今、日本人が最も興味のある国ランキングで第1位に選ばれたジンバブエ。
『黒いヒットラー』を自称する独裁者ムガベが長期にわたって権力を握る、大人気の国ですね。
人気を裏付けるように、失敗国家ランキングでは毎年上位にランクインされています。
ぶっちぎりで毎年1位に輝くのは、あのハネムーンのメッカと呼ばれるソマリアですが、ジンバブエも2009年の2位からは順位を落としているものの、今年も世界6位と上位の常連。
そんなジンバブエの『黒いヒットラー』ことムガベは今、中国を公式訪問中です。
ムガベは訪問に先立ち、中国へゾウを3頭プレゼントしたそうです。
さらにムガベは、自分を倒したがっている“西洋諸国”から中国が守ってくれていることに対して感謝の意を表明しました。
「イギリス、ヨーロッパおよびアメリカの帝国主義国家たちは、我が国をひそかに害し続けている。しかし、中国が我々の主権を守るために取ってきた姿勢に感謝している」
それに対して、周鉄農・全人代常務委員会副委員長はジンバブエを『中国の信頼できる友人』を呼び・・・
「中国人民はいつもジンバブエのそばにいる」
と、仲の良さをアピール。
自国民の反対勢力を弾圧するジンバブエには、ヨーロッパとアメリカが武器輸出禁止を課していますが、中国政府はムガベ政権に武器を供給し続けています。
2004年には、中国は139台の軍用車両と24台の戦闘機をジンバブエに売りました。
2008年には、2,500発の迫撃砲弾、1,500発の対戦車ロケット弾を積載した中国のコンテナ船『安岳江』号が、南アフリカのダーバンに寄港して積荷を降ろそうとしましたが、南アフリカの労働組合が拒否。
さらに、南アフリカの運輸労働組合は「港で積荷を降ろせたとしても陸路輸送を妨害する」と表明。
その上、ドイツ開発銀行が「ジンバブエ政府から未払いになっている負債の担保として貨物船に積載されている武器を差し押さえる」と発表したため、『安岳江』号は南アフリカを諦めてアンゴラに向かうもアンゴラ政府に入港を拒否されちゃいました。
その後、『安岳江』号は船舶自動識別装置のスイッチを切って姿を消します。
海事情報会社などが船舶追跡をするものの、行方不明に。
コンゴで陸揚げされた後にジンバブエに空輸されたという話もありますが、実はアンゴラで陸揚げされてジンバブエに空輸されたという話もあり、結果的に武器はジンバブエに運ばれました。
今年の4月には、AK-47の弾薬と、迫撃砲の砲弾、ロケット弾が中国からジンバブエに向けて発送されましたが、荷揚げをしようとしたモザンビークの港湾労働組合により阻止されました。
この時は、元ジンバブエ駐中国大使の息子が所有するアバシス・エンタープライズという会社が絡んでいたようです。
過去に何度も失敗した教訓を踏まえて、中国とジンバブエも輸送方法を変えているみたいです。
最近、中国から発送された2万丁のAK-47と、12~15台の軍用トラック、2万1千個の手錠が第1便としてジンバブエに到着したそうです。
来年の選挙に向けての、弾圧用の武器と思われます。
第2便は今年中に予定されていると言われています。
どんなルートで内陸国のジンバブエまで運ぶのか? 物流ルートには色々と細工が必要みたいです。
ちなみに去年、南アフリカ海軍が領海を航行中の北朝鮮の貨物船を臨検したところ、中央アフリカ共和国向けの武器を見つけて押収しています。
海に面していない内陸の悪の枢軸国は、武器の輸送が悩みみたいです。
ちなみに失敗国家のジンバブエが、どうやって武器の代金を払うか?というと・・・
ジンバブエが中国と締結した取引は、武器の代金をダイヤモンドで支払うというもの。
しかも、20年ローンです。