なにやら円安で物価が激安になった日本に外国人観光客が押し寄せているらしい。
そんな旅行者たちに最も人気がある都市のひとつが大阪だ。
実は秘密にしていたのだが、オレもかつては年単位で旅をしていたことがあるような男である。
ここは元旅行者として、観光客が押し寄せているという大阪の人気観光スポットをビシッとおさえておいた方がいいかもしれない。
なになに?大阪で人気の観光スポットは…
1位:ユニバーサルスタジオジャパン?
ちょっと存じ上げないが、スタジオアリスみたいなもんか?
2位:大阪城?
おしろ?大阪にお城があるの?
3位:道頓堀?
みちとんこつ?ちょっと読み方が分からないな…
どれも聞いたことすらない観光スポットで、本当に外国人観光客に人気なのかすら疑わしい。
訪日外国人観光客なんて誰も行かないでしょ?そんなわけわからんところ!
かつては旅行者だったオレの…
いや、かつては旅のプロフェッショナルだったオレの読みは外れたことがない。
訪日外国人観光客に真に一番人気の観光スポットは…
絶対に富田林にあるっ!!
関西圏以外の人にこそっと教えちゃうと「大阪に行ってくる」=「大阪府富田林市に行ってくる」だから。
まずはアクセスの良さ!
奈良なんて新幹線が通っていないから、東京から行く場合はまず京都まで行って、京都から在来線で45分もかけて行かなきゃならない。
その点、富田林なんて…
東京から新幹線で新大阪駅にピューンと行って、新大阪から在来線で府内を移動するだけ。
京都から奈良は県境を越えて45分もかかるが、富田林は同じ大阪府内なのに新大阪駅から在来線で1時間!!
奈良に行くより全然遠いよっ!!
そんな富田林に、訪日外国人観光客に一番人気の観光スポットがあるはず…というのは、かつて旅のプロフェッショナルだったオレの読みである。
外国人なんて全員タトゥーを入れて、だいたい覚醒剤を打ってる⇒刺青で覚醒剤と言えば…元プロ野球選手の清原和博⇒清原と言えば…桑田真澄とのKKコンビ⇒KKコンビと言えば…PL学園高校⇒PL学園と言えば…PL教団(パーフェクトリバティー教団)
はい、導き出せちゃいました~!!
久しぶりの総本山シリーズで、わざわざ富田林にやって来た。
幸福の科学【栃木県宇都宮市】 霊友会【東京都港区】 霊波之光【千葉県野田市】 真光文明教団【静岡県伊豆市】 世界救世教いづのめ教団【静岡県熱海市】 タンマガーイ寺院【タイ王国パトゥンターニー県】タンマガーイ寺院(写真)を除けば関東だけしか行けていなかったが、今回ようやく関西に進出。
パーフェクトリバティー教団(PL教団)の総本山があるのが、大阪府富田林市なのだ。
ビーとピーをはっきりと区別させた発音をしないと「BL好き」と言ったつもりが、相手からしたら急にPL信者であることをブッ込んで来たと思われて困惑させてしまうのは腐女子あるあるだろう。
一番ややこしいのは、PL内のBLね。
これ以上言うとどちらからも刺されそうな気がするからやめておこう…
かつては高校野球の名門として名を馳せたPL学園高校をPL教団が運営しているというのは意外と知られていなかったりする。
高校野球の強豪校って、辯天宗の教祖・大森智辯の名を冠した智辯和歌山とかあるしな。
今は特に少子化が進んでるし、信者の子弟だけで学校運営は厳しそうだから、スポーツ強豪校として信者の子弟以外からも生徒を集める戦略なのかしら?
そういう意味では幸福の科学大学が大ゴケしたのも納得だよな…
信者以外で誰が通うんだよ、ハッピーサイエンスユニバーシティーに?!
大体、名前にハッピーを付けていいのは亀田のハッピーターンまでだろ。
さて…PL教団と全く関係のないハッピーターンの話で盛り上がってしまったが、訪日外国人観光客に一番人気の大阪観光スポットと睨んだ富田林に向かったオレ。
天王寺でJRから近鉄に乗り換えて一路富田林を目指す。

去年まで日本一の高さを誇っていたあべのハルカスと直結しているが、あべのハルカスなんかには見向きもせずに富田林へ一直線だ。
ん?
思いのほか車内に訪日外国人観光客の姿が見えないな…
現地に行ったら観光客で溢れかえっているパターンか?と心配しているうちに富田林に到着。
あれ?
あれれ?
訪日外国人観光客どころか…
在日日本人の姿すら見えない!!
