ボツにしていた写真一枚(3)

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前回に続く第3弾。

今回は、たった1枚の写真を深掘り。さらに、ハングルを一切読めないオレによるハングル講座付き!

羊角島国際ホテルは、平壌を南北に流れる大同江の中州である羊角島の北端に建っている。

その最上階の回転展望レストランから北東方向を撮った写真。ちなみに前回載せた写真は南西方向を撮った写真なので、逆側だ。

ボツにしたのは見ての通りガラスの反射。

住所としては平壌直轄市の船橋(ソンギョ)区の景色になる。

この広角で撮った写真を少し拡大してみた。

赤枠で囲った部分は平壌ゴム工場だが、ここに寄ってみる。

赤丸については後で書くとして…

白い建物の屋根に掲げられているスローガンはほぼ文字が潰れていて判別が厳しかったものの…己の持てる力を全て発揮して判別してやった。

これが俗に言う能力のムダ使いってやつである。

ハングルを読めないくせに絶対的な自信を持って断言するが、これは「위대한 주체사상 만세!(偉大な主体思想万歳!)」って書いてある。

北朝鮮の町中で目にするスローガンって朝鮮労働党が作成する官製スローガンを使っているだけなので、実は独自のスローガンは存在しておらず、ある程度パターンが決まってくる。

さらに使っている単語もパターン化していて、ベタな使い方として枕詞に「위대한(偉大な)」とか「경애하는(敬愛する)」を持ってくることが多いので予測しやすい。

あとは「만세(マンセー、万歳)」とか、将軍様、元帥様あたりが高頻度で使用される。偶に「만만세(マンマンセー、万々歳)」パターンも有り。

これが「キノコ栽培を科学的、集中的、工業的に行うことで、我が国をキノコの国に変えよう」(2015)みたいなトリッキーなスローガンだと、さすがに文字が潰れていたら判別できなかったが、平壌ゴム工場のスローガンはベタなワードを使ってるやつで助かった…

このスローガンが掲げられた白い建物の前に、気になるものを見つけた。

先ほどの写真で赤丸で囲んだ部分。

これって…平壌市内の至るところにあったやつと同じだな。

日本語で名称があるのか分からないけど、巨大な石碑というか…壁画石板みたいなやつ。

「위대한 수령 김일성동지는 영원히 우리와 함께 계신다(偉大な首領 金日成同志は永遠に我々と共におられる)」→「위대한(偉大な)」のワードで始まる定番パターン。人が槍を持って(위)、次がCHのやつ(대)は「偉大」と覚えたが、読み方は知らん。

「위대한 내 나라, 내 조국이여 천만년 무궁번영하여라!(偉大な我が国、我が祖国よ 千万年 永遠に繁栄せよ!)」→また「위대한(偉大な)」のワードで始まる定番パターン。

「위대한 수령님의 웅대한 경제 건설 구상 상따라 총진군 앞으로!(偉大な首領様の雄大な経済建設構想に従って総進軍しよう!)」→またまた「위대한(偉大な)」のワードで始まる定番パターン。

「아버지 대원수님은 영원한 우리의 해님(父なる大元帥様は永遠の我々の太陽)」→高頻度で出現するワード「대원수님(大元帥様)」が入っているパターン。たぶん…「대(大)원수(元帥)님(様)」。CHは偉大の大だからな。

基本的には全てが恐ろしく大きい。後ろに建っているビルを比較対象にすれば良く分かるはずだ。1枚目には人間も映っているので、そこから推測するに高さ30mは超えているかと。

車内から眺めていると、人民たちがこの巨大石板の前に花を捧げてこうべを垂れているのを見た。大きさが違うだけで、もはや祠(ほこら)的な存在じゃん。

北朝鮮の内政って、独裁として捉えるよりカルト宗教として捉えた方が理解しやすいとオレは思っているのだが、理由はこういうところにある。

平壌ゴム工場の敷地内に見える巨大石板の前でも、きっと従業員たちがこうべを垂れているんでしょう。きっと「崇敬の念を表しているだけ」って言うだろうけど、「祈り」と何が違うんだ?って話、オレからしたら。

工場内に巨大石板があるって、敷地内に祠がある会社ってことでしょ?

平壌ゴム工場より、もう少し北側の部分…

赤枠の部分を拡大してみると…

もう1個みっけ!!

さすが総本山・平壌だけあって巨大祠が至るところにあるな! 全部で何か所くらいあるんだろ…オレは大通り沿いに鎮座するやつしか見ていないが、意外と外側からは見えない敷地内にプライベート巨大祠があるみたいだから、その数は見当もつかないな。

人が槍を持って(위)、次がCHのやつ(대)は「偉大」…今日はこれだけでも覚えて帰ってください。北のプロパガンダ・スローガンを理解しやすくなります。

正しいか知らないけど、オレの勝手な思い込みだと…ハングルってタイ語と似ていて子音と母音の組み合わせで文字を構成しているはず。その組み合わせのパターンが分かれば、判別しやすくなりそうな気もする…

タイ語を例にすると、ก(k)という子音に母音をくっつけてกา(ka か)กี(ki き)กู(ku く)เก(ke け)โก(ko こ)となるが、母音が子音の左右上下のどの位置にくっ付いてるか?的な組み合わせパターンでの判別方法がもしハングルにもあるのであれば、北のプロパガンダ・スローガン判別マスターへの道も近い。

読めなくていいから、判別できればそれでいい。

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