特撮ヒーロー『愛國戰隊大日本』を知ってますか?
自主制作のヒーローものですが、『新世紀エヴァンゲリオン』の監督である庵野秀明も制作に携わっています。
自身のホームページでは触れていないところを見ると、本人にとっては触れられたくない過去かも知れんが・・・
主題歌は、あの『防共挺身ボーイズ&ガールズ』の毛利文彦が歌ってるんですよ!?
いったい誰なんでしょーねー。
ちょっと歌詞を見てみましょう。
もしも日本が弱ければ ロシアはたちまち攻めてくる
家は焼け 畑はコルホーズ 君はシベリア送りだろう
日本は オオ 僕らの国だ
赤い敵から守り抜くんだ
カミカゼ スキヤキ ゲイシャ
ハラキリ テンプラ フジヤマ
俺たちの日の丸が燃えている
GLOW THE SUN RISING THE SUN
愛國戰隊大日本
・・・きわどい
本物の映像はコレクターグッズ・ショップでン万円するので、『びっくり!!君の教科書もまっ赤っか!』をYouTubeでどーぞ。
1982年に制作されているので、冷戦時代の真っただ中でした。
ストーリーは至って簡単です。
占領五カ年計画によって日本を赤化しようと怪人ミンスク仮面と、戦闘員ハラショマンが「ハラショー、ハラショー」言いながら攻めてきます。
そこへ正義の味方『愛國戰隊大日本』が颯爽と現れます。
「子供たちを露助(ろすけ)から守るのよ!」と、アカの脅威から守るために戦うわけです。
巨大ロボ『大日本絡操』の装備は、國防シールドと、日本剣。
必殺技『愛國富士山返し』で、ロシアをやっつけます。
基本的に中身は特に何もないパロディです。
コンセプトの時点で“ネタ”だが、ネタでも「露助」とか「アカ」とか言えちゃう時代はいいですね。
時代と共に“言論の自由”が成熟していけばいくほど、実は言論の自由が狭まっている気がする今日この頃です。
今、同じような内容の自主制作映画を作ったら大騒ぎになりますよ。まぁ、当時も十分騒ぎになったらしいですけどね。
対抗して『共産戰隊ダイロシアン』ってのもあります。
映像化はされていないが、誌面上でネタとして歌詞だけ発表されたが、その同人誌もそっこーで絶版になってる。
北方領土がある限り 日本はいつでも狙ってる
尊い犠牲を払っても 北の大地は踏ませるな
サハリンも オオ ロシアの基地だ
大韓機など 撃ち落とすんだ
マルクス レーニン カーシャ
ソホーズ モスクワ シベリア
アメリカの犬どもをぶち殺せ
GLOW THE STAR CATCH THE STAR
共産戰隊ダイロシアン
大韓機は関係ねーだろ!?
今の日本ではなかなかこんな面白いものにはお目に掛れませんが、お隣の中国ではチラホラ目にします。
毎日どこかのチャンネルでは放送されているお決まりの愛國ドラマは見ていて笑えますが、当の中国人たちは誰も笑っていません。
攻めてくる日本の帝国軍!
それに敢然と立ち向かう人民解放軍!
言葉は分からなくとも、誰にでも分かるシンプルなストーリーです。
さて、その装備を見比べてみましょう。
日本軍は戦車、重機関銃と近代的な装備ですが、一方の人民解放軍は旧式小銃と装備が貧弱・・・
ところが戦闘シーンになると、「おいおい、それだけ連射されたら死んじゃうだろう!?」という日本軍の猛攻にも関わらず、意外と解放軍の被害は軽微なわけですね。
逆に解放軍の旧式小銃だと当たる!当たる! 日本兵がバタバタ倒れちゃうわけです。
どんだけ~!(古)
終いには、解放軍の雄姿を見て奮い立たされた農民どもが竹槍を持って参戦する始末です。
襲い掛かってくる日本兵に向かって次々と投げられる竹槍が、これまた刺さる!刺さる!
「ちょっと待ってくれ!」と、テレビを止めたくもなります。
こんなギャグで笑わなかったら、何を笑ったらいいんですか?
日本も負けじと、どんどん『愛國戰隊大日本』のようなパロディを世に送り出していかないと・・・