『ホテル・ルワンダ』の主人公逮捕

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2004年公開の映画『ホテル・ルワンダ』は、ルワンダ大虐殺時の実話を元にした映画だ。

1994年、アフリカのルワンダで実際に起こった大虐殺を背景に、人々を救おうと戦ったホテル支配人の姿を描く実録人間ドラマ。その支配人、ポール・ルセサバギナにはドン・チードル(「クラッシュ」)、妻のタチアナにはソフィー・オコネドー(「堕天使のパスポート」)が扮している。またベテラン演技派俳優ニック・ノルティと勢いのある若手俳優ホアキン・フェニックスががっちりと脇を固めている。監督は「父の祈りを」をはじめ優れた脚本で有名なテリー・ジョージ。2004年度アカデミー賞・主演男優賞、助演女優賞、脚本賞にノミネートされた。【KINENOTE】

舞台となったのは、ルワンダの首都キガリにあるオテル・デ・ミル・コリン。

現在も四つ星ホテルとして営業している。

このホテルを舞台に、当時支配人だったポール・ルセサバギナが1268人の人々をホテルに匿って救い「アフリカのシンドラー」と呼ばれて映画化された。

そのポール・ルセサバギナが、2020年8月31日逮捕された。

ルワンダ捜査局(RIB)のツイートに、ルワンダの法務大臣・司法長官が引用リツイートしているが、テロ容疑とのこと。

“強力なリーダーシップ”という正の側面で評価され過ぎな感もあるポール・カガメ大統領の、“独裁色をますます強めがち”という負の側面の表れか?

自分に反対する者は一人残らず叩き潰してきたカガメが、ポール・ルセサバギナも潰しにかかったという見方が多い。

彼の支持者によると、ポールはドバイで拉致されてルワンダに連れて行かれた可能性があると言っているが、UAE政府は否定。

ちなみに、ポール・ルセサバギナはカガメ大統領と敵対してたからな。

ルワンダ民主変革運動(MRDC)という反カガメ政党を結成して、その軍事部門である国民解放戦線(FLN)は隣国コンゴの東部で活動中。

国家転覆罪の容疑もかかっているようだが…まぁ、冤罪と呼べるほど潔白なわけではないところが痛いな。

彼がルワンダ大虐殺中におこなった良いことまで否定するつもりはないが、「アフリカのシンドラー」と持ち上げるのは(どちらかといえば)“外の人”の発想で、ルワンダ人の中でそこまで人気があるか?と言われれば意外と「それほどでもない」というのが実際のところ。

映画自体がけっこう盛っていて、ポール・ルセサバギナだけがヒーロー扱いされることに疑問の声があることも理由のひとつだろうし…

オレがルワンダで言われたのは「虐殺時ももちろん大変だったが、虐殺後の国内の混乱時もかなり大変だったが、彼はルワンダ大虐殺後にベルギーに逃げた」と。

まぁ…個人的にはポール・ルセサバギナに同情するけどな。

映画が“話を盛る”のは彼のせいではないし、もし虐殺直後の混乱期にベルギーに亡命できたら誰でもしてただろうに。

亡命後はアメリカの永住権も取ったりして、ずっと海外で「アフリカのシンドラー」とチヤホヤされる中で調子に乗った部分もありそうな気はするが。

民兵組織のMRDC-FLNを持ち始めたあたりからちょっと「大丈夫か?」と思っていたが、逮捕のニュースをきいて「ついにその日がきたか」と思った次第。

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