カラカルパクスタン野外レイヴ

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ウズベキスタンにあるカラカルパクスタン共和国。

首都ヌクスからバスで4時間ほどのところにモイナック(ムイナク)という田舎町がある。

昔は漁師町として栄えていたらしいが、その面影すら感じないほど寂れて何もない町。

衰退した理由は単純明快で、海がなくなったから。

かつて世界で4番目に大きな内海だったアラル海が、ソ連の自然改造計画のせいで干上がって砂漠化。

おかげで漁師町モイナックは、ただの砂漠の田舎町になった。

メインストリートを見ただけで楽しそうな雰囲気の町である。

見どころと呼んでいいのか分からないが、唯一と言っていいくらいの見どころが…

かつての海岸線に建てられた全然大したことないモニュメント。

20年くらい前までは『船の墓場』として、砂漠化した土地に取り残されて朽ち果てた船たちが転がっている風景が見どころでもあったようだが、鉄くず業者がほとんど持って行ってしまって船が全然ない。

オレが行った時は3隻しか残っていなかった。

あとはこの景色(海底)を見て「かつてはここがアラル海だったんだ…」と、環境破壊に思いを馳せるか、1分もせずに飽きちゃうかの二択。

オレは後者。

モイナックなんて衰退の一途を辿るだけだと思ってたんだけど…

まさかこんなことをやっているとは!!

2018年からスチヒーヤ(стихия)という名前の野外レイヴをモイナックで開催していて、2019年には1万人を集めたらしい!

モイナックが町おこしでレイヴとは…個人的には違和感がすごいが、逆に「何もない」モイナックだからこそ野外レイヴ開催には最適という見方も出来る。

動画を見て気付いたのだが、モニュメントがキレイになっているのと、廃船が増えてる&きちんと並べられてる!

どこかから廃船を持って来たな…

「2018年から」というのが面白いところで、独裁者カリモフが死んだから実現した話なのかもしれん。

まだカリモフが生きていた2012年頃に「ウズベキスタンの国家的価値観を守るために邪悪な外国文化を排除」しようと、バレンタインデー、サンタクロース、ラップミュージックを禁止。「若者の道徳的健康を害する」恐れがあるとして外国製おもちゃを規制。

2月14日はバレンタインデーなんか祝わず、インドの大部分を支配したムガル帝国の始祖バーブル(今のウズベキスタン生まれ)の誕生日を祝えと指示。バレンタインデーは、カード(日本で言うところのチョコ)を沢山もらえなかった人を自殺に追いやるような邪悪なイデオロギーだから、と。

そんなカリモフ政権下で“邪悪な”レイヴが許可されたはずがない。

このスチヒーヤ音楽フェスの主催者は、オタベック・スレイマノフというウズベキスタンの弁護士DJ。

カリモフの跡を継いだミルズィヤエフ政権に申請を出したところ「許可はするが金は一切出さん」ということで、自らスポンサー探しに奔走。

現在、イベントの最大スポンサーはインドラマ社というタイの会社。

PET樹脂製造の世界最大手で、社名から分かる通り社長はインド系タイ人(個人資産322億円のビリオネア)。

去年の出演アーティストをみると、テュルク系&旧ソ連繋がりの印象。まぁ、カラカルパクスタンで開催するわけだから当然と言えば当然か。

テュルク系繋がりとしては、イスタンブールからアー!コスモスとか。

テュルク系繋がりだし旧ソ連繋がりでもある、カザフスタンからDJナジラとか。

今年は5月14~15日の開催予定らしいが、コロナで実現は厳しいか。

今年とは限らず今後もし開催されたら行きたいかどうか?というところで、ほとんどの日本人にとってはわざわざカラカルパクスタンに行くことそのものに躊躇するかと。

スチヒーヤがどうこう以前の問題として。

カラカルパクスタンに行く理由付けとしてスチヒーヤ音楽フェスでは不十分な人に贈る、これを知ったら行きたくなる情報。

少なくともオレは興味津々。

レイヴの出演者でもあるカザフスタンのバイオリニスト、ガリヤ・ビセンガリエヴァに『カンツベック』という曲がある。

そうだ、カンツベックがあった!!

モイナックから直線距離で150kmほど北のカザフスタンとの国境近くに、ヴォズロジデニヤ島がある。アラル海に水があった頃の『島』なので、今モイナックから行こうとしたらガリヤのPVの景色の中を陸路で進むことになるかと。

そのヴォズロジデニヤ島に、カンツベック(Kantubek)というところがあってマップ検索すれば出てくるが、今は完全なるゴーストタウン。

1992年にゴーストタウンになったが、それまで地図に載っていなかったのはカンツベック(コードネーム:アラルスク-7)がソ連の秘密基地だったから。

何の秘密基地って、生物兵器の大規模研究基地。

ソ連崩壊で軍がカンツベックを放棄した際に恐ろしい量の炭疽菌を地中に埋めて行ったということで、9.11の後に炭疽菌がテロリストの手に渡らないようにアメリカ軍が“ほぼ全部”処理したらしい。

で、このゴーストタウンに行くツアーがカラカルパクスタンの首都ヌクスから出てる。

『ソビエト・ツアーズ』という会社が主催するツアーは3月、5月、9月の年4回だけ。

砂漠に寝泊まりする4泊5日のツアーで、料金は1人750ユーロ(約9万4千円)。

5月といえば…スチヒーヤが開催される月!!

モイナックで野外レイヴに参加したうえに、炭疽菌がまだ埋まっているかもしれないソ連の秘密基地ゴーストタウンを訪れるツアーに参加する。

日本からカラカルパクスタンにわざわざ行く自分を納得させる理由付けとしては完璧。

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