鉄器文化はヒッタイトとされていますが、ヒッタイトが現れたのはB.C.15世紀頃。
そのヒッタイトが滅びたB.C.12世紀以降にヒッタイトの周りの古代文明に製鉄技術が伝わっていった・・・というのが通説です。
でも古朝鮮が鉄器を使用していたのはB.C.12世紀以前。
ということは・・・古代エジプト文明やメソポタミア文明すら製鉄技術を知らなかった時代に、世界でヒッタイトと古朝鮮のみが製鉄技術を持っていた!!
古代アジアの“先進国”であった中国ですら、鉄器文化になるのはB.C.5世紀と、古朝鮮よりも700年後!!
歴史的大発見じゃないですかぁー(←棒読み)
封建国家
時代は進み、封建国家に・・・
朝鮮の封建国家をダイジェストで紹介。
「高句麗:科学と文化の水準は相当なものであった」
「百済:文学と美術も相当な水準であった」
「新羅:金銀細工技術の水準は相当なもので、世に知れ渡った慶州・新羅金冠墳墓の純金の冠が、それを物語っている」
ちょっと・・・『相当な』を使い過ぎじゃね?
「李朝:李朝時代、朝鮮人民は鉄製測雨器の発明、民族文字「訓民正音」の創製、世界最初の鉄甲船「亀甲船」の建造など、朝鮮の名を轟かせ人類の科学技術発展に大いなる貢献をした」
鉄製測雨器・・・ネットで調べたら、朝鮮大学校の教授が「もし、子どもたちから「ただの空き缶ではないですか?」と訊かれたらどのように答えるのか」と、答え方が書いてました。
「高麗:当時、経済と文化、科学と技術の発展により対外的に威厳を誇った高麗の聞こえは、今なお「コリア(Corea)」として広く知れ渡っている」
そういえば、ガイドさんが言っていました。
なぜコリアが『Corea』ではなく『Korea』表記なのか?
それは「“C”だと日本(Japan)よりも順番が前になっちゃうから、日本が勝手に“J”よりも後ろにくる“K”にした」そうです。
・・・・・マジかっ?!
他のツアーメイトたちがクスクス笑っている中、「じゃぁ、日本から独立したんだし“C”に直せば?」と進言したのですが、いまいちCに直さない理由が分からず。
ツアーメイトの一人はツボに入ったようで、夜になっても「何、あの話?!」とウケ過ぎ。
知らん!
近代史
さぁ、近代史に進みましょう。
まずは日本植民地時代からです。
「朝鮮人民は1910年前後のほぼ10年間、反日義兵運動を繰り広げ大きな打撃を与えた」
「チュチェ8年3月1日に起こった全民族的な反日蜂起は、日本帝国主義に大きな打撃を与えた。しかし、卓越した領袖の指導がなかったため失敗に終わった」
「人民の積極的な反日闘争に日本帝国主義は恐れをなした」
何度も大きな打撃を与えて、日本が恐れをなしていたにも関わらず、失敗に終わっていた・・・それはなぜか?!
「朝鮮の現代史を勝利に導かれたのは、金日成主席である。金日成主席の誕生は、朝鮮民族史上かつてない開運であった。この時から朝鮮民族の新たな歴史がはじまり、チュチェ時代の紀元が開かれた」
そう! 金日成主席がいなかったから・・・らしいです。
「現代史を勝利に導いた」って、文としておかしいけどね。
さぁ、金日成主席が誕生してからどうなったのか!?
「数多くの戦闘を続々と行い敵に甚大な軍事政治的打撃を与えた」
「朝鮮人民革命軍の軍事政治活動に恐れをなした日帝は、20余万の兵力をつぎこみ「大討伐」作戦に狂奔した」
「大部隊旋回作戦で敵に甚大な打撃を与えた」
そうなんです! 「大きな打撃」から「甚大な打撃」へと形容詞が変わっていったのであります!
ちょ~微妙・・・
いよいよクライマックスです。
ついに「日帝との最終決戦」がやってきました。
「金日成主席は、祖国解放のための総攻撃開始の命令を下した」わけです。
どうなるんだろう~? ドキドキしますねぇー
その結末は、オレが知らない結末でした。
「朝鮮人民革命軍の猛攻、朝鮮人民の積極的な全民抗争により決定的な打撃を受けた日帝は、チュチェ34年8月15日に無条件降伏を宣言した」
・・・・ん?
・・・・・・・あれ?
なにか大事な部分が抜け落ちている気がしますが、気のせいですか?
この文からいくと、大日本帝国は朝鮮人民革命軍の猛攻に打撃を受けたから無条件降伏をした・・・みたいになってるんですけど。
アメリカはどこ行った?
このウリジナルな世界観・歴史観は朝鮮戦争においても如何なく発揮されています。
「朝鮮人民と人民軍隊は、百戦百勝の鋼鉄の霊将・金日成主席の卓越した統帥のもと、無比の勇猛と犠牲、大衆的英雄主義をいかんなく発揮し、世界「最強」を誇るアメリカ帝国主義の鼻柱を折り、その「強大性」の神話を打ち砕いた」
よく考えたら・・・「鋼鉄の霊将」って何すか?
『鋼の錬金術師』系?
歴史の記述に「鼻柱を折る」とか出てくるの、初めて見ました。
鼻柱を折った結果は?
「チュチェ42年7月27日、アメリカ帝国主義は、朝鮮人民と朝鮮人民軍の威力の前にひざまづき停戦協定にサインした」
さっきからチョコチョコ出てきていたのには気付いていましたが、サラッと流してたけど・・・チュチェ42年っていつよ?!
「結局3年間の朝鮮戦争は、朝鮮人民の偉大な勝利で幕を閉じた」
知ってました?
朝鮮戦争って、北朝鮮の勝利だったんだって。
平壌に『勝利記念館』もあるよ!
「勝ってたならさ、なんでその時に統一しなかったの?」と聞いてみたんですけどね、いまいち分からない答えでした。
なんか、色々あったらしいっす。
風俗
よく考えたら、これは“ガイドブック”ですからね、歴史とかどうでもいいから北朝鮮の風俗や観光に関して調べてみましょう。
「ブランコ:昔から朝鮮女性が好んだ民族遊戯」
・・・・・
世界中の子供たちが好んで乗るだろ、ブランコくらい!!
「前後に振り動かしながら・・・」とか、ブランコの乗り方を解説してくれるのはありがたいのですが、そんなもん知ってるわ!
観光
あまり参考にならなかったので、観光に関することを調べましょう。
北朝鮮の西部に妙香山という「天下絶勝」の場所があるそうです。そこに『国際親善展覧館』という観光スポットがあるとか・・・
どんなとこなのでしょうか?
「金日成主席と金正日将軍に世界5大陸の各政党、元首、社会各界の人士が贈呈した贈り物の一部が展示」
5大陸の各政党?くくり方がよく分かりませんが、流しましょう。
「展覧館の建物には、木材が一切使われていないが、木造りのように見え、また窓は一つもないがあるように感じられる特徴ある朝鮮式建物」
・・・・・・だから?
どうでもいい情報を頭に入れたところで、さっそくどんな贈呈品が展示されているのか?見てみましょう。
えぇーーっ?!