孤軍奮闘

スポンサーリンク

ティグレ州の戦争が次の段階に入っているようだ。

エチオピア連邦政府軍を敗走させたティグレ防衛軍(TDF)が、今度はティグレ州西部を占領しているアムハラ州軍を追い出そうと戦闘が激化している模様。

アムハラ州では民兵なども総動員して、占領地域を死守するべく数千人単位でティグレ州に兵を送り込んでいるようだ。

アムハラ系メディアは「アムハラはライオンのように戦って死ぬ。決して後退しない」と気勢を上げる民兵たちの声を流して戦意を煽っている。

さらにエチオピアの各州も、オレが勝手に州軍と呼んでいる各州自前のSpecial force(ልዩ ኃይሎች)を続々とアムハラの援軍としてティグレ州に送り込んでいる。

ソマリ州軍

ハラリ州軍

ベニシャングル・グムズ州軍

ガンベラ州軍

シダマ州軍

南部諸民族州軍

アムハラへの援軍とは別で、オロミア州軍とアファール州軍はティグレ州東部の戦線でTDFと戦っているようだ。

ふむ、いちいち列挙する必要がなかったな…

エチオピアの全ての州が部隊を派遣して、州ではないディレ・ダワ自治区もディレ・ダワ警察部隊を派遣しているので、ティグレ州は全エチオピアを敵に回して戦ってると。

むちゃくちゃ嫌われてるTPLF!!

友達ゼロ。

2019年に都落ちするまでの30年間、エチオピアを牛耳ってきたTPLFと優遇されてきたティグレ州に対する積年の恨みがこの結果。

でも…どうなんだろ?

アフリカ屈指の軍事大国であるエチオピアの正規軍を破ったTDFに、全州の州軍で束になったとしても勝てるんだろか?

嫌われてるけど、むちゃくちゃ強いって最悪だろ。

全部の州が軍を派遣してるけど、モチベーションにはだいぶ差がありそう。シダマ州とか南部諸民族州とかからしたら、そこまで本気になる理由もないだろうし。出兵せざるを得ない状況だから渋々出してる気がしなくもない。

ちなみに、オロミア州軍とアファール州軍が戦っている東部戦線では、オロミア州軍は撃退され、逆にTDFがアファール州内に攻め込んでいる模様。アファール州の報道官が言っていることだから、本当に攻め込まれちゃってるんだろう。

TDFの報道官は「アファールの領土には関心がなく、敵の戦闘能力を低下させることに関心がある」ってコメントしてるけど、まぁ…ある程度は本当だろうな。

こんな地球上でも最も過酷な環境と言われてるようなところ欲しいやつとかいるんか? しかも住んでるのは砂漠の好戦的な民族として名高いアファールの民って…絶対いらない。

写真は、暑さで地表がめくれあがってるのがアファール州(手前)、奥の霞んで見える山々はティグレ州。

ただガローウェ・オンラインの記事によれば…TDFはアファール州内の幹線道路と鉄道を抑えてアジスアベバの物流に打撃を与える戦略を立てているという話も。内陸国エチオピアの玄関口となっているジブチ港との大動脈(対外貿易の95%)を寸断されるとアジスアベバは非常に困る。

まぁ…距離的に道路はあり得る話だけど、鉄道はないだろうな。

そもそもアジスアベバ・ジブチ鉄道はアファール州をほぼ通っていない。厳密にはアファール州アワシュを通ってるけど、アファール州の先っぽをチョロっとかすめる程度。

ティグレ州からの距離で言えばアワシュよりアジスアベバの方が近い。

少人数の隠密部隊を使って何カ所かで線路を爆破する可能性はあるかもしれないが…

アジスアベバ・ジブチ鉄道ねぇ、乗りたかったな。

今のは中国が建設した全線電化された2018年開業の新しい鉄道だが、オレが行った頃はその前の1917年開通の古い方。

いつ列車が出発するかは駅員も含めて誰も分からない幻の乗り物であった。

その日に駅に行ってみないと分からず、アジスアベバ駅に通い「明日出る」と言われて次の日行ったら「出ない」の一言。

アジスアベバ滞在を延長してまで待ってたが、全然出ないし、いつ出るのかも誰も分からないので諦めた。当時、列車に乗れた旅行者は少ないんじゃないかな? 少なくともオレの周りで乗れた人は誰もいない。

何週間かに1本、何の前触れもなくいきなり出発する幻の列車であった。

この前、テレビで「世界で東京オリンピックの関心度を調査」していたが、エチオピアでも調査して欲しい。

たぶんそれどころじゃなさそうだが…エチオピアは東京オリンピックに34人のアスリートを派遣。

全員が中長距離走者で、女子5000mと1万メートルの世界記録保持者レテセンベト・ギデイはティグレ州の選手で、オリンピックでは1万メートル走に出場する金メダル最有力候補。

スポンサーリンク
広告(大)
広告(大)

この記事をシェアする

フォローする

関連コンテンツユニット
スポンサーリンク
広告(大)