エチオピア情勢(2021年9月)

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新年あけましておめでとうございます。

今日は2014年1月1日、ウンコタタシですねっ!!

そういう意味では「ウンコタタシ(新年)あけましておめでとうございます」と言うべきか?

今日は、エチオピア暦でイエス・キリスト生誕から2014年目。

そんなお正月時期のエチオピアの戦況だが…正直、よく分からん!!

エチオピア政府、ティグレ防衛軍(TDF)の双方が精力的に情報戦に勤しんでいるおかげで、公式・非公式問わず真贋判定が難しい情報だらけ。

日本でエチオピア情勢が全くと言っていいほどニュースにならない理由のひとつだと思うが、欧米の報道機関を含めて『出てきた情報の検証をしようがない=裏が取れない』だけに情報の正確性にこだわると報道できない。

そんな中で、なんとなくオレの感覚で言うと快進撃を続けていたティグレ防衛軍(TDF)の動きが鈍化して、膠着状態もしくはエチオピア政府軍が少し押し返しているような気が。

連戦連敗で敗走を続けていたエチオピア政府軍が急に強くなったというよりかは、エリトリア軍の動きが関係していてTDFも南進していた戦力を戻さざるを得なくなった…とか、そういう状況なのかもしれないが、はっきりした原因は分からない。

欧米の圧力で一度はティグレ州から撤退したエリトリア軍が、エチオピアのアビィ首相が8月18日に秘密裏にエリトリアを訪問した後、“なぜか”再びティグレ州に攻め込んでいる。

これは、アメリカ政府が国務省の声明や財務省の声明で「多数のEDF(エリトリア国防軍)がエチオピアに再入国した」と断定しているし、EUも警告していることから間違いないかと。

ちなみに、米国財務省の声明はアメリカがエリトリア軍のフィリポス・ウォルデヨハネス参謀長に制裁を課すという内容。ティグレ州内においてエリトリア軍が妊婦の体をナイフで切り裂いたりと組織的に民間人のレイプ、拷問、処刑を行っている『深刻な人権侵害の加害者』だと認定。

どうやらエリトリア軍もエチオピア軍の軍服を着用したりして、表立っては「エリトリア軍が再び攻め込んでます!」とは分からないようにしてやっているとか…

アムハラ州ゴンダールにヘリで兵力を移動させているとか…

色々と真贋不明の情報は出ているけど、実際のエリトリア軍の動きはよく分からない。

ただ、TDFがアファール州から撤退したことは事実っぽい。

ロイター通信『Ethiopia says Tigrayan forces beaten in Afar, Tigrayans say they redeployed』によれば、「敗北したTDFが逃げ去った」と主張するエチオピア政府軍と、「アファール州では戦闘がないのでアムハラ州の高地に戦力を移動させた」と主張するTDFで理由は異なるにせよ、アファール州からTDFが撤退したという点では双方とも一致している。

また、エチオピア政府とTDFがお互いに「国連などの人道支援を妨害しているのはあっちだ」と非難し合っているが、そもそもTDF自体に自分たち向けの人道支援を妨害する意味がないし、妨害しているのはエチオピア政府なのは間違いなさそう。

国連人道問題調整事務所(OCHA)の9月2日付最新情報によれば、「7月12日から8月30日までの間に、ティグレ州に入ったトラックは335台のみであり、少なくとも520万人のニーズを満たすために必要な3,500台の貨物トラックの10%未満」らしいが、アファール州政府やアファール州軍が支援物資の輸送を阻止・妨害しているとも書かれていて、“エチオピア政府側”が妨害していることの裏付けになる。

また、国境なき医師団(MSF)の9月10日付声明によれば、エチオピア政府から紛争地域における3カ月間の活動停止命令を受けて「すべての医療および人道支援プログラムを完全に停止せざるを得なくなった」そうだ。

エチオピア政府がティグレ州を孤立させ兵糧攻めにするやり方に特に変化はないようだ。裏取りは不可能だがTDFの主張によると、8月の餓死者は150人だったそうだ。

ちなみに、アムハラ州にある米国国際開発庁(USAID)の人道支援物資の倉庫がTDFによって略奪されたそうだが、親TDFネット民たちは「エチオピア政府が人道支援を妨害しているからこちらから支援物資を取りに行っただけで、何が悪い」という言い分が目立つ。

1カ月ほど前のブログに「TDFは(今のところは)戦争犯罪的行為をしていないように見える」と書いたが、数日前にこんな情報が出てきた。

世界遺産ゴンダールの北75kmのところにあるアムハラ州ダバトで、TDFが民間人120人以上を虐殺したという内容。

当然TDF側はこの主張を否定して「捏造であり、独立した機関による調査をすべき」としている。

事実関係の確認にはもう少し時間が必要かもしれないが…

今後、似たような情報は多かれ少なかれ出てきそうな気配はする。

理由としては、アビィ首相が音頭を取って「TDFと戦うためにエチオピア国民を総動員する」べく号令をかけて、それに呼応してアムハラ州でも州民を総動員して基礎的軍事訓練を行って民兵化している。

こうなってくると民間人と民兵の境目が非常に曖昧になって、真の“民間人”の環境としてはかなり危険かと。

8月18日、オロミア州東ウォレガ県ギダキラムでTDFと軍事同盟を結んでいるオロモ解放軍(OLA)がアムハラ人の民間人150人を虐殺したという報道がある。

OLAは民間人の虐殺を否定して「アムハラ民兵との衝突による銃撃戦」と主張。

ロイター通信に対してアムハラ系住民は「OLAがやって来て攻撃してきたので、我々は自衛のために反撃して撃退しようとした」と述べているが…

これも民間人と民兵の境目が曖昧になってしまっている結果かもしれん。

これまでの人権侵害の申し立てに対して、エチオピア人権委員会(EHRC)と国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が共同調査を終え、11月1日に調査結果を発表するとしている。

共同調査はあくまで『過去分』であって、現在進行形で同じようなことは続いているわけだが、とりあえず11月1日の調査結果がどんな内容のものになるのかは興味深い。

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