だ、だれもいねー。
さて、事前の下調べをばっちりしていたオレは富田林駅でレンタルサイクルしてPLに行こうと思っていた。
ところが「全部出払ってて1台もない」と借りられず、計画がパーに。
仕方なく駅前からバスで向かったのだが、結果的にバスが正解であった。
PLに向かう長い坂道はいくら電動チャリでもしんどそうで、チャリは止めておいた方がいい。
それに…
バスに乗ったらこんなアナウンスが流れていた。
「富田林駅前からPL病院までご乗車される方は、運賃はPLがお支払い致します」
タ、タダ!?
写真は帰りの分だが、行きも帰りも富田林駅⇔PL病院玄関前は運賃をPLが負担してくれる。
これが教団運営のPL病院。
府道35号を挟んでPL病院の真向かいにあるのが、大平和記念塔(通称PLタワー)である。
ゲートを通って敷地内の道をずんずん進む。
ゲートからPLタワーまでヘロヘロになりながら歩くが、お気付きだろか?
訪日外国人観光客はおろか、誰とも会っていない。
ちなみに道沿いには桜が植えられており、行くのがあと1~2週間遅ければ満開の桜並木とPLタワーを写真に収めることができたのかもしれない。
そして、目の前に現れたPLタワー!!
その高さは180m!!
通天閣は100mだし、塔として大阪で最も高いのはPLタワー。
高さもさることながら、特徴的なのはそのデザインだろう。
PLタワーの中に入っていくと、おじさんがいてマンマークでがっつり案内をしてくれた。何しろ訪日外国人観光客どころか、誰もいないので実質的にPLタワーを貸し切り状態で、おじさんまで貸し切っちゃってぴったり付いてくる。
おじさんの説明によると、「第二代教祖の御木徳近日知が粘土で作ったやつをタワーにしたらこれになった」らしい。
そして、このタワーの一番上の部分は…
人差し指を立てた手を表しているらしい。
つまり…
これをタワーで表現したのが、PLタワーの先端部分と。
へー
以外に何も言葉が浮かんでこないのが申し訳ないが、オレはおじさんの説明にそのまんま「へー」と返した。下手に「北朝鮮で見たプロパガンダポスターのデザインを抽象化したみたいなことですね?」とか言おうものなら色んな意味で面倒くさい感じになるから、ここは「へー」が正解だろう。
なお、PLタワー内部は2階までしか一般公開していない。
「本来の建立趣旨である世界の戦争犠牲者を慰霊し、世界平和を祈る人々の心を象徴するモニュメントとして運用することとし、展望階への昇塔はしない」という理由のようだが…
老朽化とメンテナンスコストの問題も全くないとは言えない気がする。
なにしろ昭和45年(1970年)に出来たタワーだから築54年で、なかなかの古さだ。
内部は写真撮影禁止だったので写真がないが、2階に神殿がある。
神殿とは言っても、特に絢爛豪華とか荘厳な雰囲気があるわけでもなく(雰囲気を演出している感はある)、まぁ想像の範囲内といったところか。
長方形の箱の観音扉がちょっとだけ開いていて、中まで見えなかったのだが、そこに向かって世界平和を祈願するというので「あの箱には何が入っているんですか?」と、横に張り付いているおじさんに聞いてみた。
「全世界の戦争で亡くなられた方の名簿がICチップに収められて入っています」だって。
いやいや、そんなのありえねーだろっ!!
とは思ったものの「へー」に次ぐ万能リアクション「ほー」を返した。
古今東西どれだけの戦争があり、どれだけの人が死んだか…そんな戦争で亡くなった人たちを名簿としてデータ化しICチップに入れた??もしそんなことが出来たらノーベル賞が霞むくらいすごい人類の偉業だわ。
絶対に不可能だけど。
そして、PLタワーを後にしようとするオレを強く引き留めたおじさんに促されるまま、来タワー記念のスタンプをゲット。
い、いらねー!!
とは正直思いました、はい。
大阪中心部から往復2時間もかけて富田林に行って分かったことを発表します。
富田林は訪日外国人観光客に人気の観光スポットではありません!!
観光客なんかひとりもいなかった!!
福島で有名なおでん屋『はなくじら』。
隣は英語を話すグループ、斜め向かいはフランス語を話すグループ、向いは中国語を話すカップルで…訪日外国人観光客は大阪中心部にうじゃうじゃいました。
誰も「トンダバヤシ!フォー!」などと富田林の話題すらしてませんでした。
どうやら訪日外国人観光客に富田林は全く人気がないようです。