もうコミュニケーションツールとしてSNSを使っていない。
フェイスブックなんて何年も前に飽きて今やほぼインしないし、インスタは全く見なくなったし、Xは情報収集ツールとして見るくらい。
さて、そんなオレだが「トランプ関税はDS潰し」と言っている九州の某県選出の某国会議員の先生のXをフォローしている。
反ワクチンと陰謀論で有名なお方だ。
ちなみに、以前は九州が生んだ反ワク&陰謀論の二大スターである元CHAGE and ASKAのCHAGEじゃない方もフォローしていたのだが、彼のツイートもまた「世界を裏で操る黒幕」系がモリモリで…
そっち系に興味があるとXのアルゴリズムに判断されてしまい、オレのおすすめに流れてくるツイートが陰謀系だらけになってウザくなってCHAGEじゃない方はフォローを外してしまった。
SAY NO! YAH YAH YAH!
基本的に誰が何を書いていても全く気にならないのだが…
この前、初めて某国会議員のツイートにリプしたい衝動に駆られてしまった。
SNS上でコミュニケーションを取る気がさらさらなかったオレが、思わず取りたくなっちゃった。
なんか「日本政府が密かに自衛隊をウクライナに派遣していた」と騒いでいて「これが事実なら内閣が吹っ飛ぶ」と。
たしかに、それが事実なら大問題になるのは間違いないが、不思議なことに世間では一切騒がれていない。
某国会議員の主張の元になっていたのが、2024年9月に黒海で行われた多国間軍事演習『シーブリーズ』に自衛隊から10人が派遣されて参加した、というニュース。
あぁ…黒海をウクライナの海だと思っちゃってるな
黒海って先生が思ってるより大きいんだけどな…
もちろんウクライナが黒海に面しているのは事実だが、黒海に面している国はウクライナだけではないこともまた事実。
せめて、一回は地図を見て欲しいな。
「秘密裏に自衛隊を戦地に派遣していた」とか言い出してるし…
さすがに黒海というだけでウクライナだとか戦地だとか断定してしまうのはあまりに乱暴すぎる。
せめて黒海のどこで演習があったかを自分で調べてから騒いだ方がいい気がするが。
オレが調べてみると、1990年代から黒海で毎年行われている多国間軍事演習『シーブリーズ』だが、2024年はブルガリア沖で実施されて海上自衛隊からも10人が派遣されて機雷掃海訓練に参加したようだ。
黒海は黒海だがブルガリア領海であり、ブルガリアは戦地ではない。
なお、訓練に参加したのは16の国と組織でブルガリア、アメリカ、ウクライナ、イギリス、エストニア、フランス、ジョージア、ドイツ、ギリシャ、イタリア、日本、NATO、ポーランド、ルーマニア、スウェーデン、トルコ。
このうち黒海沿岸国はウクライナ、ブルガリア、ジョージア、ルーマニア、トルコの5カ国で、ロシア以外の沿岸国全てが参加している。
ちなみに…アブハジア共和国という自称国家も黒海に面しているが自称だし海軍を持っていないので無視。
黒海=ウクライナ&戦地だと思い込んでいる様子の先生に、思わずリプしたい衝動が!!
地理的な感覚の違いはものすごく気になっちゃうタイプなのだ。
旭川に住んでる友だちに「今度札幌に行くから飲もうよ!」と言う(北海道のサイズ感)とか、ロサンゼルスの山火事で心配になってニューヨークの友だちに「大丈夫?」と連絡する(アメリカのサイズ感)みたいな感じで、黒海をウクライナだ!戦地だ!と捉えていると「黒海のサイズ感がちょっと違うな」と思っちゃう。
大きい、小さい、遠い、近いって主観の部分もあるから共通認識が難しいっちゃ難しい。
黒海と聞いてウクライナを連想して「近いんじゃないの?危なそう」と思うのは、しょうがないというか、普通はそんなものだとは思うけども…それにしても、だ。
結局、某先生ってそもそも絡まない方がいい人のような気がしてリプしなかった。
なんか“開眼”してあっち側の世界に行っちゃってるから絡んでも不毛な気がして。
オレは我慢したが、他の人に指摘されたようで某先生はGrok(AIチャットボット)で黒海について質問しておった。
いやいや、Grokに聞かずに地図見ろや!!
とは思ったものの、知識をアップデートしようとしている姿勢は見えたのでちょっと安心。
誰にだって思い込みはあるから、アップデートして修正できれば何も問題じゃない。
ところが、黒海ってウクライナだけじゃないんだってことを学習したアプデ後の某先生が、その後こんなことをツイートしておった。
黒海のサイズ感が変わっとらん!!
これ、旭川も札幌も同じ北海道だろ?ロサンゼルスもニューヨークも同じアメリカだろ?と同じで「黒海はロシアとウクライナの戦場となっている」も正しいけど正しくない。
先生の言う通り戦場のところもあるけど、黒海って先生の思っている以上に広いから戦場じゃないところもあるの。
某先生の中の黒海サイズと、あそこら辺を何カ月かウロウロしていたオレの中の黒海サイズ、地理的な感覚の違いが埋まることはなさそうである。
あと…16の国と組織が参加していて“ひた隠し”も何も、フルオープンになっている情報なのに、そういう思考回路のお方なのね。
自分が知らなかっただけのことを“秘密裏”とか“ひた隠し”と捉えるタイプはちょっとめんどくせーな…絡まなくて正解だった。
ちょっと調べたが、2024年時点でブルガリア国防省が普通に公式発表してた。
ブルガリア海域で大規模な演習が行われる。シーブリーズ2024には、ウクライナや日本を含む13カ国から150名の代表が参加予定。ブルガリア海軍は60人の軍人と5隻の船舶で参加する。各国は、浮遊機雷を発見し解除するためにどのような方法を用いるかを披露する。【ブルガリア国防省情報センター】
ブルガリアだけじゃなくアメリカやイギリスなど異なる複数の情報源から確認できて、参加中の自衛隊員の写真まで公開しちゃってて、全然秘密になっていない。
その後、某先生は「自衛隊をウクライナに派遣していた」とか「戦地に派遣していた」という明らかに間違った認識に基づくツイートはシレっと削除していた。
あー!なかったことにした!!
なぜか「前代未聞の紛争国派遣」というのだけ残しているけど。
ブルガリアは紛争国ではない。
とりあえず前提が色々と間違ってるからそりゃ皆にスルーされるわな…
問題提起された人たち、無視も出来ないだろうから相手にしないといけないことを考えると、なんか可哀想。
なお、某先生は自分の思い込みに気付いて以降、機雷掃海訓練した『場所』ではなく、シレっと論点をすり替えて自衛隊が戦争当事国である『ウクライナ軍と一緒に訓練』したことを問題視している。
これに関しては、前提となる情報が間違っていないから問題視して議論すること自体は大いに結構だと思うし、「お好きにどうぞ」という感じなので特にリプしたい衝動に駆られることはない。
別にこの某国会議員の思い込みによる誤情報を糾弾したいわけじゃない。
SNSをコミュニケーションツールとして使う気がさらさらなかったオレが、「おぉ、オレってこういうのを見るとリプしたい衝動に駆られるのね!」と気が付いたという話。
最後まで名前を伏せることに成功したが、某国会議員は思い込みが激しいタイプのようで日頃からよく怪しい情報を発信しているが、黒海以外でスイッチが入ったことは一度もない。
普段、何を見てもいちいち反応しないんだけど自分のスイッチを発見した。
そういえば、これはSNSじゃなくてテレビだったけど…
たまたま「日本の介護現場で働く外国人」を特集していて、スリランカから来たという人に密着していた。
特に何も思わず流してたんだけど「この会社には他にもアフリカから来ている方が働いています」と2人目が紹介された時に急にスイッチが入っちゃった。
1人目を国名で教えてくれたんだから、2人目も国名を教えろ!って。
2人目だけ大陸名はおかしいだろっ!って。
アフリカのどこから来たの~?!
興味があったわけじゃないのに、変な情報の出し方をしてくるから逆に興味が出ちゃった。
国名を“ひた隠し”にするということは、まさか…サントメプリンシペとか、どこだよそれっ?!ってなる国?
一方通行のテレビだからモヤモヤしただけだったけど、これがSNSだったら絡んでたな。