第2弾はないかもしれない…とか言いながら、なんと連続の『世界の料理巡り』である!
本来“趣味”って年に一度とかのペースでやるもんじゃないしね。
それに…自分でも気付いていなかったが、実は「グルメ王におれはなるっ!」という秘めたる野望があったのかもしれん。
そして、ゆくゆくは六本木ヒルズの多目的トイレで不倫がしたいのかも。
最終的には不倫相手に「1回3分〜5分」の時短砲だったことを週刊誌にチクられて、そのまま芸能活動を自粛したいんだ、オレはきっと!
あの芸能界のグルメ王は、飲食店を苦しめる時短要請に対する痛烈な皮肉として自ら射精を時短させたんじゃないか?という説もあるが、オレもそんな漢気をみせたいものである。
ただ、オレなら記者会見で「多目的トレイの不適切利用などと言われておりますが、私が1回当たりに占有していたのはカップ麺の待ち時間と同じたったの3~5分。小よりは長いが、大よりは占有時間が短いであろうことを考えると、私のチョンリマな射精スピードは偉大なる首領様が示された速度戦の革命的原則を貫徹した結果であり、そんな私を英雄として褒め称えるどころか非難するとは…この、米帝侵略軍の手先になった日本軍国主義の亡霊どもめがっ!」と逆ギレして、日本社会から村八分にされたうえに北の某国からも毛嫌いされたい。
そんな近々自粛から復帰するらしい速度戦の革命戦士 a.k.a 芸能界のグルメ王の軌跡を猛追するオレが今回選んだのはエジプト料理である。
コシャリ
エジプト料理というか…
ピンポイントでコシャリ(كشرى)である。
知らない人のために簡単に説明しておくと、そもそもは労働者向けに屋台で提供しているようなジャンクフードだったらしいが、今やレストランでも普通に出されていたり、専門店もあるエジプト人のソウルフードだ。
Dina Said, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
こんな写真のようなコシャリなんて見たこともないけどな…
コシャリのくせに“映え”を意識して盛るとこんな感じになるんだろか?
オレが知っているコシャリは以下の写真3枚のようなやつで、映えないことこの上なし。
Diego Delso, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
Furibond, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons
Roland Unger, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
見た目はちょっとずつ違うが、全部コシャリだ。
中身は何か?というと、米、マカロニ、スパゲッティ、ヒヨコ豆、レンズ豆と…ようするにただの炭水化物お化けである。
この炭水化物お化けに、トマトビネガーソースをぶっかけて、カリカリに揚げたタマネギ片をふりかけて、あとはグッチャグチャにコシャって(かき混ぜて)喰らうだけ。
「オレが料理の写真なんか撮ってるわけがない」と、散々他人のコシャリ写真を借りてきた後に念のため確認してみたら、自分でもたった1枚だけどカイロで撮っていた。
マカロニ多めとか炭水化物の種類の配合が違うだけで、手前も奥もコシャリだ。
エジプトにいた2カ月弱、何度コシャリを食べたか?なんて数えていないが…
今となってはコシャリの味が恋しくなったりしないか?と聞かれれば全然恋しくないし、懐かしいか?と聞かれれば全然懐かしくないし、久しぶりに食べてみたくならないか?と聞かれれば全然ならない。
なのに、食べに行った。
理由は単純明快だ。ただただ、六本木ヒルズの多目的トレイを舞台に名を馳せたあの速度戦の革命戦士に追いつき、追い越すためだ。食に興味はないがグルメ・ブロガーになり、やがてグルメ王になり、最後はトイレで不倫する。
コシャリ専門店『コーピー』
そのためのステップとして向かったのが、東京・錦糸町の南口にある日本初のコシャリ専門店『コーピー』である。
ラブホが乱立してるところのちょい手前の、錦糸堀公園脇の若干怪しげな雑居ビルが固まってる辺り、ようするに花壇街の中を進んで行くと…
とあるビルの2階に店はある。
店の通りを挟んで斜め向かいに『東欧美人娘と夜の国際交流』などという気になる文句とスラヴ美女の写真が載った看板が掲げられたお店があって、そちらに吸い寄せられてしまうと見落としてしまうので要注意だ。
吸い寄せられそうになった時は、昔のことを思い出せばいい。
若かりし頃に東欧美人娘と夜の国際交流をした時、全裸でベッドに寝転がった女が股をガバッと広げながら両手でオレを手招きして放った一言。
「カモンっ!」
いや…こんなの、伝説の異種格闘技戦モハメド・アリ対アントニオ猪木の試合じゃん!と思っちゃって… アントニオ猪木と対峙しているモハメド・アリじゃん、オレ!と思っちゃって…
対戦相手がもはやアントニオ猪木に見えてきて普通にドン引きして、一発もキックをもらっていないのに負けたあの夜の異種格闘技戦のことを思い出せばいい。
敗者として後ろを振り返ればコシャリ専門店コーピーがある。
店内はこんな感じ。
コシャリ専門店というだけあって、メニューには様々な独自アレンジのコシャリが。
アボカドサワーコシャリ…カルボナーラコシャリ…温玉炙りチーズコシャリ…
色々あるが、オレは迷いなく普通のコシャリを頼んだ。
独自アレンジも大いにけっこうだが、寿司を食いに行ってカリフォルニアロールを頼むみたいなもんだろ?!
まずは基本を押さえておかないと。
これでお値段500円(税別)。
ちなみに、エジプトでは昔は3~5エジポンだったが、今は物価も上がって15エジポンくらいらしいが、それでも約100円で食べられるファストフード。
感想
久しぶりのコシャリを前に懐かしさがこみ上げてきた、とか一切なし。
ただ、コシャリにかかっているソースから漂ってくるクミンの香りには、エジプトをというより(エジプトも含む)アラブを感じてしまった。
完全に味を忘れ去っているので、実際に食べてみても「あれ?コシャリってこんなだっけ?」と懐かしさゼロ。
ただ、そもそもが炭水化物お化けにトマトビネガーソースをぶっかけてるだけのシンプルな料理なので、何が本物の味で何が偽物の味かなんて基準は無きに等しい。
なんとなく、錦糸町コシャリの場合は炭水化物お化けの中で米の割合が高い気がするが、個人的にはマカロニとかヒヨコ豆とか米以外の割合が高くてもいいかな? まぁ、コシャリなんて炭水化物の種類の配合もお店の味だから、もはや好みの世界になってしまうけど。
単純に美味しいか?マズいか?で言うと…
マカロニとかスパゲッティも入っている炭水化物お化けにトマトソースをかけているわけだから、マズいってことはない。トマトソースパスタだってやってることは一緒だろ。
じゃあ美味しいのか?と聞かれると、う~ん…美味しいとまでは言えない。
なぜだ?…なぜマズくもないのに美味しくもないんだ? 速度戦の革命戦士くらいともなれば説明できるのだろうが、オレには理由が分からん。こんな程度ではとてもではないが多目的トレイで不倫できるレベルに達していないが、所詮オレの今の実力なんてこんなもんである。
コシャリはシンプルなだけに逆に奥深い料理らしいが、奥深過ぎて美味しいか?マズいか?すら分からず混乱してしまう。そういうことにしておこう。
当然のことながら日本人にもコシャリを絶賛する人もいれば、マズいという人もいて評価が分かれる食べ物である。
オレの場合は、目の前に「はい、どうぞ」と出されたら嫌がらず食べる。
わざわざ買いに出向いて食べるか?と聞かれれば、もういい。
エジプト人のソウルフードかもしれんが、オレはエジプト人ではない。