第9話に続く第10話。
全10話のつもりで書き始めたのに、未だにインドネシアという…
ヌサ・トゥンガラ
インドネシアのビザ更新のためだけに“最寄りの外国”オーストラリアに一度出国した。オーストラリアには3週間いたのにシドニーもパースもゴールドコーストも行っておらず、北の端ノーザンテリトリーから一歩も出ていない。コアラは見ていないが、カンガルーを食っているので自分の中でオーストラリアは制覇したということにしている。
再びインドネシアに戻った後は、バリ島から東にあるヌサ・トゥンガラ(小スンダ列島)を横断した。
By Burmesedays, CC BY-SA 3.0 , from Wikimedia Commons
ロンボク島ギリ・トラワンガンスンバワ島コモド島フローレンス島と島々を渡り歩いたが、一番良かったのはギリ・トラワンガンかな?
ギリ・トラワンガン
ギリ(Gili)はササク語で『小島』を意味しているので、訳すならトラワンガン島か?
愛と欲望が蠢くバリ島の喧騒を離れ、のんびりと美しいサンゴの海を眺めながら1週間ただひたすら酒を飲みながら本を読んだりして過ごした。バイクも車も島内は禁止されているので、移動手段は馬車か自転車のみというのがまたいい。
ギリ・トラワンガンからはロンボク島とスンバワ島を経由してコモド島に行く。
ひたすらバスと船を乗り継ぎ、ぶっ続けで移動すること32時間。
コモド島
世界最大のトカゲであり獰猛な肉食動物でもあるコモド・ドラゴンが生息している島だ。
このトカゲ、コモド島に生息する野生のシカやイノシシなどを食べるが人間を襲うこともある。昨年2017年に久しぶりに観光客が噛まれたとニュースになっていた。外を出歩く時はレンジャーを付けなきゃダメでしょ…オレなんか部屋(高床式になっている)から出る階段のところにコモド・ドラゴンが寝てて、ご飯を食べに外に出られなかったくらいなんだから。
コモド島からは地元漁師の小型ボートで脱出。大波で木の葉のように揺られながら3時間半かけてフローレンス島の西端ラブハンバジョに上陸した。
フローレンス島
横長のフローレンス島を横断したのはこの夜行バスだ。
他の島々と違って、フローレンス島の道はアップダウンが激しく曲がりくねっていて細い。そこを猛烈なスピードでぶっ飛ばすので、常に何かに掴まっていないといけない状態で…まるでジェットコースターに乗っているようだった。
しかも車体に『Full Music』と書かれていて、乗る前は「どういうこと?」と思っていたのだが乗って初めて意味が分かった。14時間ずーーっと音楽を大音量で聞かされるという…地獄のようなサービス付きのバスだった。
一応“夜行バス”なんだけど、当然のことながら一睡も出来ず。
偶にあるんだよな…こういう迷惑なバス。18才の時に行ったミャンマーで、ヤンゴンからバガンまで乗った夜行バスが、なぜかボンジョヴィの『You Give Love A Bad Name』をリピートでガンガンにかけててマジでボンジョヴィが嫌いになりそうだった。まだ世に出ていなかったから助かったが、これがもし2005年発表の『Have A Nice Day』とかだったら「なにがHave A Nice Dayじゃ、ボケっ!」と間違いなく嫌いになってたね。
ミャンマーでボンジョヴィ?!
という意外性もあって、なぜかすごく覚えている。
音楽と記憶ってリンクしやすいのだろうか?
フローレンス島のフルミュージックバスで流れていたのは、当時のインドネシアン・ロック御三家だったSlankとかDewa19とかGIGI辺りだった記憶が。
オレの中で1999年当時の想い出の曲と言えば、GLAYの『Winter, again』ではなく、皆さまご存じDewa19のバラード曲『Cinta Kan Membawamu Kembali』。リリース自体は99年より前だけど、この叙情的な曲を聴くと1999年当時の日々を思い出す。翌2000年に歌姫Rezaがこのカバー曲を出しているが、それもそれで彼女のパワフルボイスと相まって良い。
さて、フルミュージックバス以外だと…フローレンス島でクリムトゥ山の麓モ二に行く時に乗ったのはトラックバスだ。
まぁ、バスっていうかトラックの荷台なんだけど…一応は座席と屋根が付いている。日記によると3時間の移動で運賃は3000ルピア(当時46円)と鬼安っ!!
クリムトゥ山は三色の火口湖があることで有名で、5000ルピア札の裏面にもデザインされている。
火山ガスの影響で湖の色は変化しているらしいので、今は色が変わっているかも。
フローレンス島の見どころはクリムトゥ山以外にもあって、北海岸に行けば美しいビーチがある。
そのビーチを目指してエンデからムンバイ経由でリユンに行ったのだが、ムンバイからリユンまでの移動はオレの現在に至るまでの旅の経験の中で5本の指に入る地獄だった。
ベモ(↑写真)は普通8人乗りの乗り物だ。運転手を除けば助手席に1人、荷台に3人掛けの椅子が縦に2つあるので6人が乗れる。
ところが、オレがムンバイからリユンまで乗ったベモには25人乗っていた…あと生きたニワトリとブタも。どうやって乗るか?というと、テトリスみたいに乗客をはめ込んでいく。「これって拷問ですか?!」と思うようなムリな体勢&ヒザの上に知らない人が2人も座ってる状態で3時間半。
白目を剥きかけてまで行ったリユンのビーチはこんな感じ。
ちなみに、写真に写っているボートはタイタニック号という縁起のいい名前が付いていた。
遠浅でエメラルドグリーンの海が貸し切り状態。タイタニック号で沖の小島に行けば、真っ白なビーチとヤシの木が生えた南国の楽園が待っている。
もう二度と行かねぇーけどな!!
ちなみに、これはフローレンス島エンデの路上パサール(市場)の様子。
クラクラするほど強烈な陽ざしでめちゃくちゃ暑いから、売り子は日傘を差している。
なのに地べたって!?みたいな。
さて、ヌサ・トゥンガラから一度バリに戻り再び1カ月ほど滞在した後、ジャワ島スラバヤを経由してカリマンタン(ボルネオ島)に向かう。
本当はこの第10話でインドネシアを出るつもりで書き始めたのに、ミャンマーのボンジョヴィとか昔の想い出の曲とか関係ない話のせいで次回に持ち越しに…
次回のカリマンタンで絶対にインドネシアを出ます!