南米アマゾンの熱帯雨林で起こっている大規模火災の件。
ブラジル国立宇宙研究所(INPE)によると、今年のアマゾンでの森林火災は75,000件を超え、昨年比で85%増らしいので、大規模火災というよりは同時多発火災と言った方がより正確なのかもしれん。
SNS上でも#prayforamazonia なんかがトレンド入りしたり、G7で先進国首脳がこの問題を話し合いをするとか。
この森林火災のニュースを見て、以前に見た全く別のニュースを思い出した。
アフリカ大陸って自然が豊かで、広大な熱帯雨林が二酸化炭素をたくさん吸収してくれているイメージを持っている人もいるだろうけど、実は…
膨大な量の二酸化炭素を放出しているってニュース。
年間に放出する二酸化炭素量は自動車2億台分!!
Satellite study reveals that area emits one billion tonnes of carbon“地球最後のフロンティア”として経済成長が著しいから、自動車の普及率が激増したとか?工業化が進んだとかなのか?
別な記事では「アメリカよりもたくさんの二酸化炭素を放出」とか書いちゃってたりして。
Africa’s tropical land emitted more CO2 than the US in 2016, satellite data shows同じ研究者の論文を元に記事にしているのにもかかわらず、最初の記事では二酸化炭素排出量が年間15億トンなのに、二番目の記事では60億トンと全然違うしっ!!
仕方がないから両方の記事の元ネタになっているエジンバラ大学のポール・パルマー教授の発表を見てみた。
Net carbon emissions from African biosphere dominate pan-tropical atmospheric CO2 signalほぼ何が書いてあるか意味不明だが…
オレが読む限りでは、推定年間排出量は中央値1.6ペタグラム(16億トン)と書いていて、(多分だけど)純粋に排出量だけ見たら60億トンだけど、森が二酸化炭素を吸収する量と排出する量の差でみると排出する方が吸収するより16億トンも多いという話っぽい。
二酸化炭素を吸う量よりも吐く量の方が多くて、その差が世界でも目立つくらい酷くて、ようするに二酸化炭素を吸う以上に吐き過ぎなのが実はアフリカだと。
理由は、熱帯雨林の焼失らしい。
このポール・パルマー教授が調査対象にしたのが、アフリカとひとくくりに言っても、ある一部の地域。
その一部地域で一定期間に発生した火災のNASA画像がこれなんだけど、一目瞭然。
by NASA
サハラ砂漠のすぐ南に位置する、西はギニアから東はエチオピアまでの東西を横断する一帯。
森林火災っていうか、焼き畑とかが理由みたいだけど。
それまで存在していた熱帯雨林はメタンやら二酸化炭素やらを吸って地中に溜め込んでたっぽい。それが開拓されたりなんかして熱帯雨林が消失すると、これまでむっちゃ吸って溜めていたやつを一気にゲロり出すので…
もうこれからは二酸化炭素を吸わなくなっちゃう、どうこう以前として…
吸わなくなったうえに、めちゃくちゃ二酸化炭素をゲロり出す、という。
アフリカが車2億台分の二酸化炭素を排出しているって、実際に車が2億台走ってるわけじゃなく、森が長い年月をかけて地中に溜め込んでいたやつが出てきちゃったと。
このアフリカの例から言うと…
アマゾンの森林火災によって、広大な森が焼失しちゃう…野生動物たちが…みたいな問題の次に起こるのは、
恐ろしい量の二酸化炭素をゲロり出すことじゃねーか?と思ったりして。
アマゾンがこれまでに吸い込んできた二酸化炭素なんて途方もない量であることは確実なわけで、地中からそいつらが放出されるとどういう次元の話になるか?
さっぱり想像もつかないが、何となくトゥクトゥク4億台分くらいの二酸化炭素を放出しそう。