先月から、今さらながらストックフォトとやらに手を出してみた。
ストックフォト(Stock Photo)とは、頻繁に使用されるであろうシチュエーションで予め用意された写真素材のこと。もしくは、写真を含むそのほかマルチメディア素材のこと。その中から、予算に応じて広告・出版等の制作会社が目的に合った素材を選び、使用料を支払うことで利用できる。【wiki】
いわゆるメディア等で“イメージ画像”として使用されるような写真素材を、使用する側ではなく、提供する側として手を出してみた。
いや…なんとなく自分のアセットって何だろ?と考えた時に『過去の写真』があるな、と。
思えば、フィルム写真も含めればそこそこ膨大な量の写真がある。
せっかくなのでそれらを有効活用しようと考えた結果、我ながら今さらのストックフォトデビュー。
ただ、実際問題として売れるか?どうかで言えば、多少は売れるだろうが…あくまで“多少は”だろうな…とは思っている。
需要として考えた時、オレの写真コレクションでは厳しい。
例えば、ナゴルノ・カラバフ共和国(もしくはアルツァフ共和国)の…

タティク・パピク(おばあちゃん・おじいちゃん)像。
5アルツァフ・ドラム硬貨の図柄にも起用されているシンボルで、(そもそも誰もあんなところに行かないから)オレは「良い感じでタティク・パピク像を撮った日本人ベスト5」には入っていると自負しているが…
こんなもん需要なんかねーだろ!
年に1回あるかないかくらいの頻度で売れる可能性はゼロではないが、毎月売れるような写真ではないことは断言できる。
そもそも「タティクパピク」という言葉を知っていて、かつその言葉で画像検索するやつなんて皆無だろうから…あくまで“例えば”だが「アルツァフ共和国の『進撃の巨人』オマージュ像」としてヒットするようにタグ付けするとか、姑息な手を使うしか売れないだろうな。
やらないけど。
やはりストックフォトで売れるのは“公園で遊ぶ親子”みたいな「シチュエーション画像」であって、オレの写真のように旅行時の「風景画像」がメインだと厳しいだろう。
需要の大きさの違いはもちろんのこと、供給側の問題で。
例えば、“アドリア海の真珠”ドブロヴニク。

いくら自分ではキレイに撮れてると思っていても、こんな写真は腐るほどあるし、もっと上手な写真もいくらでもある。
「シチュエーション画像」は人物の表情とか構図とかで他と差別化を図りやすいが、「風景画像」は(シチュエーション画像と比べれば)差別化が難しい=競争が激しくて埋没しちゃう。
富士山の写真で勝負するようなもんだ。
ちなみに、まだ100枚もアップしていないが先月初めて売れたのがこの写真だ。

ボツワナのオカバンゴデルタで撮ったゾウ。
Photoshopでキレイに消すのは面倒だから手前に散乱している糞とかそのままだが、オランダからお買い上げがあって1.86USドル。
次に売れたのが、プラハ旧市街の写真

カザフスタンのアルマトイからのお買い上げで、同じ人がナミビアで撮った植物ウェルウィッチア(和名:奇想天外)の写真も買ってくれた。
アップした写真が全てそのまま販売されるわけではなく審査があるので、実際には100枚以上アップしているのだが審査に落ちる写真も少なからずある。
オレの場合は審査通過率は70%くらい。オレの写真には商業利用に適さないエディトリアル画像の割合が多いというのも弱点。
例えば、ナミビアのカオコランドにあるヒンバ族の村で撮ったこれ。

まぁ、そもそもこの写真に需要があるのか?という話でもあるんだけど、審査で却下された理由は「児童ポルノに該当する恐れがある」とのこと。
うーん、なんか腑に落ちないぞ。
ねぇ、これってポルノなの?
あと、この写真も審査で却下された。

そうでしょうね、とは正直思う。
ただ、理由として「好ましくない被写体または不快感を与える被写体が含まれている」とされると、なんかムッとするよな。
ダニ文化を完全否定じゃん!!
落ちて当然と思う一方で、どの尺度で好ましくないとか不快感を与えるとか決めてるんだよ、とも思う。
そのくせ、こっちの写真はOKだからモヤモヤする。

分かった! タマ袋って手や足と同じ人体の一部位にもかかわらず「好ましくなくて不快感を与えるもの」だったんだ!?
いくつかのストックフォトサービスを試してみているのが、サービスによって合否の線引きがけっこう違ったりする。
例えば、iStock(Getty Images)は子供が映っていると保護者の同意が必要。

ラトビアのリーガで撮った衛兵交代式のマネをする子供の写真もダメ。
ダメというか、そもそも過去写真で保護者の同意書なんか付けられないから諦めざるを得ない。Shutterstockは大丈夫だったのに…という違いはある。
とりあえず写真を地道にアップしていって、どんな感じか観察してみようと思う。