規制について。
例えば…そもそも土地売買の概念が存在しない(名目上は)社会主義国・中国。
売買しているのは“使用権”で、土地そのものではない。
中国人を含む誰も中国で土地を買えない。でも、中国人は日本で土地が買える。
これは中国だけじゃなくベトナムやキューバも同じ。
例えば…タイのペートーンターン・シナワット前首相は、北海道に評価額約5500万円の土地を所有している。
一方、日本人を含む外国人はタイで土地を買えない。でも、タイ人は日本で土地が買える。
相互主義の観点から不公平感を抱くのは…まぁ、普通じゃね?とは思う。
不公平“感”っていうか、実際に不公平だから。
よくある話が、外国人のおじさん or おじいちゃんがタイの若い女に「好き!」って言われて、その気になっちゃって、「私たちの家を建てましょ?」ってそそのかされて、女の田舎に土地を買って家を建てるやつ。
「お母さんが病気になって手術代が必要」の次に聞くベタなやつ。この場合のお母さんは、もはや人造人間なんじゃないか?ってくらい年中手術してる。
当然、外国人名義ではできないから、女の名義でやる。
土地買って家建てたら、「さようなら」と捨てられる。
土地買って家建てたら、女に彼氏がいた!とか、結婚してた!みたいなパターンも。
こんな話、もはや“あるある”化してて、「割とよく聞くベタな話」でしかないから聞いてもプププとしか思わない。
安いもんよ。何回かやらせて「好き!」って言っておけば、おじさんは自分の身の程も知らずに「マジで~?!オレも好きっ!」とその気になって家建ててくれたりするんだから。
もちろん日本人だけじゃなく、外国人であればこの手の財産トラブルは起こり得る。
あと、タイだけじゃなく、外国人が土地を所有できないインドネシアやフィリピン(憲法ベースで禁止)でも起こり得る。バリとか男女が逆になるだけで、同じことが起こりがち。
もちろん最初からとは限らず、最初はお互いに普通に付き合ってたけど関係が破綻した後で財産トラブルになるパターンもあるけど。
これの典型的なやつで、稀な殺人事件に発展したケースをひとつ。
イアン・ビーストン殺害事件。イギリス人のビーストン(69)は退職金から約4500万円を投じてド田舎ローイエット県に豪奢な家を建設。ただし外国人は土地を直接所有できないため、妻名義に置いていたところ、妻が家を勝手に売却。家を追われ関係が決裂したのち、妻とその愛人に殺害された。「家を追われ関係が決裂」まではよくある。
ジジ専プロの女に理由を聞いたことある。
答えは「若い男は性欲強くて元気だから、ワタシ疲れる。ジジイは元気ないから楽。あと、ほっといても早めに死ぬ」だった。絶倫のジジイとか、“ジジイであることの長所”を自ら消してて一番意味が分からんらしい。
なお、殺害されたビーストンが妻と出会った場所は、パタヤのゴーゴーバーだそうだ。
相互主義の観点から、日本でも財産を巡る男女間のトラブル、見たいよねっ!!
土地に外国人規制かけて、「好き~っ!」つって、「土地買って一緒に住む家建てましょ♡」つって買わせて、買ったら別れる。
名義はこっちのもんだからなっ!!
泥沼の法廷闘争、見たいよねっ!!
ただ、相互主義を言い出すのであれば、そんなのは昔から不公平だったでしょ?って話。
“制度”としては、昔も今も変わらず不公平。
だけど、昔は気にならなかったのに、なぜか最近になって気になっちゃう。
要は、金を持っている国の人間が、「安っ!」と“途上国”の土地を好き放題に買えちゃう…先進国と比べて相対的に貧しい国は、自由化すると外国資本に負けるから自国保護のために規制がある。
その経済格差の中で、かつては“買う側”だった日本人が、いつの間にか“買われる側”に落ちた。規制をかけられる側だったのが、いつの間にか「規制をかけないと!」と思う側に落ちた。
間接的に経済大国の凋落を思い知らされるから、気になっちゃうんじゃね?
インドネシアは、あと20~30年したらGDPで日本を抜くぞ。
ずっと、自分たちより“遅れている”格下だと思っていたのに、いつの間にか自分たちを上回ろうとする勢いを見て抱く複雑な感情の裏返し…みたいな。
1980年代のアメリカのジャパンバッシングに近しい感情が“根底”にあったりして。
ジャップのくせに、アメリカの象徴であるロックフェラー・センター(三菱地所)を、コロンビア映画(ソニー)を買収しやがった! 表向きは日本は閉鎖的市場で不公平だという“制度”的な話になってるけど、世論の感情的な話としては「ジャップのくせに」ってところが大きく、かつ“買われるアメリカ”という不安を可視化する象徴的買収だった。
これ、“象徴的存在”としての東京タワーが仮に中国資本傘下に入ってみ?同じ反応が見れると思う。
個人的には、外国人の土地取得に一定の規制を設けること自体には賛成だけど…
規制したところで、それがどれだけ実効力があるか?となると大いに疑問。
抜け道なんていくらでもあるだろうから。
法人を設立して、法人名義で取得すればいい。
そうなったら、某国みたいに外資規制を強めればいい!みたいな話になりそうだが、
次はそっちの規制をしたところで…って話。
某国の地場法人を例にすると、現地人株主比率が51%以上ないといけない。
つまり、外国人比率は49%までだから過半数を取れない。
この外国人比率の規制は、外国人側からすると会社を乗っ取られるリスクがある。
ちなみに…フィリピンだと、自国資本比率は最低60%必要。
でも、これもやりようがあって…
極論だけど。現地人株主を1%ずつ51人の名義にして、自分1人で49%の筆頭株主になれば、現地人株主が51人全員で結託しない限り乗っ取られることはない。
極論だけど! 仮に現地人株主を51人で登録するとして、そのうち2人を名義貸しで“株主”として登録して、かつ権利放棄&譲渡の一筆を事前に書かせておけば、何かあっても自分の49%+名義貸しの2人(2%)=51%で、過半数は死守できる。
極論だからね! 外国人は51%持てないけど、抜け道を作ろうと思えば作れないこともないって話で、実質支配権で判断されたり、名義株主の摘発がされるようになるとまた別の方法を取らないといけなくなる。
ただ、何かしらの対策はしておかないと(外国人側からすると)乗っ取られるリスクは常に存在してしまう。
要は、日本も規制を強めたところで、法人で買えばいいじゃんとか、色々と抜け道はあるだろうから実効力としては大いに疑問ってこと。
外国人にとっては多少買うのに面倒くさくなるって話で、面倒くさくさせるのがひとつの抑止力(コスト増)という見方もできるけど。
抜け穴という点で言えば…
アフリカのホームタウン計画で日本が沸いていた、あの頃。
とあるインフルエンサーがモザンビークのHIV感染率を持ち出して、「こんな高い感染率の国から連れて来ようとするなんて!」とSNSでつぶやいていた。
怖いよね~!なんとなく不安になっちゃうよね~!
オレがバンコクで南アフリカのノンイミグラントビザを取得した時、必要書類のひとつにHIVに感染していないことを証明する書類があった。あとは、3年以上住んだことがある国それぞれの無犯罪証明書と、保証金(30万円くらいだったかな?)まで取りやがって。
もし日本の南ア大使館で取得してたら絶対に必要がない書類のはず。在タイ南ア大使館だったから、タイ国籍保持者と同じ審査だったせいでこの書類が必要だった。
これ、実はけっこう問題で、HIV陰性者であることの証明を要求するって人権侵害だから。
普通に出したけど。
“大人のマナー”として自発的に毎年検査してたから、「今年分の検査になってちょうどよかった」くらいの感覚で、人権は気にしてなかった。
人権侵害だし、科学的にHIV陽性者の渡航制限に効果があるとは言えないんだけど、不安な人にとってそんなことは関係ない。
だから、オレが提出させられたHIV陰性証明みたいなことをやりますよ!と言えば、そのインフルエンサーも安心したりする。
ただ安心したいだけで、人権とか科学的にどうかとかどうでもいいのよ。
在タイ南ア大使館みたいに露骨に“HIV陰性証明書”としてやると、日本だと間違いなく人権問題で騒がれるから、定型のMedical Reportの提出をビザ申請時に必須にして、その中の血液検査の項目にシレッとHIVも混ぜ込んでおくとか?
ほ~ら、こうするだけであら不思議!安心しちゃう!!
あぁ、ちゃんとスクリーニングしてくれてるから陽性者は日本に来ないんだって。
でも…インフルエンサーはそんな“形式的運用”で安心してくれるかもしれないけど、オレなら「意味あるかな?」って思っちゃうかも。
だって、病院に行って金渡して適当に書いてもらえばいいじゃん!
もし陽性でも、陰性にしてもらえばいいじゃん!
どこの病院でもやってくれるわけじゃないが、やってくれる医者はいる。タイには確実にいるし、モザンビークは知らんが…いないわけがない!
つまり、ビザ申請の時にHIV感染有無のスクリーニングをしてますよ!というアピールはある程度の安心感を与えるが、「そんなMedical Reportなんていくらでも捏造できるじゃん」と思っている人にとってはあまり意味がないことにしか映らない。
もしオレがやるとしたら…まず、病院を指定するかな? そのうえでMedical Reportにナンバリングして、後日病院と診断者の名前とナンバーで紐づけ確認。病院のハンコなんて偽造の可能性もあるから、実際にその病院で健康診断したかは提出書類だけではわからん。
安心のための規制・制度と、それに意味(実効力)があるかは、また別の話。
実は意味がなくても、なぜか安心できちゃう、政治的パフォーマンス向きなラインはある。

