自分の過去で後悔していることのひとつに…
Türkmenbaşynyň ertekiler dünýäsi(テュルクメンバシュのおとぎ話の世界)
に行かなかったことがある。
中央アジアのファンタジー独裁国家トルクメニスタン。
その首都アシュガバードに「トルクメニスタンのディズニーランド」として約58億円をかけて建設された遊園地が『テュルクメンバシュのおとぎ話の世界』である。
プレオープンは2006年10月19日、同年12月8日に『テュルクメンバシュのおとぎ話の世界』という名称でグランドオープン。
ちなみに、テュルクメンバシュ(トルクメン人の頭領)ことニヤゾフ初代終身大統領が亡くなったのが遊園地オープンの2週間後(12月21日)なので、オープンしたての『テュルクメンバシュのおとぎ話の世界』にいざなわれて“おとぎの世界”に旅立って行ったと言えなくもない。
オレがトルクメニスタンに行った2007年にはすでに存在していたにも関わらず、残念なことに行っていない。
というか…行った当時は存在そのものを知らなかった。
場所はアシュガバード中心で、大統領官邸から南に徒歩15分ほど。Altyn Asyr Seýilgähi(黄金時代公園)の南隣なので徒歩圏内にあったにもかかわらずである。
具体的な金額は不明だが、入場料は100円しないようだ。
開園直後に亡くなった“頭領”ニヤゾフ初代大統領の跡を継いだのは、“守護者”ベルディムハメドフ第2代大統領。
ニヤゾフ色を薄めるためにニヤゾフゆかりの建造物やモニュメントをどんどん郊外に移設していたが、どうやら遊園地はまだ残ってるっぽい。
顔はめウサギも残ってるようだぞっ!!
ただ…残念なことに2018年の様子をみる限りでは、ほぼ廃墟に近い状態になってるようだ。
ホントに58億円もかかったの?と思わずにはいられないクオリティだ。
ぼられた?
ただ、さすが「トルクメニスタンのディズニーランド」だけあって、キャラクターは豊富にいるようだ。
相撲というかレスリングというか、トルクメニスタン伝統の格闘技ゴレシュをする犬とか。
赤犬の頭をかち割るか、頚髄損傷で病院(もしくは“おとぎの世界”)送りにした時の決定的瞬間。
でも、これは2017年以降のキャラクターだから開園当初は存在していなかったはず。
これ、トルクメニスタンで開催されたアジアインドア・マーシャルアーツゲームズ(AIMAG)2017のマスコットキャラクターで、中央アジア原産のセントラルアジアシェパードのウェパリィ君だからな。
あくまで想像だが、AIMAG2017アシュガバード大会が終わった後に邪魔になったウェパリィ君の像たちを遊園地に移設した可能性大。
遊園地と関係なくなるが、AIMAG2017アシュガバード大会のマスコットを謎のウェパリィ君に決定したのは、“守護者”ベルディムハメドフ第2代大統領の意向が働いたからとか。
やたらセントラルアジアシェパード推しで、ロシアのプーチン大統領にプレゼントしたり、シェパード犬の本を書いたり…
動画のように軍で表彰されると大統領自ら犬を手渡してくる。
え…ご褒美は子犬ですか?
と困惑しても表面上は嬉しそうにしなければならない。
なぜなら、お言葉は全部メモらないといけないくらい“守護者”様は偉いお方だからだ。
メロンが大好き過ぎてメロン記念日という国民の祝日を作ったニヤゾフもやばかったが、ベルディムハメドフもなかなかやばい男である。
まず、ギターを弾きながら歌うだろ?
エタ・カラカラカラカラカラ…カ~ラクム♪
トルクメニスタンといえばカラクム砂漠。ソ連のロックバンドКругの1983年の代表曲『カラクム』を大統領自らカヴァー。
オフロードレースにも参加しちゃうだろ?
砂に埋まったら、ちゃんと自分で砂を搔いてえらい大統領。
ちなみに、ラリーカーのデザインと整備も大統領自らやってるから。
自転車に乗りながら銃だって撃てちゃう。
えっ、そこから登場?!とビックリするイントロ。
『おとぎ話の世界』もアルカダグ(守護者)様の色に染めてリニューアルオープンしてくれないかな? 次こそ行くぞ。