小笠原諸島【5】小笠原方言

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父島といえば、アメリカ人のナサニエル・セイボリー

母島といえば、ドイツ人のフレデリック・ロルフス

ずっと無人島だった小笠原諸島に最初に移住してきた人たちといえば、こんな名前が出てくる。

最初の移住者は民族的には大和民族じゃなく、欧米系やポリネシアンだったのだ。

明治政府が小笠原諸島の領有宣言をして、欧米系島民が日本に帰化したことでセイボリーさんは瀬堀(せぼり)さんとなったのだ。

とは言っても、今や欧米系島民は父島でも10%に満たないとか。

そういえば、めちゃくちゃ顔の濃いおじさんを見かけたな・・・

正直、父島を歩き回って感じ取れる欧米感はこの程度で、基本は「平たい顔族」の島だ。

だが190年近く、欧米系島民と日本人島民が共存していた環境は言語接触によって興味深い小笠原方言を生み出した。

50代以上の欧米系島民の話を聞いていると、英語と日本語がさまざまに混合していた。

「can not believeだよね」「みんなget togetherね」「handもこんなshakeしてるからね」と単語がはさまった形があれば、別れのあいさつの「またみるよ」のように、構成する単語はすべて日本語だが明らかに「See you again」という英語が元になっている言い方もあった。

あなたたちは「youら」、わたしたちは「meら」となる。定期船おがさわら丸の入港日に「meらの船が今日入ってくる」と言うと、「えっ! ミイラの船?」と聞き返されたという笑い話も耳にした。

「上司のwifeのnephewなんだよ」「Octoberだったかな」と、数字、月、曜日、続柄などは特に英語が使われやすいようだ。

(出典:激動の歴史が育んだ小笠原言葉 – 探訪・東京の離島

たとえば,小笠原の欧米系島民の間で一人称代名詞としてmeが使われます。

「Meらはhigh schoolに行っているときにGuam got hit by a typhoonだじゃ。」〔私が高校に行っているときに,グアムは台風に襲われたんだ〕のように,英語と日本語の単語が入り混じる文がよく聞かれます。

本来,英語のmeは目的格ですが,小笠原の方言では,どの格においてもmeが使われます。

(出典:地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―

八丈語や英語などが小笠原に運ばれ、さまざまな変化と進化を繰り返した。例えばある黄色い木は西洋系の先住移民から英語でyellow woodと呼ばれていた。ところが明治時代に入って来た日本人はこの英語を「聞き取った音」のまま覚えたため、小笠原の固有種であるこの木の標準和名は「ヤロード」となっている。

独特な言語文化のルーツは英語と日本語だけでなく、太平洋諸島からの先住移民が運んできた単語にも多く見られる。例えば小笠原高校の学園祭の名称に現れるビーデビーデ(ムニンデイゴの木)や島名物のピーマカ(酢漬けの薄切り魚)、「セックス」を意味するモエモエはいずれもハワイ語起源。このほかにも、アラヒー(ノコギリダイ)やウーフー(ブダイ)、ヌクモメ(シマアジ)、プヒ(ウツボ)などがそうだ。

(出典:「小笠原ことば」だって貴重な文化遺産

町中で「萌え萌え~!」と連呼しない方がいいな、うん。

普段からしねーけど。

念のためルー大柴の出身地を調べてみた。

ルー大柴を知らないという若者のために説明しよう。

1990年代初頭、うざキャラで「トゥギャザーしようぜ~!」と言うおっさんがテレビで人気であった。

文中に英単語を散らしてくるしゃべり方を、自らルー語と呼ぶおっさんだ。

当時すでにおっさんだったので、今はおじいちゃんだろう。

みんなあれはルー語だと思っていたが、実は小笠原方言なんじゃ・・・

調べてみたところ、ルー大柴は新宿区の生まれだった。

小笠原諸島とは縁もゆかりがないようだ。

ルー大柴が流行った時は小笠原の人たちも「小笠原方言のやつがon TVだじゃ!」と話題にならなかったのか?と思ったが、小笠原諸島でテレビ地上波の放送が開始したのが1996年なので・・・リアルタイムでルー大柴を見ていない可能性あり。

しっかし、「Meらはhigh schoolに行っているときにGuam got hit by a typhoonだじゃ。」って言う?ww

逆に面倒くさくね?

っていうか、そんな小笠原方言を一度も聞いてないんですけどっ!!

オレが父島で出会った旅人は、欧米系島民が経営している宿をわざわざ選んで泊まったそうだ。

Meも小笠原againしたら、そうしよっと・・・

↑多分、この使い方は全然違うのだろう。

次の文法性判断調査を欧米系島民に対して行うとする。

その時に別の欧米系島民が発した文「meらはall day頑張った」を聞かせたら、「その言い方普通に使うね」と答える。すなわち肯定的な判断を下すのである。一方、英語と日本語が恣意的に混ざった文を聞かせれば「自分たちはそういう混ぜ方をしない」とか「それはsounds funnyだよ」(おかしく聞こえるよ)という否定的な判断を下すのである。

同じように、よその言語コミュニティ(例えば、関東や東海、関西などのインターナショナルスクールの生徒たちの間で普通に使われている言い方)を聞かせると、その混ぜ方は自分たちは言わないとはっきり主張するのである。

例えば、日本語の動詞語幹+英語の過去形「ガンバルed」のような言い方はよそのコミュニティで実際に行われているが、小笠原の人に尋ねると 「そういう言い方を me らはできない」と答える。すなわち、英語ネーティブや日本語ネーティブのそれぞれが文法性判断ができるように、小笠原混合言語ネーティブの人々にも自分たちのことばに内在しているルールに基づく文法性判断ができるのである。

なお、上記のように、欧米系島民の多くは「英語と日本語を単に混ぜているだけだ」という意識を持っているので、言語調査を通じて自分たちの混ぜことばにはこうした規則性があることをはじめて自覚して本人たちも驚くのである。

(出典:「小笠原混合言語」は本当に「言語」なのか PDF)

何かしらの混ぜ方ルールはあるようだ。

っていうか、日本のインターで「がんばるed」とか普通に使われてるってのもビックリだわ。

がんばるどぅ!って・・・どうなんだろ。

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