昨日書いたFrance24の『カタンガの忘れ去られた人々』というニュース。
例えば海外在住カメルーン人向けネットメディアCamer24では、2014年にこの映像ニュースをフェイスブックにアップしてたりして。
「この話に恐怖を感じるんだけど・・・どうしたらこんなことが地球上でおこるの? 混血児の痕跡を残さないために殺す?」
こんなコメントと共にアップされた映像は、1155件シェアされ、80件のコメントがついています。
他にもこのニュースを取り上げたブログを少しみましたけど・・・
真贋がはっきりしない話だけに、正直なところ反応は微妙な感じ。
本当だったら恐ろしいけど・・・だけど懐疑的みたいな。
どこの国の人かは分からないけど、多分アフリカの黒人女性と思われるブログでは「私、日本の法律のこと知らないんだけど・・・日本では混血の子供を禁止してるって信じられないんだけど!」とか書いてましたし。
いや、そんな法律ないっすよ。
彼女は「そんなことより、このニュースをみた人が私たちアフリカ女性が外国人男性に喜んで股を広げると思われちゃうことの方が心配。黒い肌ではない相手を求めて必死であるかのようなウソは、欧米メディアがアフリカにおける混血児を扱う時のパターン」と書いていて、論点がずれて別な心配をしています。
思うに、こういう話は否定するだけの情報を出していかない以上、どんな広まり方をするか分からないですよね。
例えばwiki英語版で『Afro-Asian』のページを見てみましょう。
そこにはバッチリ『Katanga Afro-Japanese』の項目があって、「日本人はコンゴ人女性との間に子供をもうけて・・・結果生まれた子供のほとんどは出生直後に死亡して・・・地元の人々による複数の証言は、子供たちは鉱山が運営する病院の日本人医師や看護師たちに毒殺されたことを示唆している。現在、50名の日系アフリカ人は『カタンガ幼児殺し生存者会』を組織し、正式な調査を求めて弁護士を雇っている」と書かれている。
もちろん出典元はFrance24の記事のみ。
まるで既定事実として日本語以外の言語で発信されてるってのは・・・将来的に慰安婦問題みたいにならないか心配。
『カタンガ幼児殺し生存者会』なんてすごい名前の会になってるけど、どうやらこれらのブログ記事『 RDCコンゴは金(ゴールド)大国なのに』、『世界ナゼそこに?日本人』に出てくる「子供たちの会」のことだろうな。
ポイントは、計画的な幼児殺害を否定するための前提としてコンゴ人との混血児の存在を認めないといけないことじゃないか?
カタンガに来ていた日本人たちの多くは日本に奥さんを残してきていた単身赴任者で、コンゴで子供を作っていたとなると色々とマズいっていうんで、混血児の存在を認めないことに固執していると「その事実の隠ぺいは、その裏に幼児殺害があるから」と勘繰られてもおかしくない状態になるかと。
否定するだけの情報を出せそうな人がいるかな?と思ったんですけどね、こんな方たちはどうなんでしょ?
赤十字からナイチンゲール記章を授与されている徳永瑞子さんとか。
1971年、23才の時に現地日本企業の看護師としてムソシ診療所に勤務。
1年勤務した後に帰国して、1976年に再びザイールに戻って7年滞在したってなってるけど、ベルギーのボランティア団体の一員として戻ってるようなのでムソシ鉱山に戻ったわけではなさそう・・・
ムソシ鉱山自体の操業は1972年からだから、1971年っていったらまだ建設途中か?
初期すぎて、混血児の存在どうこうは知らないかもな。
他には昨年、埼玉県幸手市の市長選に立候補した木村純夫さん。
『愚直に生きる – セ・ラ・ヴィ半生の記』(2004年、文芸社)という本を出しています。
出版社から推測するに自費出版本かと。
「BOOK」データベースによると「理想に照らし、より人間的な仕事を求めてきた著者の豊富な経験を通して、試練を越える力、その気になればなんでもできるという勇気を与えてくれる一冊」とのこと。
木村さんは日鉱の社員として1975~1979年の4年間、ムソシ鉱山の総務課で日本人の福利厚生を担当していたらしい。
時期的にもいい頃じゃないかと。
第三章『フランス語学研修を経てザイールへ』の70ページにはこんな記述が・・・
・・・病院(会社で病院も運営していて、長崎医大から代わる代わる熱帯医学の専門の先生にお出でいただいていた)・・・あらゆる病気があったといっても過言ではないと思われた。淋病、梅毒、雑菌、インキン、タムシ、肝炎・・・
長崎大学に熱帯医学研究所があるから、そのことかな?
もし混血児に関して何か情報を持っているのだとしたら積極的に発信した方がいいと思いますけどねー。
出来れば外国語で発信した方がいいだろうし。
要は、ワタクシ『幼児毒殺処分』を否定するだけの情報が欲しいんですよ。
でも、ない。
それどころか、混血児そのものを真正面からとらえた情報もない。
そうなると「やったんじゃね?!」と思っても仕方がない。
これだと、ガセだろうが何だろうが情報として世に出したもん勝ちになっちゃうよ。