宇宙計画で米ソを先行せよ
1960年代、アメリカとソ連が宇宙競争でしのぎを削っている頃、2つの超大国に先駆けて月と火星に人類を送り込むべく某国で宇宙計画が進行していました。
当時の超大国と張り合えるくらいの国と言ったら、もうあの国くらいしか思い浮かばないですよねぇ・・・
そう、皆さんご存知のザンビア!!
アフリカにある(今も)いまいちパッとしない国ですね。
最初に言っておくと、これはザンビアの国家プロジェクトじゃなく個人プロジェクト。
首謀者(?)は、小学校の科学教師だったエドワード・ムクカ・ンコロソ。
彼が宇宙開発競争に参入することを決意したのは、彼が初めて飛行機に乗った時の経験がきっかけらしい。
ンコロソは、外に出て雲の上を歩いてみたいと思いパイロットに飛行機を止めるようお願いをしたものの拒否されたことが宇宙開発のきっかけと言っているが・・・
凡人には話が飛躍し過ぎていて理解できん・・・
まずは好きに飛行機を止められるパイロットを目指せよ!!
ンコロソは、ユネスコに10億円の資金援助を依頼したけど返答はなく、宇宙に興味があるインドの子供から送られてきた10ルピー(15円)が最大の資金援助だったらしい。
ンコロソによると「我々の計画にはアメリカやソ連よりも先行しているものもあり、宇宙計画を秘密裏に進めている」そうだが、そんな秘密のベールに包まれた彼のインタビューと訓練風景が動画で残っている。
3:47からンコロソのインタビュー
10:10から訓練風景
ドラム缶に入れられて坂から転がり落とされたり、ブランコを漕ぐのは、無重力状態を疑似体験するためだそうだ。
誤算
順調に進んでいるようにみえた宇宙計画だったが、数々の誤算がンコロソを襲う。
計画では直径2メートル、高さ3メートルの円柱型D-Kalu1号ロケット(アルミと銅製)で・・・
月には21才のムワンゴを筆頭とする宇宙飛行士たちを送り込み・・・
火星には16才の少女ムワンバと特殊訓練をしたネコ2匹(動画では10匹と言ってる)を送り込む予定だったのだが・・・
インタビュー記事によると、月に送り込む予定だった宇宙飛行士2人が酒を飲みに行ったまま帰ってこなくなったという不測の事態に!!
さらに、もう1人の宇宙飛行士も地元のダンスチームが忙しいから宇宙飛行士を辞めると言い出し月面着陸計画は白紙に。
さらに火星に行くはずだった少女ムワンバが妊娠したため宇宙計画自体が中止に!!
この事態に、ンコロソはザンビアの宇宙計画を恐れる「帝国主義的新植民地主義者」たちの策動と非難。
幻の宇宙計画となったのでした。
1960年代、ンコロソのことは欧米で多少は報じられていた様子。
ンコロソみたいな狂った馬鹿がいるようなアフリカ諸国に独立を与えるのは愚かで、彼らに近代国家の運営が出来るわけがないという保守派の宣伝材料に使われていたみたい。