非日常の日常化

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来る日も来る日も新型コロナのニュースばかりで“コロナうつ”になっちゃう人も出ているという今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

緊急事態を宣言するのにああだこうだ言ってる間に“緊急”の意味が半減したんじゃね?と思ってるわたくしめは、今も以前と変わらぬ精神衛生をキープしており、間違いなく世界史に残るであろう出来事の目撃者として日々ボーっと生きております。

まぁ、人によって色々な考え方があって、合う合わないもあるだろうから、何が正解というわけでもないんだけど、オレの脳内を披露してしまうと…

個人的には、やっぱりアフリカに一定期間いた影響が大きい。

一言でアフリカと言っても、北回帰線から赤道を越えて南回帰線までの間あたり。エジプトとかの北アフリカや、南アフリカ辺りはどれだけ長くいてもそれほど意識しないが、赤道近くをウロウロしていたら否が応にも学習するのだ。

ウイルスや寄生虫を甘くみてはいけない!と。

これ、基本中の基本。

ヒトヒト感染の有無の違いはあっても、共通して言えるのは「私は罹らない」とかいう謎の自信はホント無意味だから。

マラリア、黄熱、デング熱、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、ハエウジ症、アフリカ眠り病、住血吸虫症、エボラ出血熱やマールブルグ熱などのウイルス性出血熱。

パッと思い付く、アフリカで罹り得る感染症の数々。HIV感染症もしかり。

ただ、これら全てを完全に予防しようと思ったら日常生活なんか送っていられないわけ。

例を挙げると…

ハエウジ症とは、ウジが皮膚や粘膜から人間の体内に侵入して勝手に人の体を養分として食べて成長し、やがて巣立ってゆくリアル育成もの。ハエがぶつかってきた時に産み付けられたり、干してあった洗濯物にハエが卵を産み付けたことに気付かずに着たら、数時間後に孵化したウジが体内に無許可侵入してくる。

これの予防法は何か知ってる?

衣類、タオル、寝具などの洗濯物は室内干しとし、アイロンをかけてから使用する

もう現実的にムリなわけ。アイロンなんて…持ち歩いていないし、そもそも電気が1日おきにしか来ないところだってあるし。

住血吸虫症とは、淡水を遊泳している住血吸虫が人間の皮膚を突き破って体内に無許可侵入してくるやつ。人の血管を道路だと思っているのか?静脈を移動して股間あたりに棲みつくのが好きらしい。ビルハルツ住血吸虫とかマンソン住血吸虫とかいて、股間が好きなのはビルハルツ。マラウィ湖やヴィクトリア湖には両方いる。

これの予防法は何か知ってる?

みだりに屋外での水浴などしない。淡水に入るのが避けられない場合には、ゴム長靴、ゴム手袋などを着用する。

水浴びに“みだりに”とかあります? 汗でベトベトしてるから浴びるのは“みだり”ですか?

そんなわけで、地域ごとの危険性や(感染確率とか致死率などの)リスクと予防にかかる労力を何とな~くフワッと考えて取捨選択せざるを得ない。

だって「怖い怖い」言ってたら日常生活が送れないし、全ての感染症に対して完璧な予防を求め出したら際限がなくなって日常生活が送れないから。

オレは、ハエウジ症や住血吸虫症は捨てた。感染リスクと予防労力を考えた結果で、もし感染したら運が悪かったと割り切ることにした。まぁ、最悪感染しても体内に変な虫を飼うことにはなるが、そうそう死にはしないだろうと。

逆に、人類史上最恐の殺し屋マラリアと、発症したらほぼ100%死ぬ狂犬病はかなり意識していた。もしサバンナをぷらぷら歩いていて…ガウガウ言いながらライオンが徒党を組んで追いかけてきてガブッと噛まれる…きゃー、狂犬病に感染したらどうしよう!!って話…ではなく、野良犬が怖い。

当然ながら、感染予防はする。

狂犬病対策としては…野良犬を見かけたら、襲われた時のために硬くて長い棒状の武器が落ちていないか探す、とか。群れでいるのを見かけたら遠回りして避ける、とか。

マラリア予防は黄熱やデング熱の予防にもなるから一石三鳥で、ずばり蚊に刺されないことである。蚊に刺されなければいいとは簡単に言っても、相手は蚊である。

虫系はどんなに気をつけていてもどうしようもない時がある。蚊に加えてツェツェバエという吸血ハエにも気をつけていたが、群れに襲われると成す術なし! ツェツェバエはアフリカ眠り病という感染症を媒介するのだが、“眠り病”というメルヘンチックな名前の割に治療しないとほぼ100%死ぬというメルヘンの欠片もない病気をくれる。ワクチンもないので、予防はツェツェバエに刺されないことだけ。

幸い、あんなに刺されまくったのに未だに死んでないところをみると眠り病には感染していなかったようである。

新型コロナだって、感染しないに越したことはない。

でも「怖い怖い」言って“絶対に”感染しないことを追求し出すと、お湯を良いと言われたらお湯を飲んでみたり、納豆が良いと言われたら納豆を大量購入したり、牛尿が良いと言われたら牛尿を飲んでみたり、「新型コロナこそ人間の所業に対して神が与えた罰じゃ!」と変な宗教に入信したりと、人はとにかく冷静さを失うもの。

“絶対”はない以上(自分の健康状態なり家族構成なり人によって基準は色々あるだろうけど)どこか自分の中でぎり『日常』活動と認められるところで予防の線引きをしないとストレスになるだけ。手に触れるものは全て除菌してから…とか、『日常』として苦も無く出来る人は全然やればいいだろうけど、オレ個人としては非日常に分類されるからやらない。

正しく恐れるべきだが、数週間の短期戦だったらまだしも持久戦が確実視されている中ではどこかで線引きするのも疲れないために大事なこと…というのが感染症リスクが日常に潜在するアフリカで得たオレなりの教訓か。

だって、新型コロナウイルスを本気で防ごうと思ったら本当はこれくらいの装備しなきゃダメでしょ?

それがムリだろうから「家にいろ」って話になってるんだろうけど。

もちろん、自分の置かれている環境によって線引きの基準は判断すべきで、どんなに労力を払ってでもハイレベルな予防をしなければならないこともあるだろうし、一概に「ここで線引きするのが正解」というのはないんだろうけど。

まぁ、いずれにしても長期戦になると思っておいた方がいい。

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