あの国の黒人の人権問題

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アメリカで白人警官に押さえ込まれた黒人男性が死亡した抗議が全米に広がって一部は暴徒化しているというニュース…ではない話。

実は、黒人差別が外交問題にまで発展している国がある。

それは…残虐超人ラーメンマンの母国、中国である。

4月10日、在広州ナイジェリア領事館のラザック・ラワル領事が中国当局者に抗議している動画がネットにアップされると、その内容にナイジェリア国民の対中感情は悪化。

Nigeria Consular In Guangzhou, China, Stood Up For Nigerians Displaced By The Chinese Government

抗議の内容は、新型コロナの感染が疑われる場合は中国人なら14日間の隔離なのにナイジェリア人はそれ以上隔離されること、しかも隔離中はパスポートまで取り上げられる、というもの。ナイジェリアでは中国人もナイジェリア人と同じ扱いを受けているのに、と。

ナイジェリアの下院議長は、この件に対して中国大使に回答を求めている。

この動画だけが原因になったわけではないが、新型コロナの流行が中国における黒人に対する差別をエスカレートさせているとして、ナイジェリア以外のアフリカ諸国も憂慮を表明。

AU(アフリカ連合)議長は中国大使を召喚し「深刻な懸念」を表明。ガーナ政府は中国大使を召喚し「広州でアフリカ人が非人道的な扱いを受けている」と非難する声明を発表。ケニア政府は在ナイロビ中国大使館から「中国政府はアフリカ人の正当な権利と利益を確保するために直ちに行動を起こす」という回答を貰ったと発表。

このナイジェリア領事の抗議動画とほぼ同時期から、SNSで「新型コロナに関係して中国で非人道的扱いを受けるアフリカ人」とされる動画が出回っている。

理由は不明だが、自称在米中国人が4月22日に投稿した元ツイートは現在表示できなくなっている。

これは一例だが、こういった類いの動画がSNSで出回っている。

さて…

ここまでの情報を知って感じることは色々あるだろう。

普通で考えてみれば、中国はとんでもねぇ国だな!?となる。

まぁ、とんでもねぇ国であること自体は否定しないが、どうせならもう少し追加情報も知っておきたいところではある。

The ObserversというFrance 24系のサイトに「新型コロナに関係して中国で非人道的扱いを受けるアフリカ人」とされる動画のファクトチェック記事が載った。

 Debunked: Fake videos purport to show violence against Africans in China

出回っている動画をいくつか検証した結果、フェイク動画だったという記事。

まぁ、ここで言うところの“フェイク”の定義だが…動画自体は新型コロナの流行が起こる前からネット上に流布していたもので、一部に至ってはそもそも中国ですらなくニューヨークで撮影されたものだと。

何でリンチしているのか?何で乱闘しているのか?は不明だが「新型コロナとは全く関係がない」という意味でのフェイク認定。

逆パターンで「報復としてナイジェリアにある中国人経営の店が放火されたり、中国人がボコられた」としてネットで出回っている動画も、ナイジェリア人経営する店の火事だったり、その多くは新型コロナとは関係ないようだ。

というわけで、オレがリンクを貼った動画も「中国人と思わしき数人の男たちと黒人男性1人がカンフーをしている」のは見ての通りだが、果たして「新型コロナで中国人がアフリカ人を差別しているもの」なのかどうかは分からない。

そうかも知れないし、そうじゃないかも知れない。

実際のところは分からないが、事実としてはっきりしていることはネット上では「新型コロナで中国人がアフリカ人を差別しているもの」という前提で拡散しているということ。

さて、ナイジェリア領事が「アフリカ人差別だ!」と広州当局に抗議をする10日前の出来事を見てみよう。

中国各紙が報じているが、一例として新浪新聞のリンクがこちら。

 广州一外籍新冠肺炎患者咬伤女护士脸部 被立刑案调查

3月20日に中国入りしたナイジェリア国籍の男性(47)が検疫で新型コロナの陽性反応を示したため、広州市第八人民医院に隔離。4月1日、そのナイジェリア人男性は検査を拒み隔離病棟から逃走しようとしたため、看護師の汪さんが止めようとしたところ殴られて顔面を噛まれた。

このニュースが中国国内で大いに炎上したことにくわえ、「広州市三元里で1000人以上のアフリカ人の感染が確認された」というデマも流れて黒人に対する偏見や差別を増幅させた。

時系列でオレが推測するには…

新型コロナに感染したナイジェリア人が暴れて看護師に噛みついて病院から逃走 ⇒ この事件が影響して広州当局はナイジェリア人を通常よりも長く隔離し、逃走を防ぐためパスポートを取り上げた ⇒ ナイジェリア領事が「非人道的扱い」として抗議

オフィシャルな出来事としては(言い方は悪いが)正直この程度のもんだろう。

ただ、ここに元々お互いに抱いていたであろう差別意識が問題を大きくさせていってしまったかと。民間レベルでの話。

中国人からしたらナイジェリア人もカメルーン人も違いが分からず“黒人”で片付けるだろうから、「コロナに感染した黒人が看護師を殴って逃走」という事実が黒人に対する(漠然とした恐怖心を含んだ)忌避感を増幅させて、デマを拡散させたり「黒人は入店お断り」してみたりアパートから追い出してみたり黒人に対する差別が顕在化したと。

その結果、ナイジェリア領事が「広州でアフリカ人が非人道的扱いを受けている」と抗議したことがアフリカではフィーチャーされて、「中国でアフリカ黒人が差別されている」と(新型コロナ騒動前のものか後のものか問わず)アジア人が黒人をボコっている動画を見つけてきてはネットにアップ。それを見た人たちは「酷い…」と対中感情を悪化させる。ただ彼らも日本人だろうが韓国人だろうが違いが分からず“中国人”で片付けるだろうから対中感情=対アジアになると。

国までは分からなかったがアフリカのどこかのユーザーが、ツイッターで「中国でアフリカ黒人が差別されている」ネット記事のリンクを貼って「今こそ中国人をアフリカ大陸から追い出そう」って投稿していた。

相互不信の連鎖反応で話がどんどん大きくなって外交問題化。

中国は「アフリカとはずっと前から今も変わらず友達だよ!」アピール ←今ここ

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