元日からこんなニュースが出てくるとは。
ついに未承認国家ソマリランド共和国を承認する国が現れたかっ!?
ソマリランドをほぼほぼ国として認めている台湾がいるじゃないか?という話もあるけど、その台湾自体がほぼ未承認国家みたいなもんだから…ごにょごにょ
はじめてソマリランドを国家として承認する国連加盟国になろうとしているのが…
エチオピアだ。
1月1日に、エチオピアと自称国家ソマリランドが了解覚書(MoU)に調印。
エリトリアがエチオピアから独立したことで内陸国になってしまったエチオピアの悲願である『海へのアクセス権』をソマリランドが与えると。
Prime Minister @AbiyAhmedAli and the President of Somaliland Muse Bihe Abdi have signed a historic Memorandum of Understanding in Addis Ababa.#PMOEthiopia pic.twitter.com/6lPlCoepGr
— Office of the Prime Minister – Ethiopia (@PMEthiopia) January 1, 2024
港湾の利用に加えて、ソマリランドの海岸線の一部を50年租借して“エチオピア海軍”の基地にさせてもらう代わりに、エチオピアはソマリランドを国家として承認して、国営エチオピア航空の株式をソマリランド政府にあげるという話。
法的拘束力のないMoUなので、実際にエチオピアがソマリランドを国家承認するかどうかは確定ではないものの…かなりの波紋を広げているようだ。
当然のことながら、ソマリアがめちゃくちゃ怒ってる。
「エチオピアを激しく非難する」ソマリア側の投稿。
We vehemently condemn and strongly reject the outrageous actions of the Ethiopian FG in signing an unauthroized Memorandum of Understanding with Somaliland (the Northern Regions of Somalia) on January 1, 2024, in Addis Ababa. pic.twitter.com/84ngjhxvK9
— Permanent Secretary Office for Foreign Affairs🇸🇴 (@PSMOFA) January 3, 2024
ソマリア政府はエチオピアによる「侵略行為」と「露骨な攻撃」に抗議して在エチオピアのソマリア大使を召還。
対抗してエチオピアも在ソマリアのエチオピア大使を召還している。
ソマリアの首都モガディシュでは数万人規模の抗議デモが起こっているようだ。
一応は国際的にも(名目上は)ソマリアの領土なのに勝手に50年租借して海軍基地を造ります!とか言われてソマリアが怒らないわけがない。
ただ単純にソマリア政府の実効支配が及んでいない、勝手に“ソマリランド共和国”を名乗ってる地域と調印したってだけだから。
どう考えてもエチオピアによるソマリアの主権侵害でしかないので、エチオピアとしてはソマリランドを国家承認してしまってエチオピアと主権国家ソマリランドとの協定という形にして“合法化”するしかないだろうと。
「エチオピア政府とソマリランドの間の違法な覚書を無効にする法律に署名した」とツイートするソマリアのハッサン・シェイク・モハマド大統領。
This evening,I signed the law nullifying the illegal MoU between the Gov’t of Ethiopia & Somaliland. With the support of our lawmakers & our people, this law is an illustration of our commitment to safeguard our unity, sovereignty & territorial integrity as per international law. pic.twitter.com/UajOPm2qVB
— Hassan Sheikh Mohamud (@HassanSMohamud) January 6, 2024
アメリカ、イギリス、トルコ、エジプト、カタール、EU、イスラム協力機構、アラブ連盟もエチオピアに「ソマリアの主権と領土保全を尊重するよう」を要請している。
エチオピアとソマリアの戦争になってもおかしくはない状況だけど、全面戦争にまで発展する可能性は低いんじゃないか?という話。
ティグレ戦争でその弱さをまざまざと露呈させたエチオピア軍だけど、それでもソマリア軍とは規模が違い過ぎるからソマリアが勝てる見込みなし。
逆に、アフリカ連合のソマリア平和維持部隊からエチオピアが兵を引き揚げたら、ソマリアは今以上に不安定化するかも。
専門家によると、エチオピアのアビィ首相が国内での人気回復のために禁断のソマリランドに手を出したんじゃないか?と。
2年にわたったティグレ州での戦争、その後のオロモ州や今も続くアムハラ州での武力衝突と…ノーベル平和賞を受賞した後に覚醒したかのように武力を使って“中央集権化”を進めるアビィ首相。
エチオピア国内での不人気を一発逆転させるために、エチオピア国民悲願の『海へのアクセス』を実現させて、国内人気を爆上げさせようという魂胆じゃねーか?という話。
Abiy Ahmed’s imperial ambitions are bad news for Africa, and the worldアルジャジーラのコラム記事『アビィ・アハメドの帝国的野心はアフリカと世界にとって悪いニュース』を見ると「7月の投資家との会合でアビィは、エチオピアは「平和的手段による港湾の確保」を望んでいるが、その計画が失敗した場合は「武力行使」も辞さない、と公然と明確に発言していた」。
「そして、かなりショッキングなことに、エリトリア、ジブチ、ソマリア、エチオピアの4カ国が合併して、海に十分にアクセスできる「非常に大きな」1つの国になる可能性がある、と彼はつぶやいた。そのようなシナリオでは、この新しい巨大なアフリカ国家は、世界の舞台で「もうひとつのロシア、もうひとつの中国、もうひとつのアメリカ」になると彼は主張した」
ロシアに刺激されて大エチオピア帝国を夢見はじめちゃったのかな?アビィ首相。