トロフィーハンティング(1)

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    JUGEMテーマ:日記・一般

     

     

    はじめて知ったのは、ザンビアの首都ルサカで出会った野生動物の生態調査で日本から派遣されている女性に聞いた時だ。

     

     

    トロフィーハンティング

     

     

    正直、聞いた時は「えっ、いいの?!」と思った。

     

     

    アフリカゾウ、ライオンはおろかサイもお金さえ出せばハンティングが出来るということに。

     

     

    まず合法かどうか?という話をすると、お金を払って許可証を取れば合法だ。

     

     

    ハンティングは、それぞれの国の法律下で合法とか違法とか話になるので、アフリカ各国の法律に則って許可証を取れば合法だ。

     

     

    許可証を取っていないのが密猟だ。

     

     

    ワシントン条約は野生動物の国際取引に関する条約なのでハンティングそのものとは直接は関係ないが、アフリカで合法的にハンティングされた野生動物の輸出入は認めている。

     

     

    トロフィーとは獲物の頭を剥製にして飾るやつのことで、ログハウスの壁にヘラジカの頭をかけているのをテレビで見たことがある。

     

     

    いわばハンターにとっての自慢、勲章、トロフィーなのだ。

     

     

    ハンターの憧れはビッグファイブと呼ばれるアフリカゾウ、ライオン、サイ、ヒョウ、バッファローを狩ること。

     

     

    ビッグファイブは希少性がプラスされて、大きなお金を生む。

     

     

    2014年、ナミビアでクロサイのトロフィーハンティングがオークションに出され、アメリカ人が4000万円で落札した。

     

     

    2016年、シロサイのトロフィーハンティングがオークションに出され、中国人が1200万円で落札した。

     

     

    これはナミビア政府がオークションに出している。

     

     

    落札した人は合法的にサイをハンティングし、頭を剥製にして自国に持ち帰る。

     

     

    当然のことながら大いに非難に晒されているトロフィーハンティング。

     

     

    2015年、ジンバブエでセシルという名前のライオンがアメリカ人トロフィーハンター・ウォルターパーマーによって狩られた際は、欧米を中心に批判が殺到。

     

     

    1週間で100万人を超える署名が集まって、ジンバブエ政府はトロフィーハンティングの禁止を発表。

     

     

    ここまではニュースでも知っている人も多いかも知れない。

     

     

    個人的に興味深いと思ったのがいくつかあって、そのひとつがグーグルの予測検索から推測する限りだと"ウォルターパーマーの野郎"のその後は気にして検索している人が多そうな様子だが、そういう人たちはジンバブエ政府がトロフィーハンティングの禁止を発表したわずか1週間後に禁止を解除したことを知っているのか?ということ。

     

     

    セシルという有名なライオンを殺したウォルターパーマーはフィーチャーされたが、それ以降も数多く殺されている名も知らぬ"有名ではないライオン"のために100万人規模の署名が集まったという話は聞かない。

     

     

    有名じゃないクロサイを4000万円払って殺したアメリカ人コーリーノウトンは、ウォルターほど炎上していない。

     

     

    ウォルターパーマーを擁護する気はさらさらないが、ちょっと不公平じゃね?

     

     

    ここら辺の違いはどこから来るんだろ?

     

     

    もうひとつが、アフリカを舞台にしながらも外国人トロフィーハンターを外国人動物愛護家が非難するという構図。もう一方の当事者であるはずのアフリカの人はどう思っているかという点に触れられていることは少ない。

     

     

    ちなみにセシルの件が世界を賑わせていた時、ツイッターで「我々はライオンのために泣かない」というハッシュタグがアフリカでトレンド入りした。

     

     

    あくまでハッシュタグのトレンド入りであって、実際のツイートの中身がポジティブかネガティブかというのは別だけども。

     

     

    今後もトロフィーハンティングが存続するか無くなるかを考えた時に、アフリカ側の思考も無視できない要素ではある。

     

     

    確か何かの国際会議でトロフィーハンティング全面禁止の決議案が出された時に、否決されたのは南部アフリカ諸国の禁止反対意見が強かったためだったと記憶。

     

     

    あとは・・・セシルの件も含めてトロフィーハンティングについて意見しているブログなんかを読むと、大抵コメント欄がトロフィーハンティング擁護派と反対派の議論で盛り上がってる、というか荒れてる。

     

     

    ネット上で議論して、仮にオレが反対派から擁護派に、もしくは擁護派から反対派に変心したところで、アフリカではそんなことはお構いなしにトロフィーハンティングが行われる。

     

     

    日本でお互いにトロフィーハンターでもないのに「セシルがかわいそうだどうだ」の感情論のぶつけ合いをしても、アフリカではトロフィーハンティングはなくならない。

     

     

    ジャイナ教の信者みたいな考え方の持ち主もそれはそれでいいと思うけど、反対意見の人を一生けん命改宗させようとするくらいなら、もう少しトロフィーハンティングをなくす建設的な方法を考えた方が意味があると思うんだけど。

     

     

    あと、気になったのが数が減ってるのに殺したらダメだ!という意見。

     

     

    至極当然のことを言っているんだけど、裏を返せば「じゃあ、数が増えていたらいいの?」とならないか心配だ。

     

     

    「アフリカでサイは減っている」、「アフリカでサイは増えている」

     

    「アフリカでゾウは減っている」、「アフリカでゾウは増えている」

     

     

    相反するこの2つは、実はどちらも正しい

     

     

    確かにアフリカ大陸全体でサイは激減しているが、ナミビアと南アフリカでは連続して増えている。

     

     

    確かにアフリカ大陸全体でゾウは減少しているが、南部アフリカでは連続して増えている。西と中央は相当やばく、東アフリカは一時期ガクンと減少したけど、再び増加傾向。南部アフリカの増加率が続けばアフリカ大陸全体でみても減少から増加に転ずるかどうかってとこだけど、まだ分からんって状態。

     

     

    IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで、クロサイは絶滅寸前種に指定されているが、そのクロサイにも3つの亜種がいる。

     

     

    ナミビアの南西クロサイは絶滅寸前種からカテゴリーを2つ下げ、絶滅寸前種ではない。

     

     

    擁護派と反対派のブログを読むと、それぞれが都合の良い空間軸を使って”正しい主張”をしている。

     

     

    あと時間軸もね。

     

     

    例えば19世紀末から90%減少とか、90年代から連続増加とか、比較の基準をどこに置くかで自分の主張に合わせられるというのもややこしい。

     

     

    何が正解かは知らないけど、19世紀末と現代の生態系が同じなら比較も意味があると思うけど・・・

     

     

    アフリカを全体でみるのも大事だけど、地域ごとの状況がそれぞれ違うことを念頭に置かないとトロフィーハンティングがなくなる方法は見えてこないんじゃないか?と思う。

     

     

    意外とトロフィーハンティングの問題は複雑だったりして。

     

     

    そんなわけで、トロフィーハンティングについて何回かに分けて書きます。

     


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