昔、アフリカはナミビア共和国で撮った写真。
え、何これ?とよく聞かれる。
ナミビア最南部のカラス州は、地平線を越えた先にまた地平線と、飽きちゃうくらいただただ果てしない荒野が広がっている岩砂漠地帯だが、そこでちょくちょく見かける鳥の巣である。
この写真の説明をしないといけなくなって調べてみたところ「へ~!そうだったの?」となったのだが、どうせすぐ忘れそうなので書き記しておく。
まず、これはシャカイハタオリという鳥の巣だ。
完全に英語から直訳したであろう和名で、英名はSociable weaver。鳥の名前が『社交的機織り』だと変だから『社会機織り』にしたのかな?
スズメの仲間なので、スズメ目。
草を編んで巣をつくるので、ハタオリドリ(機織り鳥)科。
そんな小鳥の中で、社交的なやつらがシャカイハタオリらしい。
生息地域はナミビア、ボツワナ、南アフリカ。
知らなかったが、なんでもこのシャカイハタオリとやらは世界最大の巣をつくることで知られているそうだ。
“自分用の巣”ではなく、“共同住宅”としてマンションを建設しちゃうと。
重さ1トン、幅6メートルで、500羽が入居可能な巣もつくっちゃう。
築100年はいけるとか。
ナショナルジオグラフィックの記事『Angry Birds Build the World’s Biggest Nests』によると、2016年の研究論文で…
巣には共有スペースと個室があるそうだが、共有スペースの巣作りを手伝わずに自分の個室ばかりつくるような自己中な輩がいると、現場監督にキレられて追い出されるらしい。
追い出されてもまた戻って来られるみたいだが、次に戻ってきたら協力的になってるらしい。
キレる現場監督がいるから必死に作業するせいで、巣が必要以上にデカくなっちゃうんじゃないか?的な。
“社交性”を求められる小鳥、それがシャカイハタオリ。
というか…
巣にはシャカイハタオリじゃなくても入居可能らしい。
もうこうなっちゃったら社交的過ぎるだろ。
ブンチョウの仲間とかシジュウカラの仲間とかシャカイハタオリじゃないのに入居しちゃってるし、猛禽類のコビトハヤブサ(写真)なんかは自分で巣をつくらずシャカイハタオリ・マンションの空いてる部屋に入居するらしい。
見た目は可愛らしいが、さすがハヤブサと名前が付くだけあって攻撃的な肉食鳥なのに、自分よりも小さいシャカイハタオリとは(基本的に)共生しちゃうのは、居候の身分だからかな?
たまーに食べちゃうケースもないことはないみたいだが、マンションの住民同士のトラブル的な話なのか?
ということで、オレが撮った写真は「世界最大の鳥の巣をつくるスズメの仲間シャカイハタオリの巣」だった。