池之沢内を散策してみました。
『池之沢』という名前の通り、かつては大池と小池という2つの淡水池があったらしい。
大噴火の時に噴出した土砂で池は埋まってなくなり、今は青ヶ島自体に池も川もなし。
村営キャンプ場
丸山のふもとに村営キャンプ場があります。
日本では絶滅危惧種になっている南方系のシダ植物オオタニワタリがキャンプ場内にチラホラと自生してます。
無料だけど、村役場に電話しての事前予約必須。
案内板をみると全9サイトあるみたい。
簡単な炊事場と、トイレがある。
今回ちょっと迷ったんだけど、飛行機&ヘリという交通手段を考えるとキャンプは厳しいかな?と諦めました。
まずガスボンベが持って行けないし、ヘリの荷物制限(5kg/人)を考えるとキャンプ用具一式を持ってはきつい。
あと・・・歩けない距離ではないんだけど、あの起伏の激しい道をキャンプ道具を持ってヘリポートからキャンプ場まで歩くのは、オレは絶対いや。村のルールで、レンタカーはキャンプ場宿泊者は借りれないし。
船旅をしていて、自分の足を持っていて、装備も揃っているライダーとかチャリダーならいいと思うけど、それ以外の観光客には厳しいんじゃないかな?キャンプ。
村には食堂が1軒もないので、キャンプの場合は食事をすべて自炊する必要があるのもハードル高い。
キャンプ場から歩いて数分のところに、地熱釜(利用無料)と、ふれあいサウナ(観光客300円)があります。
最初の写真で、丸山の斜面でハゲて土が見えてるとこら辺。
図書館から借りた『青ヶ島の生活と文化』(1984)に詳しく書いてあった。
中央火口丘丸山の西側斜面は、草地が広域にわたってほぼ枯死状態にある。この中にあって、噴気孔からかすかに白色噴気を上げている地帯が、約50m×60m四方に広がる。噴気音や噴出圧の体感はなく、臭気も感じられない。この地帯での10地点での測温によると、最高噴気温度は96℃でほぼ水の沸点に近く、北川式ガス検知管法によるガス成分は、炭酸ガスが0.8%で、硫化水素と亜硫酸ガスは検知されない。
青ヶ島は有毒ガスが出ていないので安心です。
場所によってはガスマスクが必要なくらい高濃度の硫化水素が噴出しているダナキル砂漠では絶対に楽しめないけど、青ヶ島では有効活用可能。
ダナキル砂漠に『ふれあいサウナ』をつくっても、それってただのナチのガス室になっちゃいますからね。
地熱釜
青ヶ島の地熱釜は、特に水蒸気の温度が高いところに設置してあるそう。
釜のフタを開けて、食材を放り込み、下のバルブを開けると高温の水蒸気(無色)が噴出します。
宿のおばちゃんに「はい、これお昼ご飯!!」って渡された食材。
あまりに起伏の激しい島の道に心が折れかかってたんだけど、お昼が『ただの食材』だから何がなんでも地熱釜に来ないとお昼ご飯が食べられないということに気が付いて必死に集落からここまで歩いてきました。
芋は20分、それ以外は10分ほどで蒸されて食べられるようになります。
「お?出来たかな?」
と、釜に手をツッコんで「熱っつ!!」となったのはオレです。
必ず下のバルブを閉じてから食材を取り出しましょう。
すぐ近くに大きな東屋があるので、そこでピクニックできちゃいます。
ふれあいサウナ
地熱釜の隣にあるのが『ふれあいサウナ』。
これで温泉があったら最高なのに・・・あくまで天然サウナです。
平日は16時~20時、土日祝は14時~20時という、観光客的には微妙に使いづらい時間帯にオープン。
入り口で300円を払うと、バスタオルを貸してくれます。
誰もおらず貸し切りだったので中の写真を撮ってみました。
脱衣所の時点でちょっとしたサウナ化しており、地熱パワーの凄さを感じられます。
まあ、再び青ヶ島が噴火するとしたら今いるこの場所の真下で爆発するんでしょうからね。
脱衣所の奥は休憩室で、ここはエアコンが効いています。
サウナは奥の扉の先なんだけど、写真ムリ。
熱さでスマホが壊れる。
その日の地熱次第でサウナの温度も日々違うらしいですけど、オレが行った時は地熱が元気で・・・
すんげー熱いのっ!!
サウナ内に時計もないし、温度計もないから分からないけど、「これ・・・死ぬかも・・・」って思ったくらい。
サウナを出て浴槽で体を冷やそうと思ったら、50℃くらいはある熱湯で、足入れた瞬間「あぁっつ!!」とのけぞっちゃいましたよ。
水風呂じゃねーのかよ!!
シャワーを冷水にして、浴槽に突っ込んでしまった足を冷やしつつ全身も冷やし、計3回サウナに挑みましたが・・・
この熱さ・・・逆に体に悪いんじゃね?
とすら思えてきて、戦線離脱。
サウナもいいんだけど、温泉がないのがホント残念・・・
温泉、あるにはあるらしいんだけど海中温泉だって。
海岸にすら近づけないのに、海中とかムリじゃん。
『青ヶ島の生活と文化』(1984)によると、青ヶ島の地質的にそもそも地下水が少ないぽい。
なお南東側のカルデラ壁に大橋水源と称する島内唯一の地下水源がある。岸壁から滴下する水滴を集水する程度のもので量的にはごくわずかである。
温泉は八丈島で入るしかないようで